セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

頑張れば必ず報われるというウソ

 

 

諦めることは、逃げることにあらず。

 

与えられた現実を直視し、限られた人生を思い切り生きるために、
よりよい選択を重ねていくことこそが「諦める」ことの本質である。
オリンピックに3度出場したトップアスリート・為末大が、
競技生活を通して辿り着いた境地。

 

キンドルで無料でしたがとても内容の濃い書籍でした。

 

理想論ではなく、現実の厳しさを突きつけてくれるストーリーは大好きです。

 

頑張れば誰でもできるとか、諦めなければ勝てるという安易な精神論の話は好きではありません。

 

誰もがみな勝負に勝ちたいと思って必死に努力しているわけで、その中で勝つためにはその為の具体的な方法論や戦略が必要になります。勝負事には必ず相手がいて相手も同じように勝ちたいと思っているからです。

 

戦略を語ることなしに、一生懸命頑張れば夢は叶うというのは無責任です。

 

勝負の世界は甘くはない

 

アスリートの思考法は投資をする上でとても参考になります。彼らはどうやったら勝負に勝てるのかということを極限まで考えているからです。

 

アスリートを続けていくためには、身体的な年齢制限があります。いつまでも活躍できるわけではないし、どこで手を引くかも考えなくてはいけません。

 

また、成功しているアスリートはテレビに出るようなほんの一握りの人間だけで、多くのアスリートは誰の目にも入らないところで消えていきます。

 

サラリーマンは定年まで働けるということもあり、ある決断をするために深く考えるということをしません。

 

あるサッカー選手が語っていた言葉がとても印象に残っています。

 

「プロの世界に入ると技術面での差はなくなる、精神面が結果を大きく分ける」

 

アマチュアの世界では、他より技術が優れていると上位に立つことができます。他よりも技術が高いことはすぐにわかります。しかにプロの世界に入ると、一部の特殊な選手を除いてこの差は均衡します。

 

活躍できる選手と、活躍できない選手を分けるのはメンタル面で大きく差が出ます。

 

試合のときに最高の状態で仕上げてくる選手は安定して活躍できるし、そうではない選手は良いときと悪いときの差が激しく潰れていきます。

 

投資の世界でも知識やテクニックが重要なのは言うまでもないですが、それ以上に大事なのはメンタルです。

 

儲けた時に気が大きくなる、損したときに落ち込んでいる投資家は、どれだけ優れた投資法を持っていたとしても潰れていきます。

 

人々はわかりやすい成功話が好き

 

大衆は分かり易く、美徳で表面的な成功例が好きです。そこにたどり着くまでの生臭い話は省略したい傾向にあります。

 

金メダリストからインタビューを聞くと、必ず返ってくる言葉があります。

 

「辛いこともあったけど、頑張って続けてこれたから成功できた」

 

たしかにその通りですが、頑張って続けたからといって誰もが金メダルを取れるわけではありません。その陰にメダルを取れなかった何百人のアスリートがいます。

 

彼らも金メダリストと同じように一生懸命努力しています。

 

それ以外にも、諦めがつかず金メダルを取ることに固執し、人生を棒に振るう人も大量にいます。

 

金メダルを取れた人と、こうして落ちぶれていった人の間には、それほど大きな違いはありません。

 

金メダリストの話だけを聞いて、母数を見ずに安易な言葉を受け入れるのは、少し違和感があります。

 

投資でも安易な成功談が好まれる

 

投資の世界でも同じようなことは常に起きています。

 

大衆はプロのデイトレーダーが短期間でお金持ちになった成功談を好みます。

 

1年で100万円を1000万円に増やした、10倍株をあてて1億円稼いだ。

 

こういう情報を得ては、自分も努力すれば彼らのように大金を手に取れることができると勘違いします。今はまだ知識が足りていないからもっと勉強すれば勝てるようになる、セミナーに参加してもっと勉強しよう、成功している人たちのグループに入れば成功できる。

 

しかしこの延長線上に成功はありません。

 

彼らはこの成功談の裏にどれくらいの人間が失敗しているかということを知らないからです。この方法による成功者は1万人に1人もいないと言われても目指すでしょうか。

 

サラリーマンが突然仕事を辞めてオリンピックを目指したからといっても成功できないように、デイトレートで大金を手にしようとしても成功できません。

 

得意な分野で勝負をする

 

オリンピックは昔から好きになれず、たまに見ても違和感しか感じませんでしたが、この著者の本を読むことで、なんで好きになれないのか理解できました。

 

製作者側の意図で安っぽいドラマを見ているような感覚になるからです。

 

始めて社会人になったときに、見事にブラック企業に入りましたが、そのときに社長がこんなことを言っていました。

 

「上司よりも出世したければ、上司よりも朝早く来て夜遅く帰ればいい。」

 

この言葉はその会社を辞めるまでずっと違和感がありました。

 

時間を人一倍かければ仕事ができるようになりやがて評価される、と言い換えることができます。

 

安っぽいドラマやアニメでは好まれますが、物事はそれほど単純ではありません。

 

同じように時間を使ったとしても伸びる人と伸びない人がいます。自分のビジネスであれば時間を掛けて勝負してもいいかもしれませんが、労働者としての仕事にそれほど価値はありません。

 

冷静に考えてみると経営者からみたら都合のいい言葉というだけにしかすぎません。もちろんブラック会社なので残業代を出しません。

 

若いうちはガムシャラにひとつのことに集中して頑張りたいと思う時もありますが、年齢を重ねてくると、好きでもないことに人生の貴重な時間を費やすのは勿体なくなります。


周りを見渡して思うのは、成功している人たちはたくさんの時間を使ったから成功したのではなく、自分が好きで才能が発揮できるものを見つけて、結果的にたくさんの時間を使ったから成功したのです。

 

順番を間違えてしまうと、人生の膨大な量の時間を消費してしまいます。

 

人生の大半を掛けて勝負するにしても、どこで勝負するのかというのは、より重要になってきます。