セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年7月に資産500万円でセミリタイアして、海外と日本のデュアルライフを目指します。
現在ネット収入は5000円。働かなくても良い、新しい生活スタイルを実現したい。

みな心の中では人生を踏み外したいという欲求がある

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先日、ハウスメイトの女性に誘われて近くの酒場に夜お酒を飲みに行った。サラリーマン時代は次の日の仕事が苦痛になるので平日外にお酒を飲みに行くことは好きではないが、今はお金が許す限りいくらでも飲みに行くことができる。

 

最近思っていることだが、自分は他人の人生を覗き見るのが好きなのかもしれない。特に人生に思い悩んでいる人の話を聞くのが好きだ。

 

思えば自分の人生も悩みばかりだった。社会人で最初に入社した会社がIT業界の最底辺で、社会や会社に不満ばかり持っていた。1社目の会社を辞めて留学したり、日本社会に嫌気がさして海外の途上国で働いたが、それでも心の中にある悩みが消えることはなかった。日本に帰国してからは通帳の残高は増え生活も安定するようになったが、どこか心が満たされない思いがずっとあった。

 

そんな自分の人生が、心から楽しいと思えるようになったのはつい最近のことだ。だからこそかつての自分のように人生で思い悩んでいる人の話を聞くのが好きなのかもしれない。

 

 

26歳カタにハマった生き方

 

彼女はシェアハウスに住む前は実家に暮らしていた。実家が東京にあるため、家を出るのは今回が初めてだと言う。高校も大学も東京の私立でいかにも育ちの良い箱入り娘という印象だった。

 

性格も自分とは真逆で擦れていないのが話していてすぐにわかる。

 

エンジニアの仕事をしていたというと、彼女のイメージでは専門職だから高給で、綺麗なオフィス、自由な社風でクリエイティブな仕事をしているという。そんな会社はカリフォルニアのほんの一握りの企業しかない。大半は工事現場の土方のような仕事をしている。飲食業や介護職に並んで労働条件が悪い業界で有名だが、本当に知らないのか疑うレベルだ。世間一般のITてこんなイメージなんだろうか。

 

シェアハウスに住む理由は英語を話せるようになりたいから。シェアハウスに住み始めたタイミングでオフラインの駅前の英語学校に通い始めていた。会社に不満があるらしく転職したいとも言っていた。仕事は商品を仕入れる流通業で、扱う商品が古いため、小さい会社で平均年齢も高くおじさんだらけの職場らしい。

 

昨日お酒を飲んでいるときに聞いたのだが、先月職場の上司にセクハラされ、それが精神的にショックだったらしい。

 

転職しようにも転職の仕方もわからないし、自分でも何をやりたいかわからないという、とりあえず英語ができれば転職しやすいと英語の勉強を始めた。

 

親に転職したいという話をすると、今の時代資格がないとどこも雇ってくれないから無理だと言われたらしい、考え方が少し古臭い印象を受ける。いまは売り手市場なので、転職すること自体は難しくない。労働条件を改善する良いチャンスだ。

 

また、女性だからなのかもしれないが、今時仕事を辞めることを親に相談することにも少し驚いた。自分の場合、一応報告はするけれど、親に相談やアドバイスを求めたことは一度もない。

 

彼氏は大学の時から付き合っているが、籍を入れずに今のまま関係を続けてきたらしい。多分、相手の男性がプロポーズすれば彼女は受ける気はあるのだろう。長い付き合いなのでズルズルと結婚せずに流れてきた感がある。

 

個人的に思うことだが、結婚は5つくらい歳が離れた方がうまくいくような気がする。女性は結婚や出産の適齢期があるが、男性はもう少し時間に余裕があるからだ。

 

ズルズルと長い付き合いが続くと結婚に踏み切るタイミングが難しくなってしまう。具体的にいつ結婚したいという話がないということは相手の男性がまだしたいと思っていないんだろう。彼氏とも先月喧嘩したという。

