手に職を付けるために専門職のプログラマーが注目を浴びるようになりました。IT業界は人手不足の状況が続いているので、スクールが提携するIT企業に就職すればプログラミングが無料で受けられるコースがあるほどです。
そこで、海外に留学してITと英語を学べるIT留学と、オンラインだけで完結して学べる"コードキャンプ"のようなオフラインスクールでは、どちらの方が効率良くプログラミングを学べるのか、それぞれのメリットとデメリットを整理してみました。
セブ島IT留学のメリット
プログラミング研修後に提携先のIT企業に就職することが条件になりますが、セブ島では「0円留学」という留学が注目を集めています。以前から英語でプログラミングを学べるIT留学に興味があったので、セブ島IT留学に参加してみました。
詳しくはこちらを参照
→ 【セブ島 IT×英語Kredo】元エンジニアが1ヶ月間ITと英語を学んでみた感想
→ 【NILS(ニルス)のITゼロ円留学】セブ島で英語とITが学べて学費と滞在費が6ヶ月間無料
1.1日に8時間以上学習できる
オフラインスクールのメリットは、1日8時間以上学習のために時間が確保できることです。学校に通うとルーチンワークが作りやすいので、決められた期間内でしっかりと学ぶことができます。
自分で学ぼうと思ったら空き時間を見つけ、自ら作業時間を作らなければなりません。仕事で忙しくなったり、急な用事で作業できない日が続くと途中で挫折してしまう可能性が高くなります。
2.一緒に学習できる仲間がいる
プログラミングでわからない事を質問できる相手がいるのは助かります。授業中に講師に質問するのも良いですが、一緒に受講している留学生同士で助け合えるのもオフラインスクールの魅力です。
社会人エンジニアがプログラミングで挫折せず一人前の技術者に育つのは、課題に直面したときに支えてくれる先輩社員がいるおかげです。
自分がIT留学に参加したときは、プログラマーになるために前職を辞めた方、フリーターの2人がゼロ円留学に参加していました。ゼロ円留学以外では、学生の他にWebライターで生計を立てているフリーランスや、不動産を経営している自営業の方がいました。
皆それぞれ理由が合ってプログラミングを勉強しています、そういう方たちと飲み会の席で話を聞けるのは楽しいです。
3.外国人講師にプログラミングを教えてもらう
プログラミングは世界標準言語で、パソコンとネット環境さえあれば作業ができてしまうITは、最も国境の壁を越えやすい仕事です。
現代のグローバルIT社会で、外国人スタッフと仕事をしない現場はほぼありません。
2008年にこの世界で働き始めたときは、現場に中国人スタッフがたくさんいました。最後に勤めた会社では、インド人、ミャンマー人、タイ人と一緒に仕事をすることになります。
ITはこれからも多国籍の人種が集まって仕事をします。そう考えたら、外国人講師にプログラミングを教えてもらうのは良い機会かもしれません。
セブ島IT留学のデメリット
1.自分でプログラミングする時間が少ない
学校に通いさえすれば、体系的にプログラミングを学べるというのはメリットですが、その反面自分でコーディングする時間は圧倒的に短くなります。演習問題を解く時間はありますが、それでも講義の半分以上は説明を聞く時間です。
この世界で活躍できる人(プログラマー)は、問題解決能力が高くひとりで黙々と作業できるタイプです。
体系的にプログラミングを学べるのはオフラインスクールのメリットですが、その反面仕事ができる人にとっては退屈な授業となってしまいます。
2.英語力が必要
ITのクラスは基礎的なことしか学ばないので難しくはないですが、それでも簡単な日常英会話ができるレベルの英語力は必要です。
英語が全く話せいない学生の方が同じ時期に参加していましたが、彼は初月のオリエンテーションを受けた際に全て英語の授業に切り替えていました。ITスクールはITを学べるという理由で他の英会話スクールよりも割高なので、少し理不尽な対応をされていました。
確かに英語が全く理解できないので授業に出る意味はないですが、それならそもそもIT留学に参加する必要もありません。
