会社を1週間休んでセミリタイアのプチ体験をしてみた。
1週間の休みなら会社の長期連休でもあるが、大概事前に予定を立ててどこかに出掛けるし、他のサラリーマンも皆休みです。なんでもない普通の平日に会社を1週間も休んでのは生まれて初めてのことだった。
やってみた感想は毎日が充実して楽しかった。やはり会社を辞める決断をして良かったなと心から思った。この体験を一度味わったら、もう退屈なサラリーマン生活には戻れない。
毎日、会社の椅子に座ってただただ時間が過ぎることを待つ生活はもう耐えられない。晴れた清々しい朝の日に会社に向かう時は、いつも家に引き返したいと思って出社していた。その夢がようやく叶うことになる。
日本人の有給消化率は50%だけだ。1週間休むとまではいわないが、有給を取ることに罪悪感を持たずにもっと休んだ方がいいと思う。
休みの日に自分と向き合うことで人生の選択肢が増えるかもしれない。
月曜日はジムと読書
月曜日は朝からカフェに行った、コーヒ付きの朝のセットは350円。家で朝ごはんを食べてから出てもいいが、セットで頼むと割引きが効くのでカフェで食べることにしている。
この日は寝不足で集中力が続かなかったのですぐに飽きて、10時にはカフェを出て区が運営するスポーツジムに行くことにした。スポーツジムは月会員になる必要はなく2時間利用して400円だけ。
仕事帰りや週末に行くと混んでいて、好きな器具を好きなタイミングで使うことができないが、平日の午前にいくとほとんど人はいない。贅沢に器具を使うことができる。
順番待ちしている人がたくさんいるので、器具に座りながらスマホをいじったり休憩していると利用者同士でトラブルになるらしい。たかがジムの器具で、と思ってしまうが時間に余裕がないと心もすさんでしまうのかもしれない。
午後は家に帰りシャワーを浴びて本を読むことにした。
昔はビジネス書とか株式投資の書籍を読む機会が多かったが、最近は旅行記にはまっている。仕事を辞めたあとはしばらく海外を放浪する予定だ。
Kindle読み放題:珍夜特急1―インド・パキスタン―
インドのカルカッタからポルトガルのロカ岬まで、ユーラシア大陸を単独バイクで横断する――。19歳の”私”は、大学の学費を費やして行ったタイ旅行でどこからともなくそんな啓示を受ける。
「珍夜特急」は沢木耕太郎の「深夜特急」をもじっている。著者は予算300万円で、インド、中東、ヨーロッパをバイクで走り回る。バイクで海外を回るのは珍しいことではないが、旅の半分を野宿で過ごしていたのが興味深かった。ユースホテルに泊まっても1000円もしないが、野宿をすればタダだ。
さすがに今の自分の歳でやりたいとは思わないけれど、20代であればこんな旅もいいなと思った。もっと早くこの本に出会っていればよかったと後悔した。
人生をより楽しむためにも中型バイクの免許を取るのも悪くない。普通免許がすでにあればマニュアルバイクで9万円、10日前後で取ることができる。安い買い物ではないが、人生がより豊かになると考えば安いかもしれない。
著者はこの数年度に再び旅に出ることになります。まだ読んでいないけれど、これもKindle読み放題で読めるので近いうちに全部読むつもりだ。
Kindle読み放題:珍夜特急 2nd season 1―カナダ・アラスカ―
2000年1月2日、バイクによる約1年にわたるユーラシア大陸横断を果たし帰国した”私”は、一時的にある種の「英雄」となったものの、すぐに現実社会の厳しさに直面することになる。
その日暮らしを続けながら生きる新たな目的を探し続けた”私”は、結局その「何か」を探すために、再び新たな旅に出ることを決意する。
次のターゲットはより危険度の高い新大陸「アメリカ」。果たして”私”の求めるものはこの旅で見つけることができるのか?アラスカの最北端から南米の最南端までのおよそ5万キロにわたる新たな冒険の旅が今はじまる――。
月曜日出費:750円
火曜日はカフェと保険解約
火曜日は朝からカフェに行きブログを書いた。
その後、郵便局に行き4年間払い続けていた終身保険を解約した。翌日には35万円が振り込まれたが、過去に支払ったのは55万円、20万円も大損したことになる。結婚して子供ができるまでは保険に入るつもりはない。
家に帰って本を読んでいたら、夕方ドイツ人女性に誘われて外にご飯を食べに行くことになった。お金がもったいないためランチ以外の外食は極力しないことにしているが、綺麗な若い女性に誘われて断れるほど意志は強くない。
彼女はドイツにいるときに韓国のK-POPにはまり、韓国語を大学の専攻にし現在ソウルの大学に通っている。日本へは夏休みの2週間を利用しやってきた。日本ではないけれど西欧圏の人が東アジアに興味を持ってくれるのは純粋にうれしい。
いろんな種類の日本食を楽しめるという理由で居酒屋を選んだ、自分はビール1杯、彼女はソフトドリンク1杯、あとは食べ物を4品頼んだ。これだけでお会計は3400円。彼女が1400円出して自分が2000円だした。
