セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年7月に資産500万円でセミリタイアして、海外と日本のデュアルライフを目指します。
現在ネット収入は5000円。働かなくても良い、新しい生活スタイルを実現したい。

業績回復株、北海道電力の株価と決算 平均年収656万円

 

北海道電力をはじめとする全国の電力会社は東日本大震災により、全原発が停止し一時的に経営難に陥りました。まだ多くの原発は停止したままですが、電気料金の値上げにより徐々に株価を戻しつつあります。

 

業績回復株を狙う投資家にとって、電力会社の株は魅力的な投資先です。

 

原発が停止したことによって赤字決算に陥りましたが、それでも地域独占型のビジネスモデルは変わりません。

 

 

北海道電力の平均年収は656万円

 

北海道電力のビジネスモデルは典型的な地域独占型です、また資本集約型産業の電力業界に途中から参入するのはほぼ不可能です。小売自由化により小売業としては参入できますが、供給元はやはり既存の電力会社になります。

 

北海道電力の平均年収は電力ビジネスが地域独占型であることをよく表しています。原発が一時的に停止したことにより赤字決算に陥り、現在の平均年収は656万円まで落ち込んでいますが、リーマンショック後の年収833万円は異様な高さです。

 

北海道は物価が安い地域のひとつなので、平均年収は都道府県別で30位と真ん中よりも下に位置します。北海道の平均年収は410万円しかないため、いかに北海道電力の社員が高額な報酬を手にしているかがわかります。

 

原発の事故がなければ北海道で1番目の高収入ですが、事故発生後の現在も3位の平均年収です。30歳社員でさえ470万円を手にします。

 

今後は原発の再稼動に合わせて、元の平均年収である800万円台に戻していくことが予想できます。

 

北海道電力の株価と決算

 

Yahooファイナンス - 北海道電力

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売上高、営業利益、経常利益、当期利益
14年、6303億円、-801億円、-953億円、-629億円
15年、6939億円、475億円、-93億円、29億円
16年、7241億円、431億円、280億円、212億円

 

北海道電力の株価はリーマンショック前の2007年に3300円もありました。事故発生前の2011年には1800円に落ち込み、すべての原発が停止している現在は830円前後で推移しています。

 

低迷している株価と比較して北海道電力の決算は順調に推移しています。

 

事故が発生した2011年から14年まで長いこと赤字決算でしたが、ようやく15年に黒字決算になり、16年には順調に回復しています。

 

回復できた要因は、人件費をはじめとする経営のコストカット、電気料金の値上げ、原油価格の暴落が主要因となります。

 

電気料金を値上げさえすれば赤字決算を脱出することができますが、同時に電力を購入する住民からも強い批判を受けます。しかし、原発が再稼動する前に黒字化できたことは、業績回復株の投資家からみたら、十分に評価できる点です。

 

北海道電力会社は原子力と石炭火力の比重が高く、過度に原発に依存している電力会社のうちのひとつです。保有する原発3基とも安全審査委員会に申請中のため、ひとつが合格したらすべての原発が再稼動する可能性が高いです。

 

つまり他の電力会社と比較して、一番先に事故前の元の水準まで戻る可能性が高いという事です。

 

今や全国の原発が再稼動しないと考える人はほぼいないと思います。


再稼働後は人件費の抑制、経営コストカットなどを考えると事故前よりも株価が上昇する可能性は十分にあります。

 

北海道電力の株価は割安に放置されている

 

北海道電力のPERは9倍とかなり割安に放置されています。

 

一株当たりの利益も-306円、14円、94円と推移し、自己資本比率、7.6%、9.8%、10.2%と順調に回復していることを考えると、明らかに割安に放置されています。

 

電力会社の株価が割安に放置されている大きな理由は2つあります。

 

1つは2016年4月からの電力小売り自由化による影響と、原発の廃炉費用が未知数のため合理的に見積もることができないからです。

 

小売り電力自由化は、投資家が心配する必要はそれほどありません。電力自由化が始まりましたが、新電力移行は全体のわずか1%に過ぎません。電力を買う店を変えたところで、電力の供給元が変わらないことを多くの消費者はすでにわかっています。

 

既存電力会社同士が他電力のエリア内に攻め込んでくる可能性もほぼありません。地域独占型で資本集約型のビジネスをしている企業が、そんなことをしても誰も得をしないからです。暗黙の不可侵条約を結んでいる可能性は高いです。

 

関東や関西などの市場は少し荒れるかもしれませんが、北海道電力という限られたエリアに侵入できるのは、北海道ガスと東北電力くらいしかありません。

 

2つ目に原発の廃炉費用が合理的に見積もることができず、株価が割安に放置されている方が可能性は高いです。

 

しかし、廃炉費用にしても原発の維持費にしても結局は電力を消費する消費者が払うことになります。電力会社の決算が一時的に悪化することはあっても、それが長い将来にわたって経営を圧迫するということは考えられません。

 

牛丼だけを提供している店の牛肉が値上がりしたら、牛丼の値段もあがります。この値上がり分を負担するのは牛丼の消費者です。

 

電力会社は電力という生活必需品を、完全な地域独占型で販売しているため、販売価格に転嫁できないという状況は100%ありえません。

 

多額の賠償金を抱え、政府が大株主になっている東京電力の株価が安い理由は納得できますが、北海道電力や九州電力のような地域電力会社の株価が低迷している理由がいまだによくわかりません。

 

自己資本比率も順調に回復しています。いずれ原発が再稼動することを考えると、上がる要因はあっても下がる要因はありません。

 

配当が開始される頃には一気に急騰するような気がしています。