セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年7月に資産500万円でセミリタイアして、海外と日本のデュアルライフを目指します。
現在ネット収入は5000円。働かなくても良い、新しい生活スタイルを実現したい。

アメリカの電力株で13倍のリターン儲けられた話

 

業績回復株として、最も有力な銘柄は電力会社の株です。

 

依然安値で放置されているため、まだまだ買増しのチャンスがります。

 

北海道電力のPERは8.56倍、九州電力は8.51倍、東京電力に至っては4.36倍です。

 

電力会社が割安で放置されているのには、理由があります。

 

2011年の東日本大震災で、日本全国の全原発が停止し、電力会社は壊滅的な状況に陥りました。

 

実は似たような現象は、過去にアメリカでも発生しています。

 

1979年3月28日にアメリカ合衆国東北部ペンシルべニア州で発生した、スリーマイル島発電所の原発事故です。

 

当時の事故は、原子炉冷却材喪失事故に分類され、国際原子力事象評価尺度においてレベル5に分類されています。

 

ちなみに、福島の第一原子力発電所の事故は、レベル7(最大)に分類されているので、交際的には、より深刻な事故です。

 

スリーマイル島原子力発電所は2つの原子炉を有し、加圧水型原子炉(PWR)です。

福島の時と同様に炉心溶解(メルトダウン)を、起こすまでの事態に発展しています。

 

 

事故発生から4年で5倍

 

ピーター・リンチによると、このスリーマイル島の原発を持つ電力会社に投資することで、8年間で13倍のリターンを手にするチャンスがあったといいます。

 

300万円で投資していたら、8年後には3900万円のリターンを手にします。

 

ピーター・リンチの書籍「株で勝つ」によると、炉心溶解事件の後、事態はやがて落ち着くようになり、85年になるとGPUは事故以後に停止されていた、問題の無かった他の原子炉の運転再開を発表しました。

 

そして、運転再開と同時時期に、他の電力会社がスリーマイル島の事故処理負担を分担することも発表しました。

 

株価が落ち着いて、これらの良いニュースがでるまでの7年間は、投資家にとっては大きな買いのチャンスです。

 

80年の底値3ドルを付けたあと、85年には15ドル、そして88年10月には38ドルと徐々に株価が回復していきました。

 

事故発生後の底値から、5年間で5倍、8年間で13倍のリターンです。

 

これを現在までの東京電力の株価に置き換えると、2011年に2000円だった株価が、2012年に安値の130円、2016年の高値680円まで値を戻しています。

 

事故発生から4年で5倍になります。

 

日本の原発事故の方が、事故レベルは高いですが、実は日本の電力株の方がアメリカよりも順調に回復しています。

 

これは、資源が豊富なアメリカに比べて、資源のない日本は、より原発に依存しているからだと考えられます。

 

原発の停止は、石油燃料の大幅な輸入増により、日本全体の貿易収支を赤字に追い込むまで膨らんでいます。

 

日本政府の方が、原発に対してより積極的に対策しています。

 

  

日本の電力株はアメリカよりも順調に回復している

 

事故発生後しばらくして、全電力会社の原発が停止していますが、わずか4年後の
2015年8月に、九州の川内原発が再稼動しています。

 

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アメリカは他の電力会社の再稼動に5年を有しています。

 

また、福島の原発事故から早い段階で、原子力損害賠償・廃炉支援機構が設立されました。

 

この機構の収入源は、原発を持っている沖縄電力以外の電力会社が負担する、一般負担金と日本国政府が発行する国債の2つです。

 

交付された国債は、国に返還する必要があります。

 

この機構の法案によると、2011年の大震災のように一時的に資金が必要になったときは、電力会社はこの機構から資金を調達します。

 

この資金は、政府の国債から支払われますが、最終的には一般負担金として、他の電力会社が返済していきます。

 

つまり、他の電力会社も事故処理や損害賠償を分担して負担する制度になります。

 

アメリカが他の電力会社が事故処理の負担を発表したのは5年も後のことです。

いかに日本政府が原発に力を入れていることがわかります。

 

事故の当事者は東京電力ですが、「一般負担金」の事故に応じた負担割合が記されていません。

 

また、東京電力が被災者のために使っている賠償金に対しても、以下のように定義されているだけです。

 

「特別負担金額は、認定事業者の収支の状況に照らし、電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保に支障を生じない限度において、認定事業者に対し、できるだけ高額の負担を求める」

 

できるだけ高額の負担を求めるとあるので、「できるならたくさん返してください」という意味です。

 

東京電力の株価は、事故発生の底値からすでに「5倍」回復しています。

 

アメリカの電力会社と同じくらい回復したとすると、株価は2019年には1700円まで回復する事になります。

 

事故発生前の株価が「2000円」だったことを考えると、これは非現実的な数値ではないことがわかります。

 

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東京電力に投資すること

 

原発事故を発生させた東京電力に投資することを、不謹慎だという声が聞こえてきそうですが、冷静に考えるとそんなことは一切ありません。

 

もし、東京電力を救済されず倒産した場合、状況はより一層わるくなります。

 

倒産すると賠償責任を負う企業がなくなり、結果的に、損害賠償と廃炉費用は他の電力会社と国が負担することになります。

 

国が負担するということは、税金から投入されるので、全国民が負担すると言っているのと一緒です。

 

現在は、東京電力が電力販売で得た利益から、機構に特別損益として支払いをしています。

 

東京電力が潰れて困るのは、原発で被害を受けた被災者、東京電力以外の電力会社と、税金を負担する全国民ということになります。

 

実質だれも得をしません。

 

東京電力を潰すべきだと言う声は当然ありますが、その後どう対処するかについては、一切代案がありません。

 

ある程度、時間が経てばそういう感情的で意味のない発言は、次第に消えていきます。

 

以上を考えると、東京電力に投資することで順調に業績を回復してくれた方が、投資家を含めたすべての国民の利益となります。

 

事故発生当初は、東京電力の法的整理や倒産と極めてリスクの高い投資でしたが、現在はそういう議論はまったくといっていいほど聞こえなくなりました。

 

倒産のリスクは確実に低下しています。

 

現在でも多くの電力会社の原発が停止していることを考えると、地方電力を含めた全電力会社でも、まだまだ儲けるチャンスはあります。

 

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