 

26歳だとまだまだ若いと言ったら、男性と女性の26歳は違うと一蹴された。

 

 

人生を踏み外したい欲求

 

話を聞いていると、考え方が真面目でずっと型にはまった生き方をしてきたんだと思う。自分から見れば彼女の生き方は真逆で興味があるが、彼女から見ても自分のような生き方は興味があるということが話していてわかる。

 

何をやっているかよくわからないけど、興味本位で聞きたいことはたくさんあるのだろう。

 

彼女は仕事、結婚、私生活など、まさに絵に書いたように人生に思い悩んでいた。お酒を飲んで理性が緩んでいるときに、定職につかないお金がないような男性にでも、ストレートに口説かれたら流れそうなくらい不安定な感じだった。 

 

現代社会は真面目に生きてきた人ほど生きにくい世の中だと思っている。日本社会はこうして生きるべきという固定概念が強い上に、20年以上デフレに苦しみ金銭的な余裕もない。

 

自分からしてみれば、ただでさえやりたくない仕事で、セクハラまでされて耐えてしまう気持ちがわからない。転職に役立つようなスキルが身につくでも、小さい会社で安定しているというわけでもない。

 

東京に実家があり親もお金があるだろうし、シェアハウスと英会話クラスのために月に8万円使うくらいなら、人生を変えるようなことをにお金を使った方がいいと思ってしまう。

 

 

やりたいことを見つけて、もっと気楽に生きれば良いのにと話しても、自由に生きれるほど自分は強い人間じゃないという。でも酔いが回り理性が緩んでいるときに話していると、本当は仕事や恋愛に縛られずに自由に生きたいと思っているように見えてしまう。現実社会から抜け出させてくれる男性が現れるのをどこかで期待しているようにも見える。

 

やりたいことがないという人は多いが、会社勤めをしているとやりたいことを考える気持ちを自分で抑制してしまう。やりたいと思っても実現できないと思うと辛いからだ。大概自分が本当にやりたいと思っていることは会社にいては実現できない。

 

誰もがお金のために会社に行き、労働時間と引き換えに働く必要がある。だからこそ打算的に生きてしまう。会社の仕事をしていると将来このままでいいのか考える人は多い、大半の仕事は取り替え可能で付加価値の高い仕事をしている人は少ないからだ。

 

だからこそ資格さえあればとか、英語ができれば人生が変わると思い、それほど価値のないものに大金を支払う。

 

自分からしてみれば、やりたいことをして自由に生きる生き方も、彼女のように真面目に打算的に生きる生き方も紙一重の差しかないと思っている。自分もサラリーマンを辞めたいと思っていても辞められず、9年間も苦悩の時期を過ごしてきた。働かない生活を送れるようになったのは、予想外の出来事がたまたま続いたからに過ぎない。

 

もしかしたら自分も定年までずっと会社に縛られて生活していたかもしれない。

 

彼女がシェアハウスに来たのは先週で、その頃には既に会社に行かない生活をしていたので、スーツを着て毎日会社に向かう自分のことも知らない。毎日リビングのソファに寝転がっているが、昔からこういう生活をしていたと何となく思っているのだろう。

 

彼女からしてみれば自分と彼女の間には大きな壁があるが、自分からしてみれば彼女と自分との間には大きな壁はない。彼女のように悩んでいる人を見ると、誰もがみな心の奥の深いところでは、人生を踏み外して自由に生きたいという欲求があるのではないかと思えてしまう。

 

 

退職願という紙をたった一枚会社に提出するだけで、彼女はすぐに自分と同じ立場にたつ。そんなことをしなくても、1週間くらい有給を取って会社をやめれば、考え方が180度変わりそうな気もするのだが。

 

考えすぎる必要はない

 

会社なんか辞めて、フリーで生活した方が良いということが言いたいわけではない。自分のような生き方は誰にでもできるわけではないし、これが正しい道だと思っているわけでもない。中途半端な気持ちで会社を辞めても苦労することは多いだろう。

