日本人が語学目的の渡航先で多いのは、アメリカ・オーストラリア・カナダ・イギリス・ニュージーランドの上位5カ国で全体の80%を占める。フィリピンはニュージーランドに次いで語学目的の渡航者が多い。
なぜ語学を学ぶのにフィリピン留学?と思った人がいるかもしれないが、英語圏以外の国で英語を学ぶのは留学費用を安くしたいからに尽きる。
英語の本場ロサンゼルスに留学しようと思ったら授業料で月に10万円、家賃で5〜10万円、VISAや入学金などの諸経費で5万円、食費や交通費、娯楽費で5〜10万円、トータル30万円を超えてしまう。
フィリピンならマンツーマンの授業料の他に滞在費、3食の食事が付いて総額15万円で滞在できる。渡航費用も3万円と他の英語圏よりも安い。
非ネイティブ圏の中ではフィリピン留学がダントツで人気だが、その他で人気な渡航先マレーシアやインドではどれくらいの費用が必要になるのか調べてみた。
フィリピン9万9999円〜
【AHGS校】
マンツーマン4時間
複数人部屋、9万9999円〜
公式サイト: 1週間39,999円~OK!セブ島ガチ留学
【費用に含まれないもの】
航空券チケット、3万円程度
管理費などその他、2万円〜
ビザは1ヶ月以内なら無料
【特徴】
フィリピンは非ネイティブ以外の留学先として最も人気が高い。その理由は東京からマニラ間で4時間半で渡航できること、マンツーマンレッスンで効率良く短期間で英語が上達できること、アメリカ植民地だったこともあり日本人に聞きやすいアメリカ英語だ。
また授業料の他に滞在費、3色食事も料金に含まれている学校が多い。自分が過去に滞在していた場所は、日本食に近い食事、洗濯も毎日してくれたので集中して英語を学ぶことができた。
デメリットは留学生は日本人かもしくは韓国人ばかりなので、授業以外は日本人同士で群れてしまうことだ。
フィジー、11万3100円〜
【South Pacific Free Bird】
学生寮4人部屋、11万3100円〜
【料金に含まれないもの】
渡航費、12万円程度
入学金、2万円
食事、ビザ代
【特徴】
フィジー留学はフィリピンと同様に滞在費も含まれている。ただし、東京から直行便がなく渡航費用が割高になるため短期留学には向かない。3ヶ月程度滞在した方がいいが、そうすると授業料だけで26万円を超えてしまう。
フィジーはフィリピンよりも南国気質で、一昔前の村生活に戻ったような貴重な体験をすることができる。町を少し離れるとあとは電気が通っていない村ばかりだ。島の中で最も栄えている首都に行ってもエスカレーターがある建物はない。
過去に3ヶ月留学したことがあるが毎日開放的な生活を送っていた。学校が終わってホームステイ先に帰ると、まだ陽が明るい内から留学生や家族とテラスでお酒を飲みながら夕飯を食べた。この滞在期間は大学の4年間よりも楽しかった。
ただし、真面目に英語を勉強したい人には向かない。南国気質のフィジー人は皆陽気で怠惰なため、授業が始まってもメリハリがない。フィジーから見たらフィリピン人やインド人でさえ真面目な国民性に見えてしまう。
マレーシア、7万9000円〜
【Sheffield】
一般英語6時間コース、7万9000円〜
公式サイト:Sheffield(General) | マレーシア格安留学情報
【料金に含まれないもの】
渡航費、4万円程度
食費、滞在費、ビザ
フィリピンは日本か韓国資本の学校が多いため、留学生はこの2カ国しか集まらない。マレーシアでは、多国籍資本が多く中東やヨーロッパからも留学生が集まることが特徴だ。多様な文化で多国籍の留学生と交流したい人はマレーシアを選択した方がいい。
ただし、フィリピンのように授業料、滞在費、食事を用意してくれる学校はないため、自分で滞在先を探す必要がある。フィリピン留学に慣れた人から見たら少しハードルが高い。
クアラルンプールなどの都市は日本人が期待するほど物価は安くはない。日本と同じ感覚でお金を使うと日本に滞在するよりも高くなるので注意が必要だ。アジア圏内の1人当たりGDPは、2位シンガポール、4位日本、5位韓国、7位台湾、9位マレーシアと東南アジアではシンガポールに次ぎ物価が高い。
