【事業所規模別・卒業後3年以内離職率】
5人未満、 59%
5~29人、 51%
30~99人、 39%
100~499人、32%
500~999人、29%
1000人以上、 22%
合計、 32%
厚生労働省が公表している事業所の規模ごとの離職率を見ると、3年以内に3人に1人は会社を去ることになります。規模の小さい企業では半数以上が会社を去ります。
ひと昔前ほどではないにしても、生涯働くことを前提に会社選びをしている人は多いはずです。最初から、会社を辞めることを全手に職探しをする人は少数のはずです。にも拘らず3年も経たない内に多くのサラリーマンが会社を辞めるのはなぜでしょうか?
会社を辞めて海外へ
辞めた人の中には、日本社会を飛び出し短期留学やワーホリという形で海外へ放浪する人がいます。実際に自分も1年半で勤めていた企業を辞め語学留学で海外に数ヶ月滞在しましたが、同じような理由で会社を辞める20代の若者はたくさんいました。
再び日本企業で働くようになってからも、連休はバックパッカーが集まるような安宿に良く行くのですが、そこでも会社を辞めた20代の方にたくさん会います。
彼らの話を聞いて思うことは、日本でも欧州企業のように月単位で連休さえ取ることができれば、わざわざ仕事を辞めてまで海外へ放浪する人はいないのかなといつも思います。
自分自身もサラリーマンを辞め、自分の力だけで生計を立てることを目標にしていますが、もしも長期で休みが取れる環境にいれば、辞めたい動機はだいぶ緩和されます。
現在、就職率はバブル期並みに回復しました。2008年の金融危機のときとは状況が逆転しています、今では企業が人を集められなくて困っているほどです。
仕事を辞めるリスクは高い
正社員で働くサラリーマンが仕事を辞めるリスクは決して小さくはありません。安定した収入を失う事もリスクですが、それ以上に怖いのはキャリアを失うことです。
日本企業は空白期間を過度に嫌うため、再度正社員に戻ったとしても年収は大きく下がります。30歳で再就職をしても社会人3年目、もしくはそれ以下の年収まで落ちる可能性はあります。留学で英語を身につければ問題ないと考えている人もたまにいますが、結果はあまり変わりません。
現職で年収500万円得ていたとしても、再就職する際には350万円まで落ちる可能性があります。
そこまでして正社員を辞めたいのか「覚悟」が試されます。自分が今現在もサラリーマンを続けているのは、自由な時間を得るための代償にしては大きすぎると考えているからです。仮に辞めたとしても、自分で稼ぐことができなければ、正社員に戻る可能性は十分にあります。
仕事を辞めて海外に行きたいと思っている人の多くは、キャリアのすべてを投げ出して放浪したいのではなく、一度で良いから海外に住んでみたい、もしくは放浪してみたいと考えています。
日本企業でも連休はありますが、長くても1週間程です。1週間ではあまりにも短すぎます。
週末2回と平日の5日を足して最長で9日しかない連休で、ヨーロッパに行こうとすると移動だけ3日使う、連休最後の日は家でゆっくりしたいと考えていると実質5日しか滞在する時間はありません。
サラリーマンの連休中に海外旅行すると、航空券、ホテルは割高になるため、たかが1週間の休みで20〜30万円の費用が必要になります。
人生は一度だけ後悔したくないというけれど
仕事を辞めてまで、短期留学やワーホリ、世界一周旅行に行く人の話を聞いていると、「人生は一度しかないから後悔しないように生きたい」といいます。
たしかにそれはその通りですが、「会社の休みが1〜2ヶ月取れれば、わざわざ会社を辞める必要はない」といつも思います。
世界一周は仕事を続けていたらできないと言いますが、一度の旅行に連続していく必要はなくて、1ヶ月以上の休みがあれば、それぞれ大陸ごとに休みを利用して訪れることができます。
一度の期間で連続で世界を回ること、数ヶ月の語学留学やワーホリ、そのために仕事のキャリアを失うことは割に合わないと思います。
