セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

経営破綻寸前だけど好調なタカタの決算と株価 平均年収662万円

 

シートベルト、エアバッグなど自動車安全部品で世界で第2位のシェアを持つタカタがエアバッグのリコール問題で揺れています。

 

タカタのリコール総額は数千億円から1兆円規模まで膨らみました。ホンダや他のメーカーがリコール費用を一時的に立て替えていますが、それをタカタに請求すれば実質債務超過状態になります。

 

ホンダは昨年の決算でリコール費用として4500億円を計上しました。タカタの時価総額は300億円、自己資本は1200億円程度しかありません。自動車メーカーがタカタにリコール費用を請求すれば、債務超過で破綻します。

 

しかしタカタの債務が危機的状況にあるかというとそんなことはありません。自己資本比率も高く、売上げ、英異形利益は増収増益です。2013年のほぼ1年分の利益を2015年中間期で計上してしまうほど、大幅に売上げを伸ばしています。

 

 

タカタの株価と決算

Yahooファイナンス-タカタ

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売上高、営業利益、経常利益、当期利益
14年、5569億円、262億円、256億円、111億円
15年、6428億円、329億円、406億円、-295億円
16年、7180億円、421億円、352億円、-130億円

 

タカタの株は2007年には5000円まで高騰していました。それがリーマンショック後に800円まで暴落し、2011年に2500円まで回復し、さらにアベノミクス効果で3000円まで上昇しました。2014年のリコール問題で急激に株価が下落し、現在は400円以下まで暴落しています。

 

リコール問題の影響で7〜8分の1まで下がったことになります。

 

しかし、決算の数値だけみるとそれほど悪い数値ではありません。最終的に当期利益がマイナスなのは、米国政府の制裁金などリコール問題に関わる経費を特別損益として計上しているからです。売上げと営業利益をみると20%以上増えています。16年の営業利益は14年の60%増です。

 

自己資本比率は27%、31%、39%と年々悪化していますが、それでも高い方です。14年の40%というのが高すぎるくらいです。

 

株価が暴落しましたが、決算の中身はそれほど変わっていないため、PERは驚くほど低く2.37%です。原発事故を起こした東京電力のPERよりも低いです。

 

タカタの平均年収

 

決算も数値上は好調ですが、それに合わせて平均年収も年々増加しています。

 

タカタの平均年収
12年、578万円
13年、621万円
14年、637万円
15年、662万円

 

15年の平均年収は12年よりも100万円近く伸びています。14年にリコール問題が本格化しましたが、それでも30万円も増加しています。30歳で平均年収512万円は優良企業です。

 

タカタはスポンサー企業選定後はどうする?

 

決算や平均年収など数値だけみると、驚くほど優良企業です。テレビやネットで流れているタカタの債務超過、法的整理、破綻寸前といった内容はウソのようです。PER2倍は割安すぎです。

 

では割安なタカタの株価を買うのがいいかと聞かれたら、決してそういうわけではありません。現在の400円という株価は安すぎですがリスクが高いです。リスクが高い割にリターンが大きいかと言われたらそれも怪しいです。

 

これからタカタに起きるシナリオを考えると、投資家に待ち受けている未来はそれほど明るくありません。タカタは現在スポンサー企業を探していますが、すでに数社名乗りを挙げていて、スポンサー企業の選定を始めています。

 

タカタがやりたいことは、スポンサー企業から資金を調達する、そして自動車メーカーと交渉し私的整理を進めることです。本来であれば、スポンサーから調達した資金でリコール費用を計上できればよかったのですが、あまりにもリコールの規模が大きくなりすぎました。1兆円を超えているリコール費用の50%を自動車メーカーが負担したとしても、5000億円が残ります。

 

私的整理と法的整理は違います。法的整理は裁判所の決定の元で債務整理が進められますが、私的整理は裁判所外で債権者と債務者の交渉の元行われます。

 

タカタは創業者の家族が企業の大半の株をもつ典型的なオーナー会社です。創業者が株を手放しスポンサー企業に買い取ってもらう、新たに新株を発行する、自動車メーカーと債権を交渉し債務をまけてもらう、そしてあらたに再出発するつもりです。

 

日本という国の制度では、債権者は株主(投資家)よりも優先されます。債権者を納得させるためには、まず株主が損をしている必要があります。

 

そう考えると100%減資というのは避けられそうにないです。100%減資が避けられたとしても、資金を調達するために大量に株を発行します。株が希薄化するためどのみち株主は損をします。

 

タカタの株は投資家が学ぶことがたくさんあります。特に業績回復株を狙っていると、必ずタカタのような銘柄にでくわします。当初、リコール問題がこれほど大きな問題に発展するとは思っていませんでした。

 

不正会計問題を起こしたオリンパスのように、じきに問題を解決して元の株価まで戻るだろうと考えていました。オリンパスは不正問題で3分の1程度まで株価を下げましたが、その後1年半後には元の水準以上に回復しています。

 

不正問題で値下がりした株を100万円で購入すれば、1年半後には300万円で返ってきたことになります。数年以上に渡って株主を欺き、会社ぐるみで行った意図的な粉飾決算の方が罪が重いように感じますが、それほど問題にならなかったりします。これはこれでどうかと思いますが。

 

同じ不正会計でも悪質性が低かった旧ライブドアの社長は刑務所に入りました。

 

安易な気持ちで1日に数10%暴落するタカタの株に惹きつけられて買ってしまったのは大きな失敗です。自動者メーカーとタカタの関係で、JALのように法的整理(債権放棄)はないだろうと読んでいましたが、完全に読み違えてしまいました。

 

タカタの株は損切りせずに持ち続けるつもりです、高い授業料だったと諦めることにしています。