セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年7月に資産500万円でセミリタイアして、海外と日本のデュアルライフを目指します。
現在ネット収入は5000円。働かなくても良い、新しい生活スタイルを実現したい。

「老いて男はアジアを目指す」セミリタイア後にタイやカンボジアに移住するという選択肢

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セミリタイア後の生活の中心は東南アジアを考えています。

 

そのため、東南アジア諸国の事情はできる限り知っておきたいと思っています。最近は旅行記に加えて移住の関連の書籍も読む機会が増えました。

 

自分は東南アジアに移住する気はないが、気になるのは日本の高齢者の動向です。日本の個人金融資産は1645兆円あり、そのうちの大半は60歳以上のシニア層が持っています。また、これからリタイアを迎える団塊世代の動向も気になるところです。

 

 

 

「老いて男はアジアを目指す」の感想

 

タイトルからも分かる通り風俗関連の話が中心です。

 

高齢者が人生の終盤を迎え、タイ、カンボジアなど東南アジアで生きることを選択する人が増えています。理由は、物価の安さ、温暖な気候、そして一番の理由が「若い女性との出会い」とあります。

 

日本では、いい歳をした還暦近い男性が物価安を良いことに、アジアの若い女性を求めて訪問することに批判的ですが、どういう生活を送ろうが個人の自由だと思う。

 

仕事も子育ても終わった高齢者や団塊世代が、価値観が固定化された日本社会を飛び出し、最後に老後くらいはと、自分の好きなことをして暮らしていきたいと考える気持ちは十分理解できる。それほど日本の社会は窮屈だからだ。


そういう自分も、日本の会社に疲れ果てて自分の親よりも早くリタイアすることを選択します。

 

タイへロングステイというと、良いイメージばかりが先行しますが、実際には移住生活を成功する人は少ないようです。

 

本書を読んでいると、若い女性を目的にタイに渡る還暦近い男性は多いが大半は失敗しています。タイ人の女性に貢がされたり、タイでは外国人が不動産を所有できないため妻名義でクルマや家を所有しますが、購入した途端に家を追い出される人が後を絶ちません。

 

数千万円あった資産や退職金をすべて貢ぎ、1年も経たずに一文無しで帰国する人たちをみると、彼らの生活を批判する人も、そこまで腹ただしくなることはないと思う。失敗する理由は単純で、今まで仕事一筋の人生だったため、仕事以外のことがあまりにもわかっていないからです。

 

日本国内でも恋愛経験のない良い歳した男性が女性に過度に奢ってあげたり、お金を持て余しているおじさんがクラブやホステスに貢いだり、お金を落としていくのと似たようなものです。

 

未成年とか若い女性という言葉に引っかかる人も多いと思うが、個人的にはこれもどうでもいいことだと思う。

 

日本の民法では18歳以下の異性と関係を持ってはいけないことになっているが、この制限は誰かが決めたことに過ぎない。人によって発育が早い人もいるし、精神的に成熟している人もいる。大人とか成人という概念も曖昧でしかない。

 

日本も昔は13~14歳で結婚していたことを考えると、恋愛の価値観は時代とともに変わるものです。そういう事も知らずに、恋愛して良いのは18歳からだという人を見ると、生きている世界が狭いと感じる。

 

酒でもタバコにしても19歳で吸ってはダメで、20歳になった途端に吸っていいというのは昔からずっと納得できなかった。20歳になった途端に身体が変わるのだろうか。

 

日本社会だと、年齢が20~30も歳が離れているカップルは良い目でみられません。「良い歳して何をやっているの?」と言われますが、これもどうでもいい。

 

タイにいくと50~60代の高齢者と、20代の女性というの組み合わせも珍しくありません。

 

著者によると、数値を気にするのは近代的なことで資本主義社会に都合がいいからだと言います。村で生活している若い子からみたら年齢なんてほとんど気にならない。気にするのは相手の人柄や、経済力であり、自分の年齢も気にしないし相手の年齢も気にしない。家族を養ってくれる相手であるかどうかが一番のプライオリティだと聞いて、納得してしまった。

 

若い女性を求める高齢者と、お金を求める若い女性がマッチした結果であって、他人がとやかくいう事ではない。日本の価値観であれはダメだ、これはダメだ、ということ自体があまり意味のないことだと思う。

 

日本の価値観も時代とともに常に変化している。

 

ジャニーズやエグザイル、韓国のアイドルに入れ込む40~50代の女性をみると、本質的なところは男性も女性もあまり変わらないと思う。社会が裕福になりお金を使う時間を持て余すようになれば、向かう先は一緒だ。