英語ができなくても参加できるとホームページに書いていますが、損をするのは自分なので気をつけた方が良いです。
3.仕事を辞めるリスクがある
プログラミングを学びたい理由は、別業種からIT業界に転職するためだと思いますが、学校に通う時間を確保するために現職の仕事を辞める必要があります。
新しい道に進むためには、どこかでリスクをとる必要があ流のは理解できますが、それでも可能な限りリスクをゼロに近づける努力をした方が良いと個人的には思います。
ITは人によって向き不向きが大きい世界なので、自分に適性があるか見極めるために、現職の仕事をしながら業界研究をしたり独学で学んでみた方が良いと思います。業界研究をした結果、やはりITは辞めようと考える人も少なくありません。
過去に1度もプログラミングしたことがない、IT業界のことを全く知らない人が、仕事を辞めてセブ島にきて研修を受けているのは少し違和感を感じます。
3.留学費用が高い
フィリピンではまだ数える程しかないIT留学ですが、全体的に料金は高めです。IT4コマ、英語4コマのコースで滞在費込みの授業料は25万円を越えます。その他にも、航空券、ビザ代、食費、現地の生活費を払わなければならないので、月の予算は30〜40万円です。
また、IT研修中は大半が無収入になるので精神的にも辛いです。海外に居ても収入を得られるフリーランスや自営業の方はいいかもしれませんが。
1ヶ月では学べる内容に限りがあります、英語もプログラムスキルも大幅に上達できるわけではありません。かといって、3ヶ月以上留学すると100万円近い出費になります。
授業料、滞在費込みで安いと宣伝されていますが、年間で350〜400万円と考えると日本の専門学校と比較してもそれほど安くはないのが現実です。
ゼロ円留学で参加している方は授業料や滞在費が無料になりますが、それでも航空券やビザ代、現地の生活費が必要になります。また、スクールの提携先企業に入社できなければ、もちろん費用は後払いで支払うことになります。
オンラインスクール(コードキャンプ)のメリット
セブ島のIT留学が注目を集めていますが、オンラインだけで完結できるプログラミングスクールも人気です。現役エンジニアのサポートと学習システムを利用して、短期間で未経験者からプログラマーに育てる「オンラインブートキャンプ」を提供してるスクールもあります。
オンラインスクールでもゼロ円留学と同様に、転職支援が付いていて提携先のIT企業に就職すれば授業料は無料になります。
詳しくはこちらを参照
→ 【コードキャンプの全額キャッシュバック】オンラインプログラミングを無料で受講し3ヶ月でIT企業へ就職する方法
→ 転職支援が付いて格安なオンラインプラグラミングのスクール3選と1ヶ月費用の相場
1.自宅で学習できる
オンラインプログラミングのメリットは自宅にいながら学習できることです。会社員のように毎日通勤する必要はないし、空き時間を利用していつでも学習できます。
フィリピン留学のように、モチベーションを高めるために新しい環境に身を置いて学びたいという人もいますが、デメリットもあります。新しい環境に移ると、食生活が変わったり、留学生同士と共同部屋になったり、生活のリズムを作るだけでも労力を要してしまいます。
普段から生活し慣れた場所の方が、集中して学習できる環境は作りやすいです。
2.仕事をしながら学べる
プログラミングを学習するために、仕事を辞める必要がないのはオンラインスクールの魅力です。留学のデメリットで挙げましたが、仕事を辞めて新しい道に飛び込むのはリスクがあります。
オンラインプログラミングなら、仕事を辞めずに学ぶことができるので、いつでも進みたい方向に軌道修正することができます。Web開発者を目指していたけど、バックエンド開発の方が自分に合っていた、プログラミングを学んでみたけどやっぱり向いていなかったというのは誰しも経験することです。
また、メンターや講師の方は現役で働いているエンジニアの方、もしくはフリーランスで生計を立てている方が多いので、IT業界の現状や動向を詳しく聞くこともできます。
