セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

日本のITSier企業に疲れ切った若者はベンチャー企業に憧れる理由

 

大手外資系のSierに勤めるハウスメイトがシェアハウスを退去することになりました。

 

毎日夜の10時、11時過ぎと夜遅く働いています。退去することになったのは、仕事でくたくたになって家に帰るので、個室でゆっくりしたいからだと思います。

 

彼は東京のエリート大学卒業ですが、日本のSier企業に入ってしまいました。

 

大手外資系といえども、日本のIT企業に入ってしまったのは大きな失敗です。文系出身ということもあり、未経験で入社させてもらえるといこともあったのかもしれませんが、選択は間違っていたと勝手に思っています。

 

彼の企業の「就職、転職サイト」の口コミを見ると、給料がいいけど体育会系のノリが強く、長時間労働が原因で職場を去る人は多いです。

 

学生時代に頑張って勉強した分、有名大学の大卒というブランドは確実に存在します。どの業界、どこの企業で働くかはとても重要です。働いた経験がない学生にとっては、イメージするのが難しいですが、それでもこの情報化社会で知らないということはそれだけで罪です。

 

ベンチャー企業に憧れる理由

 

Sier企業に働いている、特に若いプログラマーはベンチャー企業に憧れる人は多いです。

 

Sierとはシステム構築の依頼を顧客から受けて、ユーザーの課題を解決する業者のことを指します。ユーザーとは大半が製造業のメーカー企業を指し、メーカーが使用する業務用アプリやメーカーの製品に搭載するソフトウェアを開発します。

 

Sier企業に不満を持つエンジニアは多いです。

 

理由は人月で仕事を受注するため、個人のスキルはあまり重要視されず、そこから、多重請負、多重派遣、長時間労働、労働者のミスマッチなど様々な問題が発生します。

 

業界はどこも人集めに終始するため、プロジェクトごとに職場が変わりお客さん先を転々とするエンジニアは非常に多いです。

 

ものづくりに憧れてこの業界に入る人は多いですが、誰も読まないようなドキュメント作りに終始終われ、少数人しか使わない業務用アプリを開発し、革新的な仕事とは無縁でお客さんの無理難題に答えながら夜遅くまで働きます。

 

プロジェクトはいつも期待通りには進まないため、いくら頭数を揃えようが作業時間は増えます。

 

システムを開発したいと思っても入社しても、仕事はクライアント次第なため、保守や運用で数年間消耗することもあります。技術が身に付けられるかどうかは、常駐先のプロジェクト次第ということになります。

 

人気がない職種ですが、日本の製造業は規模がでかく、海外でも収益を上げているためお金回りはいいです。そのため、代わりの人材もいくらでもいます。

 

偽装請負や多重派遣は違法行為ですが、その利便性からなくなることはありません。モラルよりも明日の利益の方が企業には魅力です。

 

ということもあり、Sier企業に不満を持つエンジニアは多いです。

 

対してベンチャー企業は、腰を落ち着けて自社開発ができ、エンドユーザーが消費者なため、自分たちで考えてサービスを創造します。Sier企業で消耗しているやる気のある若手のエンジニアは、ベンチャー企業に強い憧れを持っています。

 

退去するエリート大学卒のハウスメイトも、ここで働いても技術力が身に付かない、ベンチャー企業に移りたいと言っていました。

 

ベンチャーは総じてレベルが高いというセリフはよく聞きます。本当にそうなのかは疑問に思いますが。

 

ベンチャー企業がユートピアとは限らない

 

IT業界にいると良いイメージばかりが先行するベンチャー企業ですが、個人的にはそれほど魅力的には思っていません。Sier企業で長時間労働で消耗したエンジニアがベンチャーに行っても成功できる可能性は低いです。

 

・ITは変化が激しい
・資金がないため長時間労働するしかない

 

ベンチャー企業が生き残っていけるのは、大手企業が参入できないニッチな分野に先行できるからです。大手は意思決定が重く、利益がでないものは投資できません。そのため、ベンチャーは他の企業と差別化できなければ生き残っていけません。

 

IT業界は変化が激しく常に競争過多、1~2年で大きくトレンドが変わります。

 

例えば国内でソーシャルネットワークでシェアを取っていたミクシィも、フェイスブックの台頭で一瞬で下火になりました。フェイスブックのシェアは世界最大ですが、ツイターやインスタグラムなど常にライバルが新しいサービスを創り続けています。

 

100社企業が生まれると5年後に生き残る企業は14社、10年後も生き残る企業は6社しかありません。初期投資が少なく比較的簡単に始められるITのスタートアップ企業は、これよりも生存率は下がります。

 

100社ベンチャー企業があれば、10年後にも生き残れる企業は1社もないかもしれません。

 

生き残るためには常に動き続けなければいけません。

 

ベンチャーの方が労働環境は悪い

 

設立間もないベンチャー企業は常に資金繰りの問題があります。出資者がいなければ、どれだけ優れたサービスを生み出そうが生き残る事はできません。

 

過度なリスクを取り、いつ潰れるかもわからない状態でスタートした企業は、社員に十分な報酬を支払う余裕はありません。さらに、売上げが立てられないと長時間労働で働くことを社員に求めます。

 

経営者は自分はリスクを取って仕事をしているので、それと同じ感覚を社員にも求めます。

 

前職が待遇が良い企業であれば、半分から3分の2まで収入が下がり、かつ前職よりも労働時間が長くなる可能性は高いです。

 

月に70万円稼げるエンジニアか?

