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東京電力と関西電力の決算比較 東京電力の過去3年間の純利益は1兆円超え

 

 

東京電力と関西電力の比較

 

過去5年間の東京電力と関西電力の決算書を比較してみました。両社とも大きく利益を伸ばすことに成功しています。

 

■東京電力

売上高/営業利益/経常利益/純利益
2012年 5兆3494億/ -2725億/ -4004億/ -7816億
2013年 5兆9762億/ -2219億/ -3269億/ -6852億
2014年 6兆6314億/ 1913億/ 1014億/ 4386億
2015年 6兆8024億/ 3165億/ 2080億/ 4515億
2016年 6兆0699億/ 3722億/ 3259億/ 1407億

■関西電力
売上高/営業利益/経常利益/純利益
2012年 2兆8114億/ -2293億/ -2655億/ -2422億
2013年 2兆8590億/ -3140億/ -3531億/ -2434億
2014年 3兆3274億/ - 717億/ -1113億/ - 974億
2015年 3兆4060億/ - 786億/ -1130億/ -1483億
2016年 3兆2459億/ 256億/ 2416億/ 1408億

両社とも2012年と比較して大きく売上を伸ばしています。東京電力はプラス13%、関西電力はプラス11%です。これは単純に電気料金の値上げが理由です。

 

東京電力は2014年から黒字に転換、関西電力は2016年に黒字化に成功しています。両社の決算書からわかることは、電力会社の底堅いビジネスモデルを表しています。

 

大幅な原油安も十分に貢献しているはずですが、それ以上に電力会社はビジネスモデルを変える必要は一切なく、電気料金さえあげることができれば黒字を達成できます。

 

東京電力と関西電力の違い

 

両社とも大幅に利益を回復させることに成功していますが、東京電力の方が明らかに効率良く利益を伸ばしています。

 

東京電力は2013年以降、営業利益、経常利益大きく利益を伸ばし、2014年には黒字化を果たしています。一方で関西電力が黒字化を脱したのは2016年になってからです。

同じような業務内容で、どうしてこれだけの差が付いてしまうのでしょうか。原因は以下の3つにあります。

①関西電力の原発比率が高い
②東京電力の経営改革
③東京電力の人件費カット

 

関西電力の原発比率が高い

 

現在、四国電力と九州電力を除いて多くの原発が停止しています。関西電力の高浜原発も安全委員会の審査に適合しましたが、裁判所からの運転差し止めにより停止しています。

 

関西電力の原発比率は電力会社の中で一番高く「53%」を占めます。半分以上の電力を原発に頼っていました。東京電力は日本一の出力数を誇る柏崎刈羽原発を持ちますが、それでも「32%」にしか過ぎません。

 

原発を持たない沖縄電力以外のすべての電力会社は、原発の停止によって財務を急激に悪化させました。関西電力のように原発比率の大きい会社ほど黒字化に時間がかかっていると言えます。

 

東京電力の経営改革

 

東京電力は事故を起こした当事者ということもあり、大幅なコストカットを行っています。10年で4.8兆円のコスト削減の目標を掲げています。1年あたりの効果は4800億円にも登ります。

 

事故の当事者とそれ以外の電力会社とでは、コスト削減に掛ける意識が大きく違います。東京電力は生産現場の改善を行うために、トヨタ自動車の元常務を特任顧問として起用しています。

 

この人物は昭和36年にトヨタに入社し、必要なときに部品を調達し在庫を持たない「かんばん方式」などトヨタ流の生産方式に精通しています。競争相手がいない電力会社の非効率な生産現場の改善に役立っています。

 

また、東京電力は資源調達を中部電力と協力して国際入札することで、さらに1兆円の削減を狙っています。

東京電力の人件費カット

 

東京電力は経営改革の一貫として、人件費のカットも進めています。

 

東京電力の平均年収は事故前の「761万円」から「619万円」と大幅に減らしています。対する関西電力は「806万円」から「782」万円とそれほど変わっていません。東京電力は希望退職への応募もたくさんありこれも人件費の削減に大きく貢献しています。

 

事故を起こした当事者の東京電力は危機意識が高いのかもしれませんが、電力会社は競争相手がいない手堅いビジネスなので、他の電力会社は薄いのかもしれません。

 

 長期でみたら東京電力の方が儲かる?

 

以上を考えると、両社とも電気料金の値上げなどで収支を改善できていますが、東京電力の方が関西電力よりも大幅に改善できています。

今後は原発の再稼動が進むにつれて、電気料金の値下げを検討していくことが予想できます。どれだけ値下げできるかは、インフレ、為替、原油価格、電力自由化によって大きく影響します。

 

東京電力の場合は、稼いだ利益から損害賠償支援機構に返済するため、この先もまだまだ経営が圧迫されます。

 

それでもこの決算書の数値をみると、関西電力よりも東京電力の方が有望な投資先に見えてしまいます。高い危機意識をもって経営を改善できているという点は十分に評価できます。

 

廃炉費用や損害賠償など課題はまだまだ山のように残っていますが、数10年後という長い視点でみる必要があります。

短期で見た場合、原発の再稼動される前提でいえば、原発比率の高い関西電力の方が儲かりそうですが、長期で見た場合は東電の株価が大きく値崩れしているので、最終的なリターンはこちらの方が大きいかもしれません。