セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

年収300万円の残念な働き方、1万人に会って分かった年収の壁を打ち破る方法

 

 

著者とは知り合いというわけではないですが、以前ご縁があってお会いしたことがある方なので手に取って読んでみました。

 

元リクルートエージェント、現地で語学留学のマネージャーをしていた方です。現在はBARを経営しながら、学生や社会人の転職相談を行っています。

 

1万人超のビジネスパーソンに接してきた著者が以下の内容を答える形で展開されます。


年収180万から300万になるためにはどうすればいいか、
年収300万から500万になるためにはどうすればいいか、
年収500万から800万になるためにはどうすればいいか、
年収800万から1,200万になるためにはどうすればいいか、

 

「私の年収、低すぎ…」と悩んでいるあなた、もしかしたら「残念な働き方」をしていませんか?年収180万円、年収300万円、年収500万円…と、年収のステージごとに取り組むべき課題は違いますし、「儲からない業界」で「将来性のないスキル」を身に付けても年収は上がりません。元・リクルートエージェントのキャリアコンサルタントで、現在は転職Barの店主として1万人以上の人生相談にのってきた著者が、年収の壁を打ち破る仕事術を伝授します!

 

普通のサラリーマンで一歩一歩着実に階段を上る方法を知りたい人のための本です。著者は読者層を幅広く設定していますが、出版社側は年収が300万円の層をターゲットにしているようです。

 

話が誇張しすぎて内容が入ってこない

 

著者の主張は昔から一貫していて、努力すれば必ず報われる、激務でも一生懸命頑張って働けば結果は付いてくるという、体育会系がベースになっています。

 

リクルート時代に終電ギリギリまで働いていたことを武勇伝のように語ります。

 

読んでいると随所にその通りだなと思うことが多いですが、なんでも誇張してしまうところに違和感を覚えて目が止まってしまいます。

 

揚げ足取りになってしまうかもしれませんが、たとえば

 

BARのカウンター越しに接するだけで、相手のおおよその年収がわかります。
それも3分以内に、誤差50万円以内、90%以上の精度です。

 

いくら腕利きの元キャリアコンサルタントといえど、さすがに3分以内は無理があるんじゃないでしょうか。しかも精度は90%以上です。カウンターに座ったお客さんに毎回年収を聞くのでしょうか。

 

人材のプロが求職者と1時間面接しても、実際の成功率は1割程度とあります20~12社に応募して1社の内定が得られるくらい。

 

著者は

 

BARのマスターとして人材の見立てをする立場になったら、人材エージェントの頃の10分の1の時間で、5倍の精度で、人材の目利きができるようになった

 

といいます。

 

さすがにこれも誇張しすぎではないでしょうか、著者のリクルートのキャリアは3年程度です。バーのお客さんと会話をして転職の相談に乗って、相談者の転職が成功したか失敗したか、何も根拠がない主観的な統計にならないでしょうか。そのお客さんが転職の進捗状況を随時報告してくれない限りは、わからないと思いますが。

 

主観的な話をオーバーに語られると気持ちが萎えます。

 

また、ご自身が実際にその年収を得たわけでもないのに、年収が800万円や年収1200万円の働き方について語るのはどうなのかなとも思います。

 

リクルートのキャリアは3年程度なので、高くても600万円程度だと思います。そこから語学留学のベンチャーに就職して前職の3分の1の年収、その後BARの経営をしています。

 

一流社会人とは29~35歳で800万円

 

20代の若いときはこういう本を読んでモチベーションをあげていましたが、今はどちらかというと懐疑的になります。

 

またこういう類の本は、いかに年収を上げるかということばかりフォーカスされて、見えている視野が狭いなと感じます。そのせいか、内容としても時代に合っていなくどうしても古臭く感じてしまいます。

 

サラリーマンとして高収入を得るためには、いかに出世競争を勝ち抜いて昇給するのかという話になるのですが、今の時代、普通に頑張っても給料を上げるのは難しくなっているというのは忘れてはいけません。

 

また、頑張って給料を上げても税負担増加で実質の収入は下がります。

 

500万円から800万円とありますが、サラリーマンがこのレベルを実際に目指そうと思うと、安定した優良企業に入社して40歳になるのを待つか、超優秀な人材が長時間労働で働いてベンチャーのような規模の小さい企業で役員になるか、という選択肢しかないように思います。

 

著書は「一流社会人、29歳~35歳 年収800万円」といいますが、現実は難しそうです。

 

仮に努力して年収800万円層に到達したとしても、それを維持するためにも必死に働き続けなくてはいけません。そんな仕事を維持するために働き続けること自体に疑問を感じてしまいます。

 

この手の話はいくら収入を得るかにばかりフォーカスがあたりますが、それほど多くの収入を稼ぐ必要はないというのが私の意見です。

 

手取り年収が600万円でも400万円の生活をしたら、手元に200万円残ります。手取りの年収が300万円でも100万円の生活をしたら、手元に200万円残ります。

 

手取り年収600万円稼ぐためには年収が800万円必要になりますが、この年収を維持するためには並大抵ではない努力を必要とします。

 

たくさん働いてたくさん収入を得るよりも、バランスの方が大事だったりします。

 

逆に今の時代の本当に賢い人たちは、必要以上に仕事を頑張りすぎず、副収入を得ることでリスクヘッジをし、サイドビジネスを徐々に成功させ、働かなくても不労所得を得る方法を追求していきます。

 

あえて今の時代といっているのは、インターネットのおかげで個人でも稼ぎやすい環境が揃ったこと、長びく不景気と税負担でサラリーマン収入が上がりにくいこと、この2つの大きな条件があるからです。

 

投資や不動産などを含めて3つくらい収入源があるのが理想でしょうか。

 

勤労所得一本で限界まで頑張りましょうというのは、時間と労力を使う割にリスクを高めてしまうだけです。

 

団塊世代や根性論が好きな学生や若い社会人には受けいれられそうな本ですが、現実主義者からみたら物足りなさを感じてしまいます。

 

アマゾンの平均レビューが4.3と意外に高く、ちょっと残念でした。