 

会社の椅子に座っているだけで毎月給料が発生するメリットも十分に理解している。

 

自分が言いたいのは、そんなに難しく物事を考える必要はないということ。大手優良企業ならセクハラされても居座りたい気持ちは理解できるが、小さな会社でセクハラされて我慢する理由が理解できない。それがやりたい仕事でもないなら尚更だろう。

 

恋愛にしても相手が切り出さないなら自分から率直に話すべきだろう。相手にその気がないなら別れて次に行っても良い、他にも良い男はいくらでもいる。人生は短いから悩んでいる時間がもったいないと思ってしまう。

 

やりたいこと思ったことはすぐに実行した方がいいし、やりたいことは無理にやる必要はない。

 

もっと気楽に生きた方がいいと思う。

 

 

価値観が違うから面白い

 

シェアハウスに住んでいると様々な人に出会うことがで切るから面白い。たくさんの人と出会うことで自分の考えは少数派だということに気がつかせてくれる。

 

自分の感覚でいうと、今時テレビから情報を得ているの?20歳後半で初めて語学を勉強するの?銀行貯金に全財産置いているの?まだ一度も転職したことないの?と思うが、世間では皆そうではない。

 

 

 

会社を辞めた後、人付き合いがなく家に引きこもる人が多いが、シャハウスに住んでいるとその心配はない。考え方が違う様々な人と知り合いになれるから楽しい。

 

セミリタイア後はしばらくフランスに住む

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忙しいサラリーマンに副業で稼げというのは厳しい

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東京のシェアハウスに住むという選択肢

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セミりタイアして2週間が経った、セミリタイア生活のデメリットについて考えてみた

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セミリタイア生活から早くも2週間が経った。2週間も経つとこの生活がもう日常になってくる、当初感じていた時ほどの感動はもうない。

 

感動はそれほどないけれど、相変わらず充実した生活を送っている。自分の身体や思考にあった生活スタイルの最適解を探しているような感じだ。

 

予定がなければ夜の9時には布団に入り、早ければもう10時には寝る。翌朝は6時か7時には目がさめる。予定がないからと言って昼までだらだら過ごすことはない。睡眠はこれくらいある方が身体の調子がいいし、決まった時間に起きると身体も楽だ。

 

朝起きてブログを書きたいと思ったらカフェに行き、身体を動かしたいと思ったら早朝からジムに行く。昨日は渋谷に何も用事がないけれど、日本橋から徒歩で行ってみた。家を10時に出て、帰宅したのは16時だった。予想以上にハードだったが面白い。

 

最高に贅沢というか、無駄な時間の使い方をしている。

 

今日は朝から大雨が降っているが、雨の中びしょ濡れになり電車に乗り会社に行く必要もない。これだけで1日が最高だと思える。

 

セミリタイア生活のメリットは語り尽くせばキリがないけれど、あえてデメリットについても語ってみることにした。

 

・ルーチンが作れない

・集中して作業できる環境がない

・お金の消費

 

 

ルーチンが作れない

 

サラリーマン時代だと、平日は朝起きたら準備をし会社に行くというルーチンワークが出来上がっている。そのため、何も考えずに身体が勝手に動くようになる。何も考えずに身体が動くってとても楽なんだなと思うようになった。

 

ルーチンが出来上がっていると習慣を取り入れやすい。例えば、朝会社に着いたら英語のコラムを2、3記事読むとか、読者の記事に一通り目にするとか自然と習慣になる。例えば英語は、1日に10時間勉強するよりも、毎日30分でも続けた方が効率よく頭に入る。

 

セミリタイア生活では、朝起きてからその日にやることを考える。習慣がないと物事を上達させるのは難しなと感じた。自分が好きなものは黙っていても上達するが、好きでもないことを上達させるためのハードルは上がった。

 

集中して作業できる環境がない

 

