4月は昇給の時期ですが、期待通りに昇給できた人は少ないかと思います。
ネットをみると3千円だけだった、千円だけだった、そもそも増えなかったという人を見かけます。
政府が公の場で副業を認めたことからもわかるように(なぜ政府が副業を許可する権利があるのかはわかりませんが)、企業に昇給を求めることは期待しない方がいいというのは皆気付いるはずです。
日本人の年収はここ20年頭打ちだし、たとえ額面が上がったとしてもそれは、円の価値が希薄化するだけです。インフレに太刀打ちできない企業は、給料が上がらず物価高で余計苦しむことがわかります。
昇給で3万円目指すよりも、副業で3万円目指した方が近道です。
世間の平均昇給額は?
そもそも、世間の平均昇給額はどれくらいなのでしょうか?
リクナビの調査によると、中小企業の場合は「1.45%」程度が相場です。額面25万円であれば月に3500円だけです。
リクナビジャーナル
【これって多いの?少ないの?】気になる昇給の平均額について調べてみた - リクナビNEXTジャーナル
わたしの経験からも、そんなもんだろうなと思います。
社会に出て最初に入社した企業は一律3千円が昇給額でした。これは2008年以降のリーマンショック後ではなく、比較的景気がよかったリーマン前からずっとこの水準です。
単純に計算してしまうと、10年後にようやく3万円増に到達します。
金融危機が起きる前に22歳で働き始めて額面21万円、32歳で24万円ということになります。
ボーナスがあるから昇給額は気にしない?
1年の昇給額よりも、賞与の方が大きく動くというサラリーマンは多いです。ただ、これも素直に喜ぶべきものではありません。
賞与というのは企業に都合よくつかわれています。
企業は金融危機などで財政問題に直面したときに、まっさきに社員の賞与を削ります。月の基本給は下がることができませんが、賞与はすぐにでも廃止にできます。2008年のリーマンショックのときに、賞与が半分になった、賞与がなくなった、というサラリーマンはたくさんいました。
また、賞与というのは給与の後払いでしかありません。いつ辞めるかわからない労働者からみると、12分割して貰った方がとりっぱぐれがなくなります。
賞与を貰う前に退職の希望を伝えると貰えない可能性があるし、賞与を貰ったあとに伝えると交渉や引き継ぎで2~3カ月働くことになります。
昇給しても税金で取られます
景気の良いところでは1万円昇給する企業もあります。トヨタなどの大企業の労働組合は奮闘しているといいます。
昨年自分の企業でも1万円昇給しました。しかしサラリーマンの税負担は増えるばかりです。1万円昇給しても税金分を差し引けば6千円程度しかあがりません。
社会保障負担率は確実に増加しています。
社会保障負担率
1970年、5.4%
1980年、8.8%
1990年、10.6%
2000年、13.5%
2010年、16.3%
2016年、17.8%
2017年、18.1%
社会保障費が1988年の約40兆円から2015年の約120兆円と3倍程度増えている事からもわかるように、これは避けられないことです。現在も社会保障費は順調に増加しています。
給料が増えないのはしょうがない
昇給しないと嘆くサラリーマンは、現状が見えていないのかもしれません。
まず昇給するためには、会社の利益が上向かなくてはなりません。経済のパイが大きくならない以上は、会社の利益はどこかの会社の利益から奪う必要があります。他の企業も同じように考えているため、競争は激しくなります。
会社の利益が変わらないのであれば、企業の社員同士が奪い合いをしなければなりません。少ない利益の取り合いなので、職場の雰囲気はギスギスします。
たかが1万円と思うかもしれませんが、社員が100人いたら年間のコストは1200万円増の利益を翌年に見込まなくてはなりません。賞与はいつでも下げられますが、基本給はそういうわけにはいきません。
1200万円を支給する場合も、経営者から見たら全員に同じ額を配るのではなく、上位2割にできる限り多く配分したいところです。
昇給か副業か
中小企業で働く場合、20代の収入が少ない社員の平均昇給額は3千円です。10年働いてようやく3万円上がるかというレベルです。優秀な社員で役職が付けば、もっと順調に上がりますが。
3万円増えたとしても税金で引かれるため、実際にはもっと低いです。
素直にサラリーマンの仕事で3万円増えるのを待つよりも、副業した方が効率がいいです。
普通のサラリーマンでも、ブログを毎日更新すると1~2年で10万アクセスくらいは増えます。このくらいアクセス数を集めると、単に広告を張り付けるだけでも2~3万円は稼げるようになります。
仕事を辞めたらたちまち収入はゼロになりますが、副業の場合仕事を辞めても続けてさえいれば発生し続けます。
3年、5年続けていくともっと稼げるようになるかもしれません。
会社の仕事を真面目に働いて3万円目指すよりも、はるかに現実的に見えます。
サラリーマンの給料がここ20年間頭打ちの状態で、社会保障の負担は増加し続けています。そんな中、政府が副業を認めるということは、今後も税負担は増えるというメッセージです。
サービス残業して頑張って働いたのに昇給しないと嘆くよりも、定時に帰って副業した方がよさそうです。