セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

優良企業タカタを潰すことは、日本の技術開発に大きな損害を与えるワケ

 

タカタ株について読み応えのある記事を見つけました。コラムを書いた人は法律事務所の代表を務める法律に精通している方です。

 

日経BizGate

タカタ問題とパロマ問題に共通する「世の中の誤解」 : 日経BizGate

 

タカタを潰すことで日本の技術開発を衰退させます。

 

コラムを簡単にまとめると以下になります。

 

・タカタ製は他社製よりも優れ、性能基準にも合致していた
・作動性能という面では、タカタのエアバッグが他社製よりも安全性に優れた製品であることは、業界内でも共通認識であった。
・安全のための企業努力が「欠陥製品バッシング」の原因となる悲劇

 

タカタについて多くのメディアがミスリードしています。一般メディアが好きな過剰な報道内容によって、問題の中身を知らずにタカタのエアバッグは危険だと批判している人はたくさんいます。

 

実際には飛行機に乗って事故が起きるよりも確率は低く、数億の宝くじに当たるよりも低いのですが。

 

タカタが原因調査を依頼したドイツの研究機関は、タカタ製のエアバッグは自動車メーカーや米当局の求める性能基準を満たしているが、「工場での製造管理ミス」「高温多湿な環境への長期間の露出」「湿度の高いエアコン近くにエアバッグを配置する車体設計」という3つの要因が重なった場合、異常破裂の危険を生じさせる可能性が高まると指摘した。

 

 しかし、車の使用環境、車体の設計は、自動車メーカーが自らの裁量で行うもので、タカタが独自に決定できるものではない。経年劣化による「暴発」の危険を防止するためには、エアバッグメーカーのタカタだけではなく、自動車メーカー側にも、設計上の配慮が必要だった。

 

事故の多発が社会問題になったため、危険性が印象づけられ、「問題のある製品」という認識が広まっているが、タカタ製のエアバッグも、パロマ製の湯沸かし器も、製品それ自体は技術的に非常に優れたもので、全体的に見れば従来のものよりも死傷防止機能が高かった可能性が大きい。

 

 作動性能に優れたタカタのエアバッグは全世界で13社の自動車メーカーに採用され、世界中で人命保護に貢献してきた。タカタが、「安全性の一層の向上」にこだわらず、他社と同様に、作動の確実性では劣る硝酸グアニジンを採用していたら、少なくとも今回のように「暴発」の問題で、会社の存亡の危機に追い込まれることはなかっただろう。

 

タカタは現状に満足せず、技術開発を磨きよりよいものを創ろうとした結果、現在の倒産の危機にまで追い詰められることになりました。しかも実際には従来のものよりも安全性の高い優れたものです。

 

技術開発に走らず現状に甘んじ他社と同じものを使っていれば、こうした危機は訪れませんでした。

 

タカタの事例をみた部品メーカーは、独自の技術開発よりも皆が使っている従来のものを使い続けることを好みます。その製品に問題があったとしても、周囲も同時にこけるので自分だけが潰れるという事はありません。

 

周りと歩調を合わせて、杭が出ないようにしておけば打たれることはありません。

 

日本はよく新しいことを挑戦する人に厳しいと言われますが、こうした事例をみるとニュースが読まれるために事実よりも過剰な報道を好み、そしてそれを見て自分の頭で何も考えない人たちが多いことが原因で、こうした環境を作っているように感じます。

 

株の世界では正しいをしても儲かるわけではない

 

わたしがタカタ株に投資したのは、メディアでは報じられない裏付け(実はそれほど危険ではないとう事実)があったからです。

 

もしも株価が買値から下げたとしても買い増しできるだろうと考えました。

 

しかし、実際には大きく下げた後も買いに入れませんでした。たとえこの先倒産しなかったとしても、タカタ株に待ち受けているのは、株の希薄化しかないと思ったからです。

 

自動車メーカーが協力してリコール費用を引き当てる、その後は法律でエアーバッグの定期交換が決まる、エアバッグ部品メーカーは受注量が増えることに期待しました。

 

火薬の経年劣化における対策は定期交換以外にはありません。冷静に考えると火薬が10年後も20年後も劣化しないことを前提に使用することの方が無理があります。

 

エアバッグ破裂のリスクを避けるのであれば、消耗品として車検時に定期的に点検するべき製品です。

 

しかしながら、期待する流れには傾きませんでした。自動車メーカーはエアバッグの負担額は未だにタカタに請求していませんが、エアバッグに対する世間の風向きが悪すぎたせいか、タカタに法的整理による再出発を望んでいます。

 

タカタの経営陣に全責任を取らせることで排除し、新しいスポンサーにこの部品メーカーを引っ張っていってもらいたいと考えています。スポンサーからみても、借金がない状態でタカタを吸収してスタートできます。

 

期待した流れにならなかったのは、読みが甘かったと言われればそれまでです。

 

このタカタ株のおかげで株の世界では、正しいことをしても勝てるわけではないということを学びました。タカタに義があるから大丈夫だという考えは、完全に間違っていたことになります。

 

勉強代としては高い出費でしたが、今後同じ過ちをしないことを考えると資金が少ないうちで良かったかもしれません。

 

次に業績回復関連の株を購入する機会があれば、期待した方向に向かったときに買いを入れるようにします。

 

自動車メーカーの立ち位置は?

 

今回の対応で自動車メーカーに完全に失望しています。

タカタのエアバッグの経年劣化が進んだことは、納品先である自動車メーカーのエアバッグ配置位置とも関係していた。パロマの場合、修理業者の不正改造によって不具合が生じた。製造段階と流通段階といった面での差はあるが、いずれにせよ、メーカーの手を離れた段階で別の危険が付加されたことで危険性が高まったといえる。

 

タカタの問題は現在も進行中だが、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は部品の共通化を理由に、一次的な責任を負うはずの自動車メーカーを差し置いてタカタに直接対応を求める姿勢を取っている。

 

「不発」「暴発」という表れ方の差こそあれ、火薬の経年劣化というリスクは明らかになってきており、その有効な解決策は定期交換以外にないことも既に指摘されている。本来、自動車業界全体で対応すべきものであるにもかかわらず、部品メーカー1社の責任問題として収束する可能性が高い。

 

タカタのエアバッグを受け入れて、最終的にユーザーに納品しているのは自動車メーカーです。コラムにもあるように一次的に責任があるのは自動車メーカーですが、完全にタカタの影に隠れています。

 

サムソンの携帯が爆破したら、社会的に批判されるのは爆破した部品メーカーではなくサムソンです。なぜかエアバッグ問題は部品メーカーが避難されています。

 

米安全局の思惑が見え隠れするし、日本の自動車メーカーは意図的に責任追及を避けているのもわかります。かれらがタカタに対して法的整理を望んでいるのは理解できません。


日本の自動車メーカーには、人工知能の自動運転でこれから衰退していくことが予想されます。今回の自動車メーカーの対応を見て、衰退は近いうちに訪れるのではないかと思っています。

 

自動車メーカーと一緒に日本の大手メディアも衰退してほしいと心から思いました。