IT留学の場合、フィリピン人講師はITの基礎知識はありますが日本のIT業界のことは知りません。また、転職をサポートしてくれるスタッフもいますが、IT業界で働いた経験があるとは限りません。
3.費用がIT留学と比較して安い
全てのオンライン上でできるサービスに共通して言えることですが、スクールを運営する必要がなく、オンラインだけで完結できるので費用は安く済みます。例えば、コードキャンプの場合、Webマスターコースで6ヶ月間受講した場合の費用は30万円です。ひと月にすると5万円、IT留学の1ヶ月分の留学費用に相当します。
オフラインスクールのように学習時間を確保するのは大変ですが、仕事を続けて収入を得ながらプログラミングを習得できるのは大きなメリットです。
"コードキャンプ"について
→ 【コードキャンプのレッスン無料体験】マンツーマンレッスンとオリジナルECサイトの作成
オンラインスクールのデメリット
1.自分で学ぶ意欲がないと難しい
オンラインスクールの場合は、自ら学ぶ意欲がないと継続して学んでいくのは非常に難しいです。オフラインスクールのように、とりあえず学校に行ったら授業が受けられるというわけではないからです。
基本的にオンラインスクールが提供してくれるのは、「オンライン上にある独自の学習システム」、「受講者が予約するオンラインレッスン」、「課題が出た時に講師に質問できるチャット」、この3つのサービスです。
つまり、自分から能動的に行動できないと何も進みません。
個人的にはITの世界では誰かに教えてもらうというよりも、自分で手を動かして学んでいく事になるので、授業に参加するタイプよりも自分のペースに合わせて黙々と作業を進められる方がいいです。
初学者が途中で挫折するパターンで一番多いのは、課題に直面した時に自己解決できずに時間が経過してしまう事ですが、誰かに質問できる環境さえあれば、挫折せずに取り組んでいくことができます。
そういう意味では、オフラインスクールよりもオンラインスクールの方が学べることは多いです。
2.仕事が忙しいと継続できない
オンラインスクールの1番の課題はいかに仕事と両立できるかがポイントになります。一般的な日本企業に勤めていると、労働時間が長い職場の方が多いからです。
疲れて家に帰って食事の準備をし、その後に勉強のために時間を確保できる人は決して多くはありません。
新しい習い事を始めた時は仕事が忙しくなくても、数ヶ月経てば状況も変わります。仕事が忙しくなり、プログラミングから遠ざかってしまうと徐々にモチベーションも下がります。
そんな時でも自分を律する事ができないと身につけるのは難しいかもしれません。プログラミングに限らず、英会話、スポーツジム、ランニング、挫折する理由で一番多いのは仕事が忙しくなる時です。
オンラインとオフラインスクール比較のまとめ
オンラインスクールに偏った比較となりましたが、個人的には留学、専門学校を含めたオフラインスクールよりも、オンラインスクールの方が費用対効果が高く効率良く学習できます。
セブ島IT留学というと英語とITを同時に学べることを推すサイトは多いですが、実際に受講している方から感想を聞くと評判はあまり良くありません。自分も実際に参加してみて、英語で習う必要性はないと感じました。
というのも、コミュニュケーションが通じない人同士がやり取りするので、ITのクラスは基礎の基礎だけというように中身が浅い授業になるからです。プログラミングの参考書を開けば序盤に書いている内容ばかりで、わざわざ高い費用を払ってまでプロの講師から教わる必要があるのか疑問になります。
1日の半分は英語のクラスも受けます。そうすると、英語学習のオマケでプログラミングもやってみましたというのが正直な感想です。
あえてIT留学の利点を述べるとすると、南国で海外生活をしてみたい、学生生活を楽しみたい、将来はブリッジSEを目指している、という人には良いのかもしれません。
エンジニアになることを目標にプログラミングを学習するなら、素直にオンラインスクールに通った方が近道です。