セミリタイア生活を始めてから、メインで行う作業はMacBookのラップトップのみになったが、サラリーマン時代に比べて効率が悪い。

 

ラップトップの利点は、外出先でもソファでも布団の上でも作業できることだが、デメリットは作業しにくいということだろう。セブ島のプログラミング留学でビーチで作業をしている広告をよく目にするが、あんな環境で作業なんかできるわけがない。太陽が眩しくて画面は見にくいし、小さな画面とキーボードでプログラミングはやりにくい、姿勢も悪いので身体にかかる負担も大きい。

 

サラリーマン時代は、広いデスク、ゆったりとした椅子、画面が大きいデスクトップが準備されていた。やはりデスクトップで作業した方が何倍も効率が良いと感じてしまう。

 

今のところ予定はないが、可能なら集中して作業するスペースが確保できた方がいいだろう。

 

お金の消費

 

収入がない不安定な生活をしているため、やはりお金の心配は常について回るだろう。当初考えていたよりも、お金を消費してしまう機会は多い。会社にいると強制的に椅子に座っている時間が長いため、お金を使うタイミングはあまりない。


サラリーマン時代の平日は、ランチ代さえ我慢すれば1日にゼロ円ということもザラにあった。


今はお金を使おうと思ったらいくらでも使えてしまう。自分はお金に厳しい方だが、それでも渋谷まで徒歩でいき、1日中外にいたら1000円くらいは簡単に使ってしまう。ランチで500円、水とアイスを買って200円、帰りに疲れたご褒美にビールを買えば1000円になる。

 

普段の生活でも、朝からカフェに行きセットを注文すると300円、ジムに行くと400円、もしもランチを外で食べれば、これだけで1000円を超えてしまう。シェアハウスに住んでいるとディナーや飲み会も誘われることも少なくない。

セミリタイア生活をして、家に引きこもりたいわけではないので誘われたら受けるようにしているが、やはり飲み会の出費は大きい。2時間の食事だけで3000円、サラリーマン時代なら苦にならないが今はそういうわけにはいかない。 

 

デメリットよりもメリットの方が大きい

 

2週間のセミリタイア生活を送ってみてデメリットを考えてみたが、今のところこの3つしか思いつかない。デメリットを上回るだけのメリットはたくさんある。

 

サラリーマンを続けていれば、会社に行き椅子に座ってさえいればお金が毎月振り込まれるが、それでもまたあの仕事を続けたいと思わないから不思議だ。

 

お金に関して不安はあるのだが、とりあえず今月末までは会社から給料が振り込まれるし、3ヶ月後には失業保険の受給が始まる。本格的に通帳のお金が減り始めるのは6ヶ月先だろう。

 

まぁそれでも彼女のサポートがあるおかげで心配は少ない。貯金残高が3桁を切るようになれば焦るだろうが、それはまだまだ先の話だ。それまでに収入が発生しなければ、それはそれでこの生活に未練がないと諦めて労働者の仕事に戻ることができるだろう。

 

先日、いつも通りエンジニアの仕事に関する記事を書いた。SIerの仕事がつまらないという記事を書いたら、ブックマークが大量についてアクセスが急上昇した。いつも通りの記事を書いただけなのに、何がきっかけで起きるかわからないと思った。似たようなことを過去に何度も書いているのだが。

 

大半は同意してくれる記事が多かったが、中にはわざわざブログの記事に起こして批判を並べてくれる方もいた。他人の記事を取り上げて批判するくらいなら、自分で論を並べて論じればと思ってしまうのだが。

 

novtan.hatenablog.com

 

この業界のことをどう思うかは人それぞれだが、人に勧められるような素晴らしい職場ではない。少なくとも自分が子供をできた時に、SIer業界に入れとは言わないだろう。エンジニアになりたいといったら、プログラムできる環境は用意し、向いていると思ったら自前でサービスを作るか、ベンチャー企業を進めるだろう。向いてなければ当然勧めない、お金を稼ぐ手段は他にもたくさんある。

