早ければ来月、おそくても再来月にはセミリタイア生活に突入します。
働かない生活に突入し生活の基盤を海外にするということもあり、最近はこのような本を読みふけるようになりました。自分は若者といえるような歳でないが、同じように考えて日本の会社組織を離脱する人たちが、自分の生活をどう思い描いて日本を飛び出すのか興味があったからだ。
Amazon:日本を降りる若者たち (講談社現代新書)
沢木耕太郎の「深夜特急」は読んでいて楽しいのですが、 この本は暗い気持ちにさせられました。タイトル通りといえばタイトル通りかもしれませんが。本書は日本の社会になじめずに、東南アジアを中心とした海外に沈没する若者を追ったルポです。
Amazon:深夜特急 全6巻セット 文庫本
外こもりとは?
最近知った言葉ですが、タイのバンコクや物価の安いアジアに長期で住み着いて、働かない人たちを「外こもり」といいます。10年程前からこの言葉が使われているようです。日本にいるニートが、家で「引きこもる」のに対して、海外にいるニートは外に引きこもるというと意味で使われています。
彼らは、日本の工場の派遣や住み込みのアルバイトで数ヶ月働き、そのお金でまた海外の物価の安いところで引きこもります。お金が尽きたら日本へ戻るということを月単位で繰り返しています。
なぜ、海外に出て引きこもるかというと、物価が安いため働かなくても長期間滞在できること、日本だと働かないだけで世間の風当たりがキツイ、アジアだと働かない人は当たり前のようにいます。ニートを受け入れてくれる寛容性があるからです。
途上国では、資本主義社会が進んだ日本のように働くことがすべてではありません。
若者が働きたくない理由
本書は物価の安いアジアに難民のように暮らす日本人に焦点を当てています。みながみな同じように働かないといけないわけではないし、その人の人生なのでどう生きようが自分には関係ないです。
ただ、自分も働かない生活を目標にしているが、こういう生活を望んでいるわけではないということがわかった。
たぶん自分の場合仕事は好きだと思う、好きではないのは仕事ではなく会社勤めです。
毎日決まった時間に会社に行き、決まった時間にならないと家に帰れない、生活のすべてが仕事に縛られるのが嫌なんだと思う。時間、場所的な拘束がなければ会社勤めしても苦にならない。そんな職場は自分で作らなければないのが現実だけれど。
どれだけ日々の生活が縛られて会社のために私生活を犠牲に働いたとしても、会社が自分の資産になるわけではない。そう考えると、今やっていることは割に合わないと思うからだ。人生のすべてを犠牲にしても得られるような対価は得ていない。土日休みと1週間の連休があれば十分だという人もいるかもしれないが、自分の場合は十分ではない。
努力して問題をクリアしていくことは嫌いではないと思う。その努力する先が、会社のためか、自分のためか、ということが大きい。努力は他人のためにするものではなく、自分のためにするものだからです。
本来みな仕事は好きだけれど、成熟した資本主義社会の中では、労働者の立場でしか仕事に携われないため、会社組織から逃げ出したいと考える人は多いと思う。逃げ出したいけれど、逃げても先はないことを学校や親から教えられます。
「将来のことは考えているの?」と聞かれると困るけれど、将来のことを考えていないといけない、という制約は何もありません。仕事を辞めたいと思っている人が、東南アジアにいくと心地いいと感じるのは、そういう凝り固まった固定概念がないからだ。
働いた方がいいと思う理由
個人的には人生を楽しむためには仕事は必要だと思っています。仕事は長い人生において刺激的なスパイスになるからです。
自分でお金を稼いで、その稼いだお金を消費して遊ぶからこそ人生は楽しい。動物園で暮らす狩りをしなくなった猛獣が、檻の中で退屈するのと一緒です。餌に困らないからそれが幸せかというとそうではありません。
人生には暇つぶしが必要だし、暇つぶしをするためにはお金が必要だし、お金を稼ぐためには仕事が必要です。仕事はつまらない仕事を選択するのではなく、プロセスを楽しめる仕事を選択するべきです。
どんな仕事を楽しめるかどうかは人によって異なります。ただ、労働者として働く仕事は大半が楽しめません。なぜかというと、労働者の仕事は誰かがやりたくないことをお金を払ってやらせるだけにしか過ぎないからです。
なかには組織で働くのが好きだ、組織でしか大きなお金は動かせないという人もいるので、自分に合った仕事を選択すべきです。組織でないと仕事ができないというわけでもありません。
純粋なニートってどれだけいる?
本書は8年前に書かれた書籍なので、今とはだいぶ状況が違っているのではないかと思います。
インターネットでもお金が稼ぎやすい時代になると、わざわざ日本に戻って肉体労働の仕事をする必要はなくなります。
もともと外こもりをする人たちは、生活を継続させるためにお金をほとんど使いません。彼らはお金が底を尽きると、日本に戻って辛い思いで働かないといけないため、1円でも安いホテルやレストランを探します。お金はないが時間だけは人一倍あります。
なかには1日500円で生活する人もいて、そうなると月に必要な生活費は2万円も満たしません。2万円をインターネットで稼ぐのは、現在ではそれほど難しいことではありません。彼らは時間を持て余しています。3万円稼ぐことができれば、貯金を切り崩すことさえ必要もなくなります。
日本の引きこもりをするニートでもそうですが、純粋なニートというのはどれくらいいるのか疑問に思います。パソコンとネットさえあればお金を稼げる時代に私たちは生きています。
ネットだけで稼ぐことが可能であれば、物価が安い海外に行くことは理に叶った戦略です。
自分は恵まれていると思う
このような本を読んで感じることだが自分は本当に恵まれていると思う。
まだどこに住むか決まっていないが、仕事で2年で3カ国住むフランス人の彼女に便乗し、彼女の部屋を拠点にしながら、海外を放浪するからだ。彼女は1年間のうちに2週間半分有給が取れるらしい。日本のように、有給は連続で取れないという暗黙のルールはない。1週間の連休に10日の連休を付ければ3週間の休みになる。自分は仕事していないので、いつでも一緒に旅行することができる。
とりあえず、貯金も収入も対してないけれど生活は数年間は破綻しない。
昔はパックパッカーに憧れて世界一周旅行がしたかったけれど、今ではたった1度の機会に1周する必要性はとくにないと思う。外こもりのように一箇所にずっと滞在したいわけでもない。浮浪滞在者を排除するアジアの国が増えているので、どちらにしても1箇所に留まるのは難しいと思うが。
旅に飽きたら、彼女の元に帰るか実家に帰るかという生活を繰り返すことになる。自分の拠点に戻ったら、また次の旅の計画を立てる。本を読みながら、ゆっくり旅ができたらいい。電子書籍のおかげで本はどこにいても手に入る。
自分のやりたいことをするために、会社にも、日本社会にも縛られる必要は何もなかった。
彼女の2年間のプログラムが終われば、どこかの国に住み、ユースホテルでも始めようかという話をしている。自分は旅をしながらその最適な国を探すことになるかもしれない。
これが実現するかどうかはわからないけれど、とりあえず2年間の生活を楽しめそうだ。もしも別れることになったとしても、経済的に相手に依存しない状態は作っておきたいけれど。
セミリタイア後はまずアジアを旅します
セミリタイアを決めたキッカケ