やっぱり日本の居酒屋は高い、少なくとも男同志だと2度と行くことはないだろう。
火曜日出費:2350円
水曜日はジムと読書
水曜日は珍しく朝からジムにいった。普段は頭がすっきりしている朝はできるだけ頭を使う作業をして、思考力が低下した午後にジムにいく事にしている。朝から身体を動かすと気持ちいい。贅沢な時間の使い方をした。
その後は家に帰ってまた本を読む事にした。ずっと読みたかった沢木耕太郎の「深夜特急」を読み始めた。Kindleの読み放題対象ではなかったため、全6巻の文庫本をまとめて買う事にした。全巻購入しても1200円、1冊あたり200円。Kindle読み放題のせいで脳が、実物の本は高いと感じてしまうようになった。普通に考えたら200円で本が読めるのだが。
今までこの本を読まなかった事を後悔している、それほど面白い。今まで読まなかった理由はサラリーマンを辞めたくても辞めれないときに、この本を読んでしまったら働きたくないという思いが強くなってしまうから。辞めたいと思っても仕事を辞められないのは精神的な大きなストレスになります。
今にして思えばもっと早く読んでいればよかった。そうすればもっと早くセミリタイアできていたのかもしれない。
深夜特急は1947年生まれの沢木耕太郎が27歳のときのストーリーです。ということは1974年のアジアとヨーロッパが舞台になる。もちろんこのときにインターネットはありません。
地図もないまま、その国の空港に降り立ってからどこに行くか考える。街の中心地がどこでさえわからない。こんな旅に自分も憧れる。
30年前のアジアの物価の安さに驚きます。中でもインドはとりわけ安い。個室部屋に泊まっても300円、地元のレストランで100円もしない。
1ルピーは35円、自分がインドに住んでいたときは1ルピーは1.5円で計算していた。インド通貨がインフレしていることを考慮したとしても、円がここまで価値が下がっていることに驚く。
Amazon:深夜特急 全6巻セット 文庫本
水曜日出費:400円
木曜日は海外ドラマ
木曜日はカフェにもスポーツジムにも行く気がしなかったので、1日中家にいてHuluの海外ドラマを見ることにした。Huluは月額1000円で映画とドラマが見放題のサービスです。
自分はこれを英語学習用に使っている。
字幕を英語に切り替えると英語の勉強になります。TOEICで高得点を取るために問題集のリスニングを聞く時期もあったが、時間の無駄だということに気付いて辞めた。どうせ同じ時間英語を聞くのであれば、楽しい海外ドラマを英語を聞いていた方がよっぽど頭に入る。問題を解くために英語を聞いてもただの苦痛でしかない。
Huluは1年以上前から契約しているが、利用する機会はあまり多くはなかった。理由はサラリーマンをしていると時間が少ないからだ。平日は仕事で家に帰る時間が遅いのであまり時間がない、平日に自分の時間が持てない分、週末に押し込んでしまうため色々とやることがあって忙しい。週末はジムに行きたい、本を読みたい、気の合う知人とお酒を飲みたい、そうすると映画を見る時間を後回しにしてしまう。
さらに副業を始めるようになると余計自分の時間が減り、英語のために使う時間がなくなってしまった。住んでいるシェアハウスにアメリカ人が3人いるおかげで、英語を話す機会は多いが、昔より英語力は確実に落ちた。
仕事を辞めたら時間はたっぷりあるため好きな海外ドラマや映画を好きなだけ見ることができる。贅沢な時間の使い方だ。
英語字幕がある海外ドラマは多くはないが、少しずつ増えている印象はある。「ウオーキング・デッド」シーズン1から英語字幕で見ることにした。
全部で84話、3780分、63時間、1日8時間みたとして会社に行かなければ8日で見終えることができる。これで月に1000円て安い。
夜は仕事のために中国に2週間出張していた彼女が帰ってくるので夜ご飯の材料を買いにスーパーに行った。数日分の食材を買って1500円。
木曜日出費:1500円
金曜日は家で飲み会
金曜日の朝は読書、昼は彼女とランチ、ランチは彼女が奢ってくれた、午後はジム、夜は会社を転職して東京に移動してきた知人とお酒を飲むことにした。彼とは東京に移動する前に毎週末一緒にお酒を飲んでいた飲み仲間です。
外でお酒を飲むのはお金がもったいないので、家で飲むことにした。サラリーマンの安定収入があれば1回の飲み代で6〜8000円使うのは気にならないが、仕事を辞める予定の自分にとっては死活問題だ。
飲み代は安いにこしたことはない。
焼酎のボトルを1本、ビールを3缶、刺身、アサリを蒸し、彼女が鶏肉と玉ねぎのクリームソースを作って合計3000円。1人1500円の出費で楽しく酔うことができた。ドイツ人女性と居酒屋に行った時はビール一杯飲んだだけで3500円取られたことを考えると、提供されるサービスの割に割高だと思ってしまう。わざわざ外でお酒を飲む理由はない。
金曜日出費:1500円
セミリタイア1週間の出費は?
