セミリタイア生活が始まって1週間が経った。まだ1週間しか経っていないが、サラリーマンだったことが遠い昔のことのように感じるから不思議だ。ずっと前からこんな生活をしていたような気分になる。
仕事を辞めたら不安で夜眠れない日々が続いたらどうしようとか、そんなことを数ヶ月までは本気で思っていた。今のところ辞めなければ良かったと思うことは1度もない。
数年後も同じことを思っているかどうかはまだわからないが、少なくともそんな気配は全くない。次の日何をしようか考えて眠りにつくのは楽しい。
仕事を辞めて1週間の生活
サラリーマンを辞めた翌日に彼女が中国から帰って来たので、最初の週は家でゆっくり過ごし、週末の3連休は一緒に熱海の隣の湯河原と箱根に旅行に行った。日本国内を泊まりで旅行に行くのは、沖縄に続いて2度目である。
来月は自分の実家を、再来月フランスを一緒に旅行する予定だ。
彼女はフランスの田舎育ちということもあり、趣味はハイキングで身体を動かすのが好きだ。休みの日は朝から晩まで1日中歩いて過ごす。自分のサラリーマン時代の連休の過ごし方とは180度違う。
最初は少し戸惑ったが、今は彼女に100%合わせることにしている。彼女に旅行代を多めに負担してもらうからと言うのもあるが、その方が身体に良いからと言うのが理由だ。
自分の場合、旅行先にもよるが大半は外を出歩く時間は少ない、出掛けたしても夕方前には必ず宿に戻って来る。ビーチや室内でゆっくり本を読んで過ごすのが好きだからだ。連休は次の日も休みなので日が暮れる頃からお酒を飲み始め、夜は酒浸りになるのが普通だった。連休明けは酒の飲み過ぎで胃が疲れていた。
お酒を飲む習慣がない彼女と一緒にいると、1日中外を歩き疲れて家に帰るのでお酒を飲まずに布団に入る。布団に入ったら朝まで爆睡してしまう。翌朝起きた頃には筋肉痛で足が痛いが、不思議と身体が心地いい。
彼女はまだ23歳と年齢が若いからなのか、フランスの田舎の山で育ったからかなのわからないが身体的にかなりタフだ。3連休の3日とも、家でのんびり過ごすことはせず、仕事で中国に戻る前日の夜まで遊びまわっていた。
特に最終日は朝から宿を出て熱海のビーチに行き1時間海で泳ぎ、そのまま重い荷物を背負って箱根山をハイキングに行く、夕方に箱根を出て東京に戻るが、その足で秋葉原に行きフランス人の同僚と食事をとり、その後家に荷物を取りに戻るが、翌日の中国出張のため空港近くのホテルに向かった。仕事がない自分も一緒に空港に泊まったのだが、ホテルに着いたのは夜の10時を過ぎている。
観光地の高いレストランで食事は取らないため、いつもご飯を買い込みそれも全て背中に背負って歩く。水もペットボトルを持ち歩くため無くなったらトイレの水を補給する。水を満タンに入れるとそれだけで結構な重量になる。
30歳を超える自分にはハードなスケジュールだったが、沖縄旅行に行った時もこんな感じだった、彼女としてはこれが普通なんだろう。
連休中は日が暮れる頃からお酒を飲みたくなるのだが、彼女に合わせて酒を飲まないで過ごした。まぁ、来週も再来週も仕事がないから飲みたい時にいつでもお酒を飲める、そう思ったらわざわざ旅行中に高いお酒を飲む必要もない。居酒屋で夕食を取ったがビールを頼まなかった。
サラリーマン時代は働くだけで不健康になる
サラリーマン時代は、週末にジムに通っていたので周りの同僚よりも体力がある方だと思っていた。彼女と一緒にハイキングに行くと自分の運動不足を実感する。
30歳手前あたりから、健康や老いについて意識するようになった。
特に気にしていたのはコメカミ辺りに部分的に生え始めてきた白髪だ。コメカミに白髪ができるのは、眼精疲労による血行不良になるのが一番の原因らしい。
プログラマーなどパソコンと頭を使う職業は特になりやすいのだという。確かに自分の周りを見渡してみると、30半ばで白髪だらけ、髪の毛が後退している同僚が目立つ。40歳を過ぎると、もう手遅れという人も少なくない。
若い人が辞めて行くというのも理由のひとつにあるかもしれないが、そもそも全体的に外見が老けてみえる業界だ。
それだけ、スケジュールのプレッシャーでストレスが強く、年中パソコンを見ているため目が疲労する、加えて一日中椅子に座っているため下半身の筋力も衰弱する。目が酷使し下半身は衰え、その上生活習慣が悪く、現代病に最もかかりやすい職業だと思っている。
眼精疲労になりやすいのは次のタイプだというが、エンジニアの仕事ではこれを避けるのはまず不可能だろう。
・仕事がパソコン
・携帯を長時間使う
・趣味がパソコン
・長時間のテレビゲーム
・SE・プログラマ
・目を酷使する
朝起きたらスマホを見るし、会社に居たらパソコン画面以外に見るものはない、夜家に帰れば副業のためにまたパソコンをみる。副業をやらなければ一生会社につくさないといけないため、もはや現代人にとって副業は必須だろう。
時間があるときは湯船に入ったり、頭皮のマッサージをする機会も増えたが、それでも会社にいき普段通りの日常を送ればまた頭皮が凝り固まってしまう。会社に1日出社すれば、日常の業務で9時間パソコン画面を見続けるのが仕事だ。帰りが遅くなれば湯船に浸かってゆっくり過ごすこともできない。
この生活から逃れるためには会社を辞めるしかないと思っていた。
