セミリタイア生活から早くも2週間が経った。2週間も経つとこの生活がもう日常になってくる、当初感じていた時ほどの感動はもうない。
感動はそれほどないけれど、相変わらず充実した生活を送っている。自分の身体や思考にあった生活スタイルの最適解を探しているような感じだ。
予定がなければ夜の9時には布団に入り、早ければもう10時には寝る。翌朝は6時か7時には目がさめる。予定がないからと言って昼までだらだら過ごすことはない。睡眠はこれくらいある方が身体の調子がいいし、決まった時間に起きると身体も楽だ。
朝起きてブログを書きたいと思ったらカフェに行き、身体を動かしたいと思ったら早朝からジムに行く。昨日は渋谷に何も用事がないけれど、日本橋から徒歩で行ってみた。家を10時に出て、帰宅したのは16時だった。予想以上にハードだったが面白い。
最高に贅沢というか、無駄な時間の使い方をしている。
今日は朝から大雨が降っているが、雨の中びしょ濡れになり電車に乗り会社に行く必要もない。これだけで1日が最高だと思える。
セミリタイア生活のメリットは語り尽くせばキリがないけれど、あえてデメリットについても語ってみることにした。
・ルーチンが作れない
・集中して作業できる環境がない
・お金の消費
ルーチンが作れない
サラリーマン時代だと、平日は朝起きたら準備をし会社に行くというルーチンワークが出来上がっている。そのため、何も考えずに身体が勝手に動くようになる。何も考えずに身体が動くってとても楽なんだなと思うようになった。
ルーチンが出来上がっていると習慣を取り入れやすい。例えば、朝会社に着いたら英語のコラムを2、3記事読むとか、読者の記事に一通り目にするとか自然と習慣になる。例えば英語は、1日に10時間勉強するよりも、毎日30分でも続けた方が効率よく頭に入る。
セミリタイア生活では、朝起きてからその日にやることを考える。習慣がないと物事を上達させるのは難しなと感じた。自分が好きなものは黙っていても上達するが、好きでもないことを上達させるためのハードルは上がった。
集中して作業できる環境がない
セミリタイア生活を始めてから、メインで行う作業はMacBookのラップトップのみになったが、サラリーマン時代に比べて効率が悪い。
ラップトップの利点は、外出先でもソファでも布団の上でも作業できることだが、デメリットは作業しにくいということだろう。セブ島のプログラミング留学でビーチで作業をしている広告をよく目にするが、あんな環境で作業なんかできるわけがない。太陽が眩しくて画面は見にくいし、小さな画面とキーボードでプログラミングはやりにくい、姿勢も悪いので身体にかかる負担も大きい。
サラリーマン時代は、広いデスク、ゆったりとした椅子、画面が大きいデスクトップが準備されていた。やはりデスクトップで作業した方が何倍も効率が良いと感じてしまう。
今のところ予定はないが、可能なら集中して作業するスペースが確保できた方がいいだろう。
お金の消費
収入がない不安定な生活をしているため、やはりお金の心配は常について回るだろう。当初考えていたよりも、お金を消費してしまう機会は多い。会社にいると強制的に椅子に座っている時間が長いため、お金を使うタイミングはあまりない。
サラリーマン時代の平日は、ランチ代さえ我慢すれば1日にゼロ円ということもザラにあった。
今はお金を使おうと思ったらいくらでも使えてしまう。自分はお金に厳しい方だが、それでも渋谷まで徒歩でいき、1日中外にいたら1000円くらいは簡単に使ってしまう。ランチで500円、水とアイスを買って200円、帰りに疲れたご褒美にビールを買えば1000円になる。
普段の生活でも、朝からカフェに行きセットを注文すると300円、ジムに行くと400円、もしもランチを外で食べれば、これだけで1000円を超えてしまう。シェアハウスに住んでいるとディナーや飲み会も誘われることも少なくない。
セミリタイア生活をして、家に引きこもりたいわけではないので誘われたら受けるようにしているが、やはり飲み会の出費は大きい。2時間の食事だけで3000円、サラリーマン時代なら苦にならないが今はそういうわけにはいかない。
デメリットよりもメリットの方が大きい
2週間のセミリタイア生活を送ってみてデメリットを考えてみたが、今のところこの3つしか思いつかない。デメリットを上回るだけのメリットはたくさんある。
サラリーマンを続けていれば、会社に行き椅子に座ってさえいればお金が毎月振り込まれるが、それでもまたあの仕事を続けたいと思わないから不思議だ。
お金に関して不安はあるのだが、とりあえず今月末までは会社から給料が振り込まれるし、3ヶ月後には失業保険の受給が始まる。本格的に通帳のお金が減り始めるのは6ヶ月先だろう。
まぁそれでも彼女のサポートがあるおかげで心配は少ない。貯金残高が3桁を切るようになれば焦るだろうが、それはまだまだ先の話だ。それまでに収入が発生しなければ、それはそれでこの生活に未練がないと諦めて労働者の仕事に戻ることができるだろう。
先日、いつも通りエンジニアの仕事に関する記事を書いた。SIerの仕事がつまらないという記事を書いたら、ブックマークが大量についてアクセスが急上昇した。いつも通りの記事を書いただけなのに、何がきっかけで起きるかわからないと思った。似たようなことを過去に何度も書いているのだが。
大半は同意してくれる記事が多かったが、中にはわざわざブログの記事に起こして批判を並べてくれる方もいた。他人の記事を取り上げて批判するくらいなら、自分で論を並べて論じればと思ってしまうのだが。
この業界のことをどう思うかは人それぞれだが、人に勧められるような素晴らしい職場ではない。少なくとも自分が子供をできた時に、SIer業界に入れとは言わないだろう。エンジニアになりたいといったら、プログラムできる環境は用意し、向いていると思ったら自前でサービスを作るか、ベンチャー企業を進めるだろう。向いてなければ当然勧めない、お金を稼ぐ手段は他にもたくさんある。
ピラミッド構造の上にいる名ばかりエンジニアの給料が高く、彼らの雇用が過度に守られているおかげで、最下層にいるエンジニアは給料が低く、常に流動的で雇用はいつ失ってもおかしくないほど常に不安定だ。
個人的にはエンジニアのような専門職であれば、雇用は守らない方がうまくいくと思っている。雇用の有無は100%プロジェクトありきで良い。一部の人間の雇用を守ろうとすると、その代わりに誰かが割を食わされるというだけにしか過ぎない。それが下請多重構造や、多重派遣の問題を引き起こしている原因になっている。
自分は転職を繰り返すことでうまくキャリアアップできたが、抜け出すだけでも大きな労力を使った。同じことができる人はそれほど多くないし、本業の仕事とは別のところで無駄に疲れてしまった。
このピラミッド構造を避けるために、流行りのベンチャーやWeb製作する会社が最適解だとは思わないが、少なくともこのSIerの構造を良いと思っている人は、構造の上にいて美味しい蜜を座っている人だけだろう。
まぁ早い話、プログラムの仕事が心から好きと思えないのであれば、この業界には近づかない方がいい。好きなのであれば普段から自前でサービスを作っているだろうし、わざわざ労働者のようなポジションに成り下がることはない。
サラリーマン気質の人が、手に職をつけたいと思ってこの業界に入ってくると痛い目に合うという話だ。
SIerの仕事がつまらないと思う理由
セミリタイア生活10日目
セミリタイア生活1週間目