月曜日出費:750円
火曜日出費:2350円
水曜日出費:400円
木曜日出費:1500円
金曜日出費:1500円
出費の合計は6500円だった。1週間休みだったことを考えると少ない方だと思う。大概、会社の長期連休があると旅行に行くため最低でも5万円、多いときで10万円以上の出費がある。
火曜日はドイツ人女性と居酒屋、金曜日は知人と飲み会があったので出費は多かった。この2つがなければ1週間の出費は3000円に抑えられた。出費の大半はカフェの朝セットで350円、スポーツジムで400、食事は家で自炊するのでほとんど掛からない。
本格的にセミリタイア生活に突入したら、カフェも贅沢になるので毎日行くことはなくなる。半分は図書館を利用するだろう。スポーツジムも区が運営しているため1回400円と格安だが、これも外をランニングするなどジムを利用する回数も徐々に減らそうと思う。
仕事を辞めた後は、失業保険を受け取るためしばらく実家に帰るつもりだが、1日500円以内の生活を目標にしている。月の変動費は1万5000円以内。
固定費も限界まで削減する予定だ。
家賃、水道光熱費は実家に帰るため無料、保険の解約、大手キャリアの端末料金を一括で支払い解約し格安携帯に乗り換える。
月で一番高い出費は4000円のポケットWifi。あとはKindle読み放題が1000円、Huluの映画見放題が1000円、格安スマホで2000円だけだ。
失業保険をもらい終わったら海外に拠点を移す。そのときにはポケットWifiも、Huluも格安携帯も解約するつもりだ。月に必要な出費はKindle読み放題の1000円だけになる。
収入がなくても充実した生活が送れるのは、自分の趣味がお金が掛からないということもあるが、一番の理由はIT技術の革新によって安価で質の高いサービスを利用できるようになったことが大きい。ネットサーフィン、SNS、動画、消費者はネットのサービスをタダで利用できるのが当たり前だと思うようになってしまった。消費者が高品質のサービスを安価で楽しむ影で、労働者が汗水垂らして日々競争し合っている。
Kindleの読み放題も映画の見放題も使わなければ損だ。映画を100本みても、仕事が忙しくて1本しか見れなくても支払うコストは一緒だ。働かなくても十分に娯楽を満喫することができる。
こんな時代にわざわざ働くのであれば正当な理由が必要だ。大学を卒業して皆が働くから自分も働くというのは理由ではなくなりつつある。
1週間休んでみたらセミリタイアしたい
充実した1週間を過ごすことができた。毎日会社に行くと同じような退屈な日々の繰り返しのため、1週間を振り返ってみるとあっという間に時間が経ったように感じる。
1週間仕事がないと、前の日に明日何をしようか考えて眠りにつくのはとても居心地がいい。朝からカフェに行ってブログを書こうか、それともジムに行こうか、何もせず家で本を読むか、海外ドラマを1日中みようか、そんなことを考えると楽しくて眠れなくなる。
まだ1週間しか過ごしていない、この生活が日常になったらあきる日がくるかもしれない。ただ正直な今の気持ちは1年後も3年後もこの生活を続けたいと思ってしまう。それくらい毎日が楽しかった。
セミリタイアを経験するために、ふつうの平日に1週間会社を休んでみるのはありだと思った。もしも収入がないことが不安で落ち着かないなら、毎日会社に行って働いた方がいいと思う。もしも働かない生活が楽しくて仕方ないようであれば、どうやってセミリタイア生活を実現するか本気で考えた方がいいと思う。
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仕事を辞めた後に必要な税金の手続きについて、前年度の税金を支払う必要があります
休みたい休みたいという人は多いけれど、意外と何をしていいかわからない人もいる
日本人は休みを取ることに罪悪感を感じてしまう。有給消化は不労所得だと思う。