セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年7月に資産500万円でセミリタイアして、海外と日本のデュアルライフを目指します。
現在ネット収入は5000円。働かなくても良い、新しい生活スタイルを実現したい。

人生は何を諦めて何を残すかが重要、両親と同じ道に進む兄弟を見ると少し悲しくなるという話

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知人や家族と話していると、普通に暮らして普通に生活したいという事をよく聞く。

 

たぶん、この普通に生活したいという言葉の中には、サラリーマンの平均年収414万円以上のお金を稼いで、雇用が定年まで確保されていて、残業がなく定時に帰れて、新築で家を建て子供を2人くらい育て、老後は貯蓄してきたお金と年金で自適悠々に暮らすことを前提にしているのだと思う。

 

これは現実社会を考えると難しくなる。

 

日本経済は失った20年と言われるほど不況が続いている上に、超少子高齢化社会を迎えるので一人当たりの税負担は増していく。社会保障費は1988年の40兆円から27年間で3倍の120兆円へと膨らんでいることからもわかるように悪化するしかない。

 

定時帰りで平均年収414万円を稼げればいい方で、現実は年収300万円台で朝から晩まで企業のために働き、非正規の割合は4割を超えたことからもわかるように、雇用は常に安定していないという世界で生きることになる。

 

こういう状況を理解した上で、若い人たちは何を諦めて、何を残すのかを考える必要がある。ひと昔前の親世代の価値観に合わせて生きようとすると、さらに生きづらい生活を送ることになる。

 

 

諦めるという選択肢

 

何を諦めて何を残すかは、優先順位をつけて自分の価値観で合わせればいいと思う。諦められるものを探していくといくらでも見つかる。

 

・マイホームを諦める

・クルマを諦める

・ひとり暮らしを諦める

・安定収入を諦める

・外食を諦める

・タバコ、酒を諦める

・結婚を諦める

・子育てを諦める

 

マイホームやクルマがなくても生きていく上ではそれほど困らない。職場から近いところに住み、必要な時だけクルマを借りた方が安く済む。また、新車の普通車でなくても、税金が安い軽自動車の中古でもいい。

 

自分は会社組織に縛られずに好きな場所に好きなタイミングで旅をし、働かない生活を手に入れたかった。そのためにはお金が必要だったので、地方に住んでいたがクルマを所有する事を諦めた。地方から東京に移り住んだが、土地が高い東京で生活するためにひとり部屋を諦めてシェアハウスの共用部屋で生活することにした。

 

スーツケースの中に全ての荷物が入るように、ものをできるだけ所有しない生活を続けた。所有するものが少なければいつでも飛び立つことができる。反対に家にものが溢れていると、生活スタイルを変えることは難しい。

 

それ以外にも、会社組織から依存しない生活を送るために、週末の貴重な時間を費やしてブログを書いたり、知識をつけるために投資の勉強もした。生命保険を解約するので健康にも人一倍気を使うようになった。

 

社会を出てから10年経ったが、年齢が若いうちに早々に結婚した兄弟とは全く違う道を生きることになった。彼らは自由に生きる事を諦めた代わりに、マイホームを新築で手にするために住宅ローンを組み、お金や仕事に縛られる生活をする事を決めた。

 

同じ家族でもひとつの場所に定住したい派か、色々な場所で生活したいと思っている放浪派とで考え方は180度異なる。家族や親族を見渡しても自分のような生き方を選択する人はひとりもいない。

 

新築でマイホームを持つことが悪いことだとは思っていない、十分な収入や資産があれば低金利時代を利用して安く所有することができる。ただし、借入額限界まで借りることになる低所得者がマイホームを新築で購入することは賢い選択だとは思わない。

 

人それぞれの生き方があるので、彼らを批判したいわけではないが、もう少し広く選択肢をとったほうがいいと思っている。

 

仕事のストレスのはけ口は酒だった

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自分が育った家庭は裕福ではなかったがそれほど貧乏というわけでもなかった。母親がフルタイムに近い形で働いてくれていたからだ。ただ、親戚や親族がいない地方に新築で家を建てたので、母親は子育て、家事、仕事に追われとても大変な思いをしていた。

 

自分が社会に出てから母親の苦労を知ることになった。

 