 

生きていくことに困らない生活基盤が整えば、欲望を満たすことにお金を使うだけである。

 

人生は一度しかないためまわりの目を気にして生きるよりも、自分の価値観で行動した方がいいと思う。社会の価値観でこうすべき、ああすべきと言っている人たちは、自分で自分の生活を縛っているだけに過ぎない。

 

団塊世代の価値観は個人的には好きではないが、彼らの好きなようにすればいいと思う。

 

10年でどれくらい変わったのか

 

この書籍が出版されたのは2008年のことなので、今と昔ではだいぶ状況が変わってきたと思う。書籍やネットで情報を得ながら、実際に現地に行き現地の状況をこの目で見るのは楽しみのひとつです。

 

バンコクの物価は年々上昇しているし、日本の高齢者も昔ほど企業からお金が貰えなくなっている。50代や60代の還暦近い高齢者ばかりではなく、20~30代でタイに働く若い人も増えています。

 

このまま物価が上昇することを考えると、10年先もバンコクに来たからと言って日本人が裕福な暮らしができるとは限らない。

 

住宅の空き家率の上昇と通貨安の影響で、日本で生活した方が安く快適に生活できるかもしれない。日本は労働者として働くとストレスが大きいが、働かなければ安価で質の高いサービスが受けられます

 

ただ、最近ではバンコクでもお金がない不良外国人を締め出す政策がとられているようです。ビザがなければ長期滞在しにくくなっています。

 

お金がある高齢者は長期滞在できるが、お金がない人たちはそうではないことを忘れてはならない。

 

2012年初バンコク

 

自分が初めてタイのバンコクを訪れたのは2012年、現地採用としてインドで働いていたときです。


インドは世界でも有数の労働環境、衛生環境が悪い場所です。日本の食材も手に入らないので、隣のバンコクに毎月のように訪れる日本駐在員がたくさんいました。バンコクへの渡航費を年に数回負担してくれる企業もあると聞きます。

 

インドは外資の誘致に積極的ではなく、東南アジアでは当たり前のようにある日本のコンビニはありません。保護主義が強く、国内産業が他国と競争していけるほど強くはないので、関税を上げることで多国籍企業を排除しています。電化製品を売っている店に行くと、数年落ちの海外のパソコンメーカーと、インド以外では見たことがないインドの国内メーカーが隣に並びます。

 

IT大国のはずのインドで、電車に乗るために駅に行ったときに、乗車券を売るのは券売機ではなく人です。隣駅まで行く5円の切符を買うために30分並ばなくてはなりません。

 

インドの生活に疲れ果てたころに、バンコクに行ったときは衝撃を受けました。

 

どこに行っても日本食レストランがあるし、メニューは日本語、レジには日本語の雑誌が並べられています。街中を歩いていると看板も、英語よりも日本語の方が多いことにびっくりしました。

 

インドとは比べ物にならないくらい、生活しやすい場所でした。

 

バンコクに行ったときになぜここまでバンコクに風俗産業が多いのか疑問に思っていたけれど、本書にその理由も書かれていました。

 

1970年、ベトナム戦争のときに米兵が隣国のタイにお金を落とすようになりました。その額、2000万ドル。米兵に酒や女を提供するお店がタイに急増します。

 

70年代半ばにベトナム戦争が終結し米軍が撤退すると、娯楽産業が大打撃を受けます。

 

その埋め合わせをするために、国策で観光客を誘致するようになり、娯楽産業を支えたからです。日本このとき高度経済成長期を迎えます。

 

タイに日本向けのサービスが多い理由がわかりました。

 

その他のアジア諸国

 

シンガポール、香港、タイのバンコクやマレーシアのクアラルンプールは、物価が上昇しています。サービスによっては日本とそれほど変わらないかもしれません。

 

10年前に拠点を作るのであればこれらの都市が最適だったかもしれませんが、今はそれほど旨味があるとは思っていません。今後も、先進国からの移住者が増える限りは物価の上昇は避けられません。かつては日本の旅行者が率先して物価を上げていたかもしれませんが、これからは中国、台湾、香港の旅行者がアジアの物価を上昇させます。

 

自分は集団で行動したり群れたりするのは好きではないため、できれば日本人がいないところに行きたい。バンコクよりも、ベトナムやラオス、ミャンマーの方に魅力を感じます。

 

できる限り多くの都市に滞在し、自分に適した拠点を作りたいと思っている。最初は物価が安く、日本から近いアジアを訪れることになるが、徐々に活動の場を広げていきたい。

 

1年で10か国程度旅をしたいと思う

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