白髪になるのも髪の毛が禿げるのも生きていく上では避けられないが、仕事と引き換えに失うというのはちょっと寂しい。それが好きではない仕事であれば尚更だ。そこまで自分の仕事に価値があるとは到底思えない。
この仕事をしているうちは、表面的には問題は解決されるかもしれないが、根本的なところでは不可能だなと思うようになっていた。今はまだ血行不良で白髪が増えるなど小さい問題かもしれないが、この仕事を続けていると10年後や20年後には身体的に深刻な問題が表面化する気がしていた。白髪は自然の摂理だが、これから身体が急激に老いていく前兆のような気がしていた。多分、それだけストレスの掛かる仕事をしているという自覚が合ったからだ。
仕事を辞めたことで起きる身体の変化
まだセミリタイア生活を始めて1週間しか経っていないのでなんとも言えないが、身体は健康になっていく気がしている。
夜はぐっすり眠れるし、眠くなったら好きな時間に昼寝もできる。朝からゆっくりと散歩もできるし、昼からスポーツジムで汗も流せる、スポーツジムに行くのがだるければ、湯船に浸かって汗を流すだけでも良い。
先日、たまたま朝5時に起きたので日本橋から浅草まで散歩に行った。定期的に朝の散歩を取り入れてみるのも悪くない。
外食の機会も減ったので、お腹いっぱいにご飯を食べることも減った。サラリーマンは好きな時間に休みが取れないため、ランチタイムはなるべくお腹が空かないようにご飯を食べるようにしていた。業務中にお腹が空いたら、それだけ時間が経つのが苦痛に感じてしまうからだ。今は好きな時間に食事を取れるため、サラダやフルーツだけだったりと軽く済ますことができる。お腹が空いたらまた食べれば良い。
サラリーマンで業務中に間食をする人は多いが、業務中に甘いものが食べたくなるのは、脳が仕事のストレスを紛らわすためらしい。
パソコンは1日に1回も使わない日もある。記事を書き溜めるときは朝の7時からカフェに行き、昼過ぎまでいることもあるが、それでもパソコン画面を見続ける時間は5〜6時間程度。現役時代に比べたらこれだけでもはるかに短い。サラリーマン時代は仕事で疲れたあとも記事を書くためにパソコンと向き合っていた日もある。
目が疲れたと思ったときは昼過ぎにば家に帰って寝るか、漫画を読むかスポーツジムに行って汗を流すか、好きなように時間配分ができる。サラリーマン時代は午後に10分だけ休み時間が与えられていた。好きな時間に休めないのは、仕事のアウトプットではなく時間で評価されていたからだろう。皆時間で同じように評価されているのだから、ひとりだけ休んでいる人がいたら場の空気を乱してしまう。
仕事をやめてからは、夜眠る前に今週末までに終わらせないといけない仕事の事を考えて布団に入ることもなくなった。暑くて眠れない日も、次の日の仕事のために早く寝なきゃと身構える必要もない。寝不足になったらなったで、昼寝をすれば良いからだ。
おかげでとても気楽な毎日を過ごしている。
安定収入を捨てた代わりに得たもの
自由な時間を得た代わりに失ったものは安定収入とキャリアである。
安定収入を得る代わりに会社から縛られた生活を送っていた。これを失ってしまう恐怖心から9年間も働き続けたのだが、いざなくなってしまうとそんなもの最初から必要なかったことに気がつく。
元々最初から持っていなかったものだが、学生を卒業したら無ければ生きていけないとずっと思い込んでいた。
仕事を辞めて改めて思うのは、やはり人から与えられた仕事にストレスを感じてしまう以上は、どのみち長くは続けられないということ。今はまだなんとか我慢できていたとしてもどこかで爆発してしまう。その時に結婚して嫁や子供がいれば、彼らにあたり尽くしているかもしれない。
人から与えられた仕事にストレスに感じてしまうのであれば、いずれは他に道を探さなくてはいけない。他の道を探すのであれば、年齢が若い時の方がいいというのは言うまでもない。自分の場合はそれが遅すぎたと後悔している。
この先収入がないまま貯金が底を尽きてしまう可能性もある、それでもまた働きたくないと思っていると言うことは、これが正しい選択だったんだなと思う。
サラリーマンに再び戻る可能性
またサラリーマンのような働き方をする可能性は完全にゼロになった訳ではないが、そのときは自分に合ったライフスタイル、職業を選択するだろう。少なくともその仕事はエンジニアではないし、月から金曜までの週5日の仕事ではない。
思えば9年間も安定収入とキャリアにこだわっていたが、一度捨ててしまえば何とも思わない、なぜあれほどこだわっていたのか自分でも不思議だ。
セミリタイア生活を送った先輩方のブログを見ていると、数年間気ままな生活を送った後に再びまた働きたくなるらしい。金銭的な理由でサラリーマンに戻る人は再び奴隷のような仕事を選択してしまうが、そうではない人たちは本当にやりたかった趣味の延長線上のような仕事を探し始める。
人は組織の中で喜びを感じるのでそれもそれでありだと思う。
自分の場合はどうだろうかと考えるようになった。人と群れで過ごすのは好きではない性格なので一生働かないで済む生活をしている気がする。先のことはわからないけれど、セミリタイア後の身体的な変化と一緒に精神的な変化も楽しみたいと思う。
第2の人生が始まったので自己紹介
セミリタイア生活の1日目と2日目
会社を4時間という最速で辞めてきた