父親は仕事が終わって家に帰ると毎晩酒を飲み、典型的なアルコール中毒だった。思春期や反抗期を迎えた男3人兄弟の誰かと常にケンカばかりしている家庭だった。

 

大人になってから理解できたが、父親は仕事に大きなストレスを抱えていた。30代後半は1番仕事に嫌気がさす年齢かもしれない。多分この時期を過ぎると楽になってくるのだろう。40代、50代になると今更別の選択肢を取ることはできない、選択肢がないことがわかると人間は悩まなくなる。

 

仕事のストレスのはけ口は酒しかなかった。毎日酒に飲まれて反抗期の息子と衝突し、家族の争いごとは絶えなかった。この仕事のストレスから逃れたくても、毎月返済しないといけない住宅ローンを抱えているから選択肢はない。浴びるように酒を飲み、現実逃避するしかない。

 

県や市が運営する団地に住めば生活費はいくらでも落とすことができるが、マイホームを抱えていると選択肢がない。

 

父親の収入は少なかったが、それでも生活が成り立ったのは母親が看護士で働いてくれていたおかげである。毎晩テレビを見て酒を飲んでいる父親とは対照的に、仕事で疲れてからも家事の全てをこなしていた。

 

こういう生活を見ていたので、住宅ローンのために借金をしたくないし、地方に住みかつ夫婦の両親と離れて暮らすことのメリットはないだろうと思っていた。両親が近くに住んでいると子育てを頼むことができる。都会に住むと家事や子育ては代行できるし、仕事の量や種類も違うので選択肢はいくらでもある。

 

同じ道に進む兄弟

 

両親の生活を反面教師にこういう生活は送らないようにしようと思った自分とは対照的に、兄弟は両親と同じ道を歩もうとしている。

 

同じ道でも時代背景が違う分余計苦しい思いをすることになる。30年前はこのやりた方でもなんとか通用したかもしれないが、現在の社会を考えると今はもっと難しい。10年後の地方の経済状況を考えて誰が人生設計できるだろうか。

 

弟は夫婦の実家に近いところに住んでいるため、子育てを頼むことができる分生活は楽である。しかし実家から離れたところに住む兄は、嫁が働けない分生活は苦しい。1馬力で住宅ローンを抱え、子供2人と嫁を養い、クルマの維持費も払っていかなくてはならない。我慢大会そのものだ。

 

すでに住宅ローンの返済が厳しいらしく、いくらか親から援助してもらっている。

 

何を残すかで人生は決まる

 

地方ではごく一般的な生活スタイルだけれど、新築のマイホームを建てて、夫婦で共働きするためにクルマ2台を所有していると、それだけで生活を成り立たせるために生きることになる。30代、40代の純資産は常にマイナスだ。子供が独立した50代後半にようやく資産を築くことができるが、その頃には老後のことを考えなくてはいけない。

 

地方は雇用も限られているので、都内のようにキャリアアップしながら年収を増やしていくのも難しい。転職しようにも転職先も限られているしすぐに噂が広まる。

 

親世代と同じような生活を送ろうと思えば苦しくなってしまうが、少し工夫するだけでいくらでも改善点はある。

 

例えば、新築の家を諦めて中古物件にするとか、どちらかの職場に近い場所にしてクルマを1台にするとか、マイホームを諦めてどちらかの実家に同居するとか、選択肢はいくらでもある。

 

今の生活が維持できることを前提に住宅ローンを組み将来設計してしまうと、将来何か起きた時に何も対応できなくなってしまう。逃げ道がない生活は自分や自分の家族を追い込むことになる。

 

親世代と同じような人生を選択している兄弟を見ると、世の中そういうものなんだなとある意味感心するようになったが、少し悲しい気持ちもある。とりあえずブログでも書いて、本業以外の仕事で副収入を得ようとすると人生はだいぶ変わってくる。

 

新築と新車を諦めるだけで、生活は劇的に改善するのになー。

www.sekkachi.com

 

右肩上がりのライフプランを立てたために今の年収を下げるような事はできない、というのは本当に勿体無い働き方です

Amazon:何を捨て何を残すかで人生は決まる (青春新書インテリジェンス)

本田 直之

 

セミリタイア生活者は、依存したくない症候群かもしれない

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空き家が13%を超える時代に新築で家を買う理由が理解できない

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