セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

リコール問題のタカタ スポンサー選定後は私的整理

 

リコール問題で揺れているタカタ株ですが、リコール費用の総額は1兆円を越すと試算されています。

 

現在タカタは自動車メーカーと交渉を進めるためにスポンサー探しをしています。自己資本の10倍以上までリコール費用が膨らみましたが、それでも安定的に本業の利益をあげているため、スポンサー候補は意外と少なくありません。

 

すでに7〜8社を超えるスポンサーが名乗りを上げています。アメリカの自動車部品メーカも参加しています。アメリカの自動車部品が入ってくると、これはやっぱり米国交通安全局と米自動車メーカーの陰謀ではないかと思ってしまいますが。

 

登場人物は、株の大半を創業者がもつオーナー企業であるタカタの経営陣と、日本国内の自動車メーカーとスポンサー企業です。

 

スポンサー企業選定後に株価がどうなるか予想してみました。結論からいうと安値で買ったからと言って、一般投資家が儲ける可能性は低そうです。

 

toyokeizai.net

 

 

 

それぞれの利害関係をまとめると

 

Yahooファイナンス-タカタ

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この問題はタカタがスポンサー選定後も簡単にはおさまりそうもありません。国内自動車メーカー、スポンサー企業、タカタの経営陣とそれぞれの利害関係が一致しないからです。とりあえずリコール費用は資金に余裕がある自動車メーカが立て替えているので、すぐに問題を解決する必要もありません。

 

タカタの経営側の要望
・法的整理ではなく私的整理したい
・リコール費用をまけてほしい
・債務を長期で返済させてほしい
・大株主はタカタ一族のため減資は避けたい

 

国内自動車メーカー
・法的整理は避けたい
・株主責任で100%減資
 オーナーの影響力を弱めたい

 

スポンサー企業

・資本を注入する前に法的整理するべき

 

交渉はパワーバランスによって決まる

 

意見が分かれている場合は、パワーバランスが交渉で大きく影響を与えます。パワーバランスを考えると、債権者である自動車メーカーが一番強いです。

 

自動車メーカー > タカタ > スポンサー企業

 

スポンサー企業は複数名乗りをあげているため、タカタは選ぶ1社を選ぶ立場にいます。法的整理を進めるスポンサー企業を選定しなければいいだけの話です。全社が法的整理を提案しているのであれば、交渉はさらに長引くことになります。実際にスポンサー選定は当初の予定よりもだいぶ遅れているので、そういう背景があると思います。

 

交渉がどう進むかはわかりませんが、どちらにしても一般投資家が得をすることはなさそうです。大株主が外部の人間であれば、タカタの経営側と利害関係がわかれますが、大株主はタカタ一家の経営陣です。一般株主の声はないようなものです。

 

自動車メーカーと大株主であるタカタ経営者が損をしない方向で交渉が進められると思います。その場合優先されるのは、以下の順番です。

 

自動車メーカー > 株主(経営一族) > スポンサー > 株主(投資家)

 

債権者と債務者間で私的整理が検討されます。通常の法的整理では裁判所の決定の元で債務整理が進められますが、私的整理は裁判所外で債権者と債務者の交渉の元、損失分担が決められます。

 

私的整理が行われた場合

 

私的整理によって債務残高に応じた負担は守られ、経営責任の明確化や株主責任も問われるようになります。もっとも現実的なのは、タカタが新規株を発行(希薄化)し、スポンサー企業が株を買い取る、自動車メーカーと銀行が協議し、タカタの損失分を銀行から借り長期支払いにする。

 

タカタ一族が株を手放さず、新規に発行した株を買い取ることによって、現経営者の実行力は弱まります。新規に大量に株が発行されることによって、一般株主も大損します。(すでに大損ですが)

 

タカタは自動車メーカーから安定した利益をあげているため、自動車メーカーが債務免除し、これからもタカタと取引を継続することを銀行に掲示すれば、銀行は条件付きで資金を出す気がします。

 

いちばんありえないシナリオは、スポンサー企業が望むタカタの法的整理です。スポンサー企業からみたら、法的整理によって資本を注入する前に債務を放棄し、借金がない状態で経営を始めたいと考えますが、これは都合が良すぎます。

 

債権放棄はだれも得しないから、タカタと自動車メーカーはスポンサー企業を探しています。タカタは自動車メーカーが納得し、自分たちにできるだけ資金が残る方法を探しています。一般株主もそれによって利益、損がきまります。

 

タカタが株の希薄化を行わなければ得をしますが、それはまずありえないです。タカタが株を100%減資する可能性も否定はできません。