 

ピラミッド構造の上にいる名ばかりエンジニアの給料が高く、彼らの雇用が過度に守られているおかげで、最下層にいるエンジニアは給料が低く、常に流動的で雇用はいつ失ってもおかしくないほど常に不安定だ。

 

個人的にはエンジニアのような専門職であれば、雇用は守らない方がうまくいくと思っている。雇用の有無は100%プロジェクトありきで良い。一部の人間の雇用を守ろうとすると、その代わりに誰かが割を食わされるというだけにしか過ぎない。それが下請多重構造や、多重派遣の問題を引き起こしている原因になっている。

 

自分は転職を繰り返すことでうまくキャリアアップできたが、抜け出すだけでも大きな労力を使った。同じことができる人はそれほど多くないし、本業の仕事とは別のところで無駄に疲れてしまった。

 

このピラミッド構造を避けるために、流行りのベンチャーやWeb製作する会社が最適解だとは思わないが、少なくともこのSIerの構造を良いと思っている人は、構造の上にいて美味しい蜜を座っている人だけだろう。

 

まぁ早い話、プログラムの仕事が心から好きと思えないのであれば、この業界には近づかない方がいい。好きなのであれば普段から自前でサービスを作っているだろうし、わざわざ労働者のようなポジションに成り下がることはない。

 

サラリーマン気質の人が、手に職をつけたいと思ってこの業界に入ってくると痛い目に合うという話だ。

 

SIerの仕事がつまらないと思う理由

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セミリタイア生活10日目

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セミリタイア生活1週間目

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ITエンジニアのSIerの仕事がつまらない理由、やりたい仕事ができていないならすぐに転職した方がいい

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大学を卒業してから中小企業のエンジニアとして9年間働いてきた。この間働いた企業は3社、途上国に現地採用でエンジニアとして働いていた時期もある。

 

この仕事を辞めたのは31歳、最後の年の年収は520万円程だった。サラリーマン全体の平均年収が440万円しかない、中でも中小企業の収入は相対的に少ないことを考えると、自分としては上出来だった。

 

自分が在籍していた企業は、大手メーカーの仕事を請け負う独立系SIerに属する企業、SIerとはお客であるメーカーの業務を把握、分析しユーザーの要望にあったシステムを開発し納品するIT企業のことをさす。

 

ベンチャー企業などエンドユーザー向けにBtoCで稼いでいる企業とはビジネスモデルは180度異なる。この分野については経験がないためよく知らない、これから話す内容もSIer企業に限定される。

 

ただ、日本のIT企業は大半がSIer企業で成り立っている。自社のプラットフォームを持ち直接エンドユーザーとやりとりできる仕事はかなり限られる。日本でエンジニアといえばSIer企業と捉えて問題ないだろう。

 

両者の割合は明確な数値があるわけではないが、例えばECサイトの2015年の市場規模、日本国内のBtoC向けは13兆円しかない。対してBtoB向けは200兆円もある。

 

ベンチャー企業などBtoCビジネスはメディアなどで話題に上がりやすいが、規模としては大きくない。100人エンジニアが入れば、BtoCで働くエンジニアは6人しかない。プライベートで同業者に会うことは多いが、過去にBtoCで働くエンジニアに会ったことは一度もない。大半がお客さん先に常駐して仕事をしている。

 

9年間働いたこの業界で、なぜこれ以上働きたくないかというと次の理由からだ。

 

・古臭い考え方の人間が多い

・エンジニアの人身売買が多い

・プログラマーがプログラミングできない

・日単位でスケジュールが管理されている

・安定志向が好きな人間が多い

 

古臭い考え方の人間が多い

 

ITエンジニアというと、流行りの業種で古臭い慣習にとらわれず、実力主義で自由なワークライフを想像する人は多い。しかし現実は違う。

 

