セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

シリコンバレーは貧困化するアメリカ経済を支えられない理由

 

ハイテク産業以外でアメリカは貧困化する

 

アメリカ経済が衰退すると聞くと、シリコンバレーを代表するようにハイテク関連の企業があるから大丈夫だという人がいます。

 

確かに他国にないアメリカの強みは、グーグルやアップルやフェイスブックなどクリエイティブなハイテク関連の企業が急成長しています。

 

しかし、これらの企業がアメリカ経済を支えることは不可能です。

 

日本の経済評論家はよくシリコンバレーのあるカリフォルニアを手放しに絶賛します。実はカリフォルニア州の失業率は、全米の州平均よりも高い失業率です。

 

カリフォルニア州の失業率は2015年で6.3%もあります。アメリカの失業率は5.4%です。意外にも田舎町のテキサス州は4.2%と全体を押し下げています。テキサス州では特出した産業はなにもなく、多くの単純労働者を雇用しています。

 

カリフォルニア州のホームレスの人口は全米3位です。カリフォルニア州に本拠地を置き、大儲けしているインターネット企業とは裏腹に、州は財政難の危機にあります。

 

カリフォルニアの失業率が高い原因は単純で、アップルはiPhoneを中国で生産し、IBMやマイクロソフトはインドでシステム開発を行い、グーグルのようなインターネット企業は世界の租税回避地で税金を支払います。

 

アメリカのハイテク産業は雇用を生まない

 

アメリカのハイテク産業は確かに右肩上がりで成長を続けていますが、しかしそれがアメリカ経済を支えるほど影響力が強いとは思えません。

 

世界一の時価総額を誇るアップルの従業員は、11万人しかいません。グーグルの従業員は6万人。最年少で世界の億万長者入りを果たしたマーク・ザッカーバーグが興したフェイスブックは、1万人程度です。

 

Twiiterに至っては3000人しかいません。

 

日本企業の比べればその差は歴然です。トヨタ自動車は連結で30万人を雇用しています。電気事業の東芝でさえ20万人の雇用を支えています。

 

アメリカでは新しいハイテク企業が今後もたくさん生まれる可能性はありますが、富を得るのは一握りの知的労働者だけです。

知的産業で働く多くのアメリカ市民は、政府の高い税金に嫌気がさし、租税回避地に本体を移しせっせと税金回避しています。

 

マクドナルドやウオールマートで働く単純労働者を助けることは、まずあり得ません。ウオールマートで働く従業員は200万人もいます。

 

そしてハイテク産業が人工知能を開発することにより、彼らの多くは仕事を失います。

 

アメリカ人は借金が大好き

 

結局のところ、アメリカ経済を回復させるためには、国の借金を減らし税金を減らすしか道はありません。

 

アメリカ人の借金好きは世界でも有名です。日本政府の借金も膨大な金額まで上昇していますが、それでも国内だけで完結している点でまだマシです。

 

アメリカ人は平均して一人4枚のクレジットカードを所有しています。

 

2008年には一人あたり約500万円の借金を抱えていましたが、2016年には政府の債務は2倍近く上昇、つまり一人当たり1000万円近い借金があります。

 

今後もアメリカ市民は借金の返済に追われることになります。つまりアメリカ市民は得た収入を消費ではなく、借金の返済につぎ込む必要があります。

 

日本も他人事ではありませんが、アメリカの景気は個人が抱えた借金の問題を解決するまで回復しないということです。

 

こういう問題を放置して、アメリカ政府は市場に大量に資金を投入してしまいました。

 

金融産業のエリートが興した問題を、ハイテク産業の知的集団が解決するとは到底思えません。

 

IT企業vsアメリカ国家

 

本書はシリコンバレーの良い面、悪い面をバランスよくレポートしています。

 

世界的なIT企業が立地している反面、ホームレスたちが夜を明かすために24時間運行いしている路線バスもあります。

 

IT企業が働き大金を得る知的労働者が増加し、その影響で家賃が暴騰、住宅不足になり家賃が払えないホームレスが大量に増えます。

 

そして地元の自治体は税収不足に苦しみます。これが未来の姿なのかもしれません。

 

アメリカ国内では、IT企業vs国家という新しい対立が生じています。

 

FBIがiPhoneのロック解除(情報開示)を求めて対立しました。日本であれば大抵の企業は無条件に協力しそうですが、いかにもアメリカらしい出来事です。

 

そして多くのインターネット企業はアップルの判断を支持しました。