インド、15万円〜
【グローバルスタディ 】
バンガロール5時間コース、15万円〜
【料金に含まれないもの】
渡航費、6万円程度
食費、滞在費、ビザ
滞在先は学校スタッフが案内してくれるが、基本的に自分で契約する必要がある。インドに進出する日本系企業は少なく、欧米系の学校が多いため費用は東南アジアよりも高めだ。
英語留学だけを目的にインドを検討するのは難しいものがある。インド英語は訛りが強く聞き取れない上に、長い間イギリスの植民地だったのでイギリス英語を使う。非ネイティブで母国語の発音が強い上にイギリス英語となると、たとえ英語の先生でも聞き取れるようになるだけでも時間が掛かる。
東南アジアを通り越してインドまで留学する人は、ヨガやインドの料理、文化、歴史、プログラミング、ボランティア、インド国内に無数にある世界遺産など、英語以外に興味を持った人が留学する人が多い。
インドは世界中のバックパッカーが集まる程魅力的な場所がたくさんある。首都のニューデリー、金融系が多く集まるボリウッドで有名なムンバイ、ヨーロッパ文化の影響が色濃く残るヒッピーの聖地ゴア、インドのIT産業が集まる南インドのバンガロールとチェンナイ。インドに長期で滞在するなら、毎日学校に通うよりも3ヶ月くらい掛けてインドを1周した方が良いのかもしれない。
マルタ共和国、10万円〜
【EC Malta】
週20コマGeneralコース、10万円〜
Learn English abroad with EC English Language Schools
【費用に含まれないもの】
渡航費、12万円程度
入学金、食費、滞在費
滞在先は費用に含まれていない、学校側はアパートメントを用意してくれているがツインのレジデンスルームで1ヶ月8万円の費用が掛かる。
イタリアのシチリア島の南、地中海にマルタ共和国という島国がある。面積は淡路島の半分しかなく1日もあれば観光できてしまう。人口は40万人、公用語はマルタ語の他に英語もあり、EUに加盟しているので通貨はユーロが使える。日本人が物価が安いフィリピンやマレーシアに英語を習いに渡航するように、マルタはイタリア人やスペイン人に人気の留学先だ。
マルタは英語を学びたい日本人にとっては絶好の穴場だ。アジアに留学すると、日本人、韓国人ばかりで他文化交流ができないが、マルタ島へ行くとアジア人はほとんどいない。
また、周りは地中海に囲まれた島国なので綺麗な海を満喫することができる。ヨーロッパ文化の中で英語を学ぶことができる。
ただし、留学費用は決して安くはない。学費は週20コマコースだと10万円で収まるが、渡航費や滞在費、現地の生活費を入れると30万円は超えるのが難点だ。お金に余裕がある人、ヨーロピアンと交流したい人にオススメだ。
1ヶ月留学費用のまとめ
フィリピン以外の留学先の費用が気になって調べてみたが、フィリピン留学が他国よりも人気な理由がわかる。
費用対効果を重視して留学先を選択するなら間違いなくフィリピン留学だ。マンツーマンレッスン、滞在費、食費込みで13万円で留学できるところはない。また渡航費用も3万円台と安く、東京から4時間で行き来することができる。
自分がフィリピン以外の留学先を選ぶとしたら以下の基準で選ぶ。
文明から離れて特別な体験をしたいならフィジーへ、インド料理や文化、ヨガなど英語以外に付加価値を付けて学びたいならインドへ、予算に余裕がありヨーロッパ圏の留学生と交流したいならマルタ島へ。
マレーシアは日本や韓国以外の留学生も集まるのは魅力だが、フィリピンよりも物価が高く滞在費や現地費用が高くなるので選択肢に入らない。バックパックを背負って旅行したいとは思うが留学したいとは思わなかった。
フィリピン留学は他国に比べて安い方だが、それでも正規料金で留学するのではなくキャンペーンなどを利用して格安で英語を学んだ方がいいと思う。