日本は世界中で製品を販売するものづくり大国なので、お客さんは製造業が中心だ。そうすると自然と製造業の慣習に従うことになる。彼らは歴史が古い企業が多く、平均年齢が高く頭の硬い人間が多い。日本のプログラマーやエンジニアの大半は製造業の奴隷になっている。

 

国外で外貨を稼ぐ彼らが掲示するエンジニアの単価は高い。それが自社で独自のサービスを作る企業のネックになる。リスクをとって売れるかわからない自社製品を開発するよりも、エンジニアを派遣した方が楽に儲かるからだ。

 

頭が硬い大手メーカーの社員は同じように頭が硬い人間が好きだ。そうするとIT企業で出世していくのも頭が硬い人間ばかりになる。

 

頭が硬い人間は、効率いい仕事よりも我慢や忍耐を好む傾向があり、無駄なことが好きだ。業務を効率化して早く仕事を終える人間よりも、辛いことでも文句を言わずに耐え忍ぶ人間を尊重する。

 

例えば社員が全て客先に常駐しているにも関わらず、業務時間外に月に数回ひとつの場所に社員を集める。お客さんの意向、次に自社の意向、最後に社員の意向が優先される。彼らの時代遅れ感はすごい。勤怠など自動化せず手書きで直接提出することを求める。不景気で人身売買のビジネスの風向きが悪くなるとになると、土日に社員自ら率先して勉強会を開く。

 

人身売買をしている企業に集まる人間は相当頭が悪い。

 

会社の売り上げが減っている時にプログラミング言語の勉強をプライベートを犠牲にして週末に始めようとする。そんなことをしても売り上げに1円も貢献しない、勉強したければひとりで勝手にやればいい。事務所までの電車賃と電気代で余計な無駄金だ。

 

プログラムの勉強のためにPCが必要になるが、皆社外に出向し客先のパソコンを使うため自分のパソコンがない。勉強会のためにPCを発注しようとしたら、PCを買うお金がないと言われオフラインで紙とペンを使って勉強したのである。

 

 人身売買が多い

 

大学を卒業してから入社した会社とその次の会社は、エンジニアをお客さん先に常駐させてお金を稼ぐビジネスモデルだった。大半のIT企業がそうなのだが、彼らは自分たちのことを正社員だと思っている。しかしやっていることは、時給で働く派遣やアルバイトと何も変わらない。

 

アルバイトエンジニアはお客さん先に出向し、狭苦しい開発室、ボロボロの机、年代落ちのラップトップのパソコンを支給され働くことになる。ラップトップでする仕事は当然ながら効率が悪い。新しいOSやオフィスが発表されてもお客さんの許可なしにアップデートすることは許されない。

 

常駐先と直接雇用関係がないだけで、時間あたりの時給でお金をもらっているに過ぎない。在籍している企業は、常駐先企業と労働者の間に立ってマージンを取っているだけの派遣会社なのだ。こうした業界の慣習に問題意識を持たずに黙って椅子に座って働けるのはある一種の才能のようなものがある。だからこそバカな経営者に摂取されてヘラヘラしている。

 

優秀なプログラマーとそうではないプログラマーは、10倍以上アウトプットが違うが、人身売買の元では皆同じ給料である。

 

自社開発できるほどノウハウがある企業であれば、優秀なエンジニアを外に出すことはない。常駐させて客先の指示通り仕事をしても相乗効果を生まないからだ。どれだけ効率よく仕事をしようが単価80万円の稼ぎしかない。

 

自社内で最適な設計で最小限の労力で効率よくメンバーを使い開発すれば利益率は高くなる。優秀なプロジェクトリーダーがひとりいると300万円以上の働きをする。逆にプログラム知識がないプロジェクトリーダーの元で仕事をすると、お金と労力はいくらあっても足りない。

 

プログラマーがプログラミングできない

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人身売買のビジネスモデルの元で仕事をしていると、そもそもプログラミングすらまともにできる保証すらない。ソフトウェアを開発するためにIT企業に入社したにも関わらず、プログラミングするのが夢のまた夢ということになる。