 

Sierでメーカーと直請けで契約した場合、一人の月単価は70~80万円が相場です。金融系はもう少し単価が高くなります。

 

つまり自社サービスを創る企業で働くエンジニアは、同じだけの待遇を得るためには、70~80万円の売り上げを上げなければなりません。SIerの一次請け技術者が80万円も価値があるのかは別にして。

 

たとえば、3カ月かけてエンドユーザー向けにスマホのアプリを公開した場合、210~240万円の売り上げを立てる必要があるということです。3人チームで開発した場合、630~720万円です。

 

AppStoreだけでもアプリは200万本あります。これだけ膨大な数になると、ランキングに入らないアプリはユーザーの目に触れることはありません。

 

ランキングに入るためには、アプリの質が高いことは勿論ですが、広告費、話題性がなければランクインされることはありません。これだけ市場が成熟して、高品質なアプリが無料で手に入る時代に売り上げを立てることは容易ではありません。

 

一攫千金を夢見るエンジニアがたくさんいる中で、月に1000円も得られる開発者はほとんどいないという厳しい現状があることを知っておく必要はあります。

 

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プログラムを書ける人ではなく、プログラムを使ってビジネスが出来る人が生き残る世界で、プログラムを書くだけならだれにもできてしまいます。難しいコードを書けるようになったとか、新しい技術を身に付けたからという理由では給料は上がりません。

 

結局のところ、テクノロジーを使ってビジネスに結びつけることができないのであれば、Sierだろうが、ベンチャーだろうがどこに行っても大差はありません。このような人材は業界に一握りだけです。業界は変化が激しく、今年儲けたビジネスモデルは来年も通用するとは限りません。

 

サーバーをレンタルするビジネスで生計を立てていても、アマゾンのAWSによって時代遅れのビジネスにされてしまいます。

 

Sierからベンチャー企業に移ったからと言って満足の良く仕事ができるわけではありません。

 

むしろ市場が大きく単価が高いSier企業にいた方が何倍も楽に稼げます。規模が大きいプロジェクトに携われるので、上のポジションまで行ければ高収入になります。

 

優秀なエンジニアはどこにいても活躍する

 

現代社会で、優秀なITエンジニアは組織に依存しなくても生きていけるような環境はすでに揃っています。そういう人材は引く手あまたなので、どこに行っても通用します。その反面、優秀ではないエンジニアは一生会社に依存して生きていくことになります。

 

この業種は特殊な世界で本当に仕事が好きではない限り、そこそこのポジションにいることでさえ難しいです。ライバルは世界中にいるため、働く労力の割に報酬は決して高くはありません。

 

変化が激し世界のため、常に新しい知識をアップデートしていかなくてはなりません。しかし日々の仕事に追われているとそういうワケにもいきません。仕事が忙しい中でも新しい技術の勉強ができるのは、心から技術が好きな人たちだけです。

 

この業界にいて常に思うのは、大半はITにそれほど興味を持っていない人がたくさんいるということです。人月という単位でエンジニアが取引されるため、文系出身でも未経験者でも誰でも働くことができるからです。

 

本当にクリエイティブなエンジニアは、子供のときから誰にいわれるわけでもなくプログラムをしています。それほどプログラムの世界が好きだからです。

 

プログラムの経験がないけれど、大学を卒業してやってみたというレベルでは通用しない世界です。

 

後者の人間がベンチャーに行ったところで、余計追い込まれることになるのは想像に難しくありません。

 

日本のIT企業には近づかない方がいい

 

このハウスメイトが勤めている企業は日本でトップクラスのSierです。

 

この企業を飛び出し転職するということは、前職よりも待遇が下がる確率は高いです。徐々に待遇が良くなるのと、スタート地点が良すぎたせいで待遇が悪いのとでは精神的なストレスは計り知れないものがあります。

 

隣の芝は青く見えるため、大概2度目の転職は失敗します。自分の事を正しく分析できていればいいのですが、1社しかしらないと客観的に企業を判断できないからです。

 

長時間労働が嫌だからとか、人間関係が合わなかったという理由で転職を考える若者は多いですが、部署を移動することを考えたり、残業しない方法を考えた方が最善の策です。

 

転職で問題が解決できるように見えるのは、転職をあっせんすることで利益を手にする人たちがいるからです。

 

大卒のメリットが効くのは1社目の会社だけです。あとは学歴よりも職歴の方が重視されます。

 

エリート大学に卒業した学生は、日本のSier企業には近づかないのが一番だと思いました。

 

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