中国の旅行先で出会ったバックパッカーですが、彼は実家暮らしをして20歳後半に2〜300万円貯めて世界一周旅行に旅たちました。お金が底を尽きたら日本に帰ると言います。
他にも仕事を辞めてフィリピンに語学留学、オーストラリアでワーホリを繰り返す人たちがいます。
彼らを見ていると、自分がやりたいこととは違うなと感じます。お金があるときは自由に海外生活を楽しむのですが、最終的にはお金を使い果たしたら再び日本に働くことになります。このときの精神的なストレスは、計りしれないものがあるのではないでしょうか。
若い時は会社に服従する会社人間をどこか見下し、自分のやりたいことをやろうと一大決心をして日本社会を飛び出します。しかし、その末路が自分が嫌いだった会社人間の下で低収入で働くことになるのです。
自分もバックパッカーに憧れて世界1周をしたいと思うときがありました。けれど、資金が尽きたら再び再び日本に戻って働く彼らを見て、どこか冷めた目で見るようになりました。
中国で出会ったバックパッカーと同じ日に、小学校の教員で長期連休の1ヶ月を利用して中国を旅行する方に会いまいした。キャリアを失わずに、給料をもらいながら長期旅行に行ける職場なら、わざわざ会社を辞める必要はないなと改めて思いました。
日本社会は献身性を求められる
1〜2ヶ月の長期連休で海外を放浪しているヨーロピアンと話していると、1週間しか休みがない日本のサラリーマンは、可哀想だなとおもってしまいます。彼らは与えられた有休を全部使い切るのが当たり前だし、連休に有休を繋げることも躊躇しません。今月2週間休んだと思ったら、翌月も平気で2週間休みます。
日本人は休むと申し訳ない気持ちで胸が痛みますが、彼らはしっかり休んだほうが仕事で良いパフォーマンスが出せると考えています。休んだことがある人ならわかりますが、数ヶ月休んでいると自然とまた働きたくものです。
極端な話日本の会社員は、1週間の連休で満足するか、それとも会社を辞めて長期で好きなことをやるか、そんな選択肢しかありません。休まずに長時間働く人は、企業から献身性があると高評価を受けます。
エンジニアの仕事をしているとプロジェクト単位で働きます。忙しいプロジェクトで働くと平日は残業、週末も出勤することも少なくありません。プロジェクトが終わったからといって、次のプロジェクトが始まるまで1ヶ月休むこともありません。
作業が空かないように強引に次のプロジェクトに入れられるか、次が決まってなくても雑用のためにとりあえず会社に出社します。休みはすべてカレンダー通り、有給は体調を崩した時だけです。
これからも離職率は増えそう
最近はネットでお金を稼ぎやすい時代になったので、収入を得ながら海外を放浪する人が増えました。単にリタイア系のブログを運営しているのでそう感じるだけかもしれませんが、それでもネット上にたくさん見かけます。
こうした風潮を見ると、企業の離職率は今後も改善されることはないと思います。むしろ、日本企業に疲れ切った若者は副業に力を入れ、成功した人から徐々に離脱していくのではないでしょうか。
日本企業も欧州のように長期連休を取得しやすい環境になると改善できるかもしれません。そういう社会は日本ではしばらくないだろうなとは個人的には思いますが。
まとめ
冷静に考えて3年以内に3人に1人が会社を辞めるというのは、かつての日本では考えられなかったことです。10数年前は大半が生涯ひとつの会社で勤め上げることを前提に生活していました。
時代の移り変わりは早いと感じます。
そういう自分も副業で稼げていないですが、結局会社員を辞めてしまいました。
→ 会社を辞めて海外を3ヶ月旅してみて思ったことは「もっと働きたい」
今のところサラリーマンに戻るという選択肢はないです。
→ 仕事を辞めてから5ヶ月、サラリーマンに戻る道はあるのか?
月に10万円稼げたら世界が変わると思いながらブログ運営しています。
→ ブログで収益化を目指して3ヶ月目、アフィリエイトで1万円