 

理由は客先企業の都合のいいように使われるからである。自社の社員でもない使い捨て、いつ辞めても困らない人間に経験を積ませようと思うことは当然ない。

 

日本人エンジニアの需要が多いのは、インフラなどバグが許されない大規模開発である場合が多い。インフラは障害は絶対に許されない分野だ。ひとつ障害が発生しただけでニュースのトップ記事になる。

 

インフラの大規模開発の大半はテスト工程である。プログラミングよりもはるかにテスト工程の方が大きい。インフラなど昔ながらのシステムになるとC言語が使われるが、そうすると昔からいる平均年齢が高い中年エンジニアが実装して、派遣で入る大量の若いエンジニアがひたすらテストをこなすことになる。

 

テスト工程も自分が用意したものではなく、過去の遺産や誰かが作ったテスト書をひたすらこなしてくだけである。

 

また、本人の希望関係なく保守や運用に回されることもある。もうバージョンアップが必要ないシステムも保守のために人を割り当てないといけない。アルバイトエンジニアは人数合わせで使われることもある。

 

この業界でキャリアアップしていくためには、まずはプログラムして基礎知識を身につけなければならないが、その機会を提供できる企業は多くない。

 

開発工程は海外の安いエンジニアに流れるし、要件定義、設計、開発、テストと一貫して仕事を請け負えるレベルの企業も多くない。設計は他企業、モジュールごとの開発、テスト工程はまた別の企業になる。

 

順調にキャリアアップできるかどうかは、実力以上に運に左右する。

 

日単位でスケジュールが管理されている

 

この仕事をしてストレスに感じるのは日単位の日雇いバイトのようにスケジュールを管理されていることだ。

 

エンジニアの個人の裁量権というのはほとんどない。この週はプライベートで忙しいから楽に仕事をして、その分来週に挽回しようという考えは許されない。朝早く職場にきて自分の仕事が終わったらからとしても早く家に帰れるわけでもない。

 

毎日その日の作業を報告しその作業が終わらないと家に帰れない。実際には終わらないことの方が圧倒的に多い。仕事が終わらなかった時に、定時に帰ると終わらない理由を必要以上に追及されるが、10時まで残業しているとしょうがなかったとなる。

 

スケジュール表を開くと時間単位でやらないといけない作業がリストアップされている。プログラム知識がなく自分で問題を解決することができないプロジェクト管理者は、いつもスケジュールを気にしている。予定を確認してスケジュールに線を引くことが唯一の仕事で、予定通り線が引かれることで安心したいからだ。

 

仕事を効率よく進めるために、リーダーに作業日報を出してから帰るというルールが義務付けされた。

 

こういうことをするからエンジニアの作業時間が長くなるのだ。別に日雇いのアルバイトをしているわけではない。その日終わらない仕事は翌日やればいいだけだ。

 

自分はルールを守らずに日報を出さずに毎日帰宅していた。

 

安定志向が集まる

 

変化の激しいこの業界に集まる人間は、安定志向が嫌いで変化を求める傾向が強いと勝手に思っていた。しかし、周りを見渡してみると安定志向を持った人間ばかりが集まる。

 

彼らは技術が好きだからこの仕事をしているのではなく、技術職だから他業種よりも安定していると思って入社してくる。そして、そういう人間が集まるから人気がある業種は数年後に斜陽産業になる。

 

安定志向を求める人間の本質は、毎日同じ仕事をしてダラダラ働いても一定以上のお金を受け取りたいと思っている集団である。こういうタイプの人間に賢い人はいない。優秀な人間にぶら下がって生きている。

 

そして会社とはそういう人間の集まりである。頭が悪い人が徳をし、頭が良い優秀な社員はいつも損をしている。皆一部の優秀な社員にブラ下がって仕事しているエンジニアばかりだ。

 

自分は堅苦しい決まり事や、頭が硬い人が多い職場で働くことが嫌いだった。周りの人間も直接口には出さないけれど、規則を押し付けられるのは嫌いなんだろうと思っていた。しかし、そうではないことに最近になってようやく気がついた。

 

安定志向が強い人間はルールを与えられることが好きだ。与えられたルールが厳しければ厳しいほど喜ぶ。なぜかというと忠誠心を相手に掲示することができるからだ。作業日報を毎日提出したいのは、どれだけ1日の作業の中でサボらずに献身的に働いたか見せたいから。業務が終わったら後にミーティングを開いたり、勉強会を土日に開きたいのは、お互いの忠誠心を探り合いたいからに過ぎない。業務時間外に自由を拘束されても、そのおかげでいくら売り上げに貢献したかという事は鼻から誰も興味を持っていない。

 

業務中にネットサーフィンしようが、外出しようが本人の自由で良いと思っている。仕事のアウトプットが評価されれば問題ないからだ。エンジニアとはアウトプットで評価されるべき仕事である。

 

この業界にいて仕事のアウトプットを評価されたいと思っている人間なんてほとんどいない。

 

すぐに転職した方がいい

 

もうこの業界に戻ってくることはないが、それでも9年間働いてよかったと思っている。理由はITについて何も知らないで入社したが、それでもプログラミングができてこの分野に強くなったからだ。

 

現代社会はITなしにビジネスを語ることはできない。

 

給料を貰いながらたくさんのことを勉強させてもらった。特に最後に在籍していた企業は、業界の中ではかなりホワイトだった。1社、2社目はただの人身売買でしか稼げない企業だったが、3社目は客観的に見てもレベルが高かった。

 

結果的に1社目は1年半、2社目は1年未満在籍したが、3社目は待遇が順調に上がったこともあり6年間も在籍した。両者は別の業種だと思うくらいビジネスモデルが違った。

 

地方の小さな中小企業だったが、海外に複数開発拠点があり、外国人労働者を使い自社開発は高い利益率で仕事をしていた。お客さんの要件定義から始まり、設計、開発、テストまで全て担当することができた。当たり前のように思うかもしれないが、これができる企業は意外と少ない。

 

仕事を辞める最後の1年間は自分のアウトプットはほとんどなく、外国人スタッフを複数人使い楽に仕事をしていた。自分が出せるアウトプット量は限界があるが、他人の力を使うと何倍にも増える。

 

こうした経験から、望むような仕事ができないと思ったらすぐにでも転職した方がいいと思っている。

 

結果として最初の1社目と2社目の会社に在籍することで、様々な壁にぶつかり大きく成長できたのだが、エンジニアのキャリアを積む上では無駄になったのは言うまでもない。プログラムを書けない若いエンジニアに存在価値はない。

 

もしも最初の会社で9年間在籍していたらと思うと、自分の人生でこれほど恐ろしいことはない。2008年のリーマンショックで仕事がない時期に会社を飛び出したが、正しい選択だったと思っている。

  

最近のIT業界は人手不足でどこもエンジニアが足りない。こうした背景もあって柔軟な働き方が以前よりも受けいれられつつある。徐々にエンジニアの待遇も良くなっているという実感もある。もちろんスキルがあることが前提だがそれでも若いエンジニアにもチャンスが与えられているのは間違い無いだろう。

 

下請け構造の末端にいたり、保守運用の仕事をさせられているくらいなら転職してしまった方がいい。20代でプログラミングできなくても、責任感があればプロジェクト管理社になれるが、ろくな仕事ができないのは言うまでもない。そんな人間を何人も見てきた。

 

転職するなら早い方がいい、売り手市場の今なら合わないと思ったら半年経っていなけれも会社を移っていいと思う。

 

 

今話題のIT留学に授業料無料で行く事になった

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 9年間でエンジニアという仕事を辞めた。上司に辞意を伝えその日のうちに帰宅した。

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セミリタイア後は月に5万円稼ぐことが目標

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セミリタイア生活を満喫中

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