セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

中小型液晶パネルの世界シェア シャープは世界第3位

 

シャープとジャパンディスプレイ、韓国のLGなど液晶パネルの対立は激化しています。シャープへ投資するにあたって、液晶パネルの世界シェアは重要な指標になっています。


シャープの事業の半分は液晶パネル、ジャパンディスプレイの8割はスマホ向けの液晶パネルに収益を依存しているからです。

 

シャープは赤字を垂れ流すディスプレイ事業を切り離すかどうかで議論がわれていましたが、鴻海に買収されたことで、ディスプレイ事業で生き残っていくことに腹をくくりました。

 

シャープが復権できるかどうかは、液晶パネルによって大きく左右されます。

 

 

中小型液晶パネルの世界シェア

 

中小型液晶パネルの世界シェア
1位、韓国、LGディスプレイ、17%
2位、日本、ジャパンディスプレイ、16%
3位、日本、シャープ、14%
4位、台湾、イノラックス、8%
5位、台湾、CPT、8%

 

世界シェアを見ればわかるように、韓国のLGと日本企業が世界の5割近いシェアを持っています。日本のジャパンディスプレイは、東芝、日立、ソニーの液晶部門が合弁して作られた会社のため、この3社を足した結果シェアが2位となっています。

 

つまり国策でジャパンディスプレイが誕生しなければ、1位が韓国のLG、2位がシャープとなります。

 

最終的に鴻海の買収案によって、シャープとジャパンディスプレイは合弁することはなくなりましたが、もしこれが実現していれば、世界シェアが30%となり首位のLGと逆転する結果になっていました。

 

結果としてシャープは鴻海を選択しましたが、ジャパンディスプレイが国からの税金で成り立っていることを考えるとこれは正しい判断です。

 

ジャパンディスプレイと合弁しても将来性はない

 

政府ファンドによる出資のおかげで、財務には余裕があったジャパンディスプレイとしては、シャープを傘下に入れることを狙っていました。

 

実は2015年シャープの時価総額は2000億円しかありませんでした。液晶部門が半分占めたとすると、液晶部門の価値は1000億円しかないことになります。

 

ジャパンディスプレイからみたら、シャープの液晶部門を1000~2000億円程度で買収すれば世界首位のシェアを取ることができます。シャープの液晶部門の人員や設備を大幅にカットし、自社設備とシャープの必要な設備を残し稼働率をアップすれば、一時的には高収益を実現できたかもしれません。

 

しかし、長期的な視点でみれば、政府に救済され、国内市場を独占する企業が競争力をもって韓国のLGと戦っていけるかは疑問です。韓国や台湾企業と戦い、永遠に続く設備投資、ディスプレイ事業では採算が取れないことを考えると、遅かれ早かれ現在のジャパンディスプレイのように衰退している可能性は高いです。

 

液晶部門の中でも最近スポットを浴びている有機EL事業では、日本企業は韓国に大幅に遅れています。ライバルのLG企業は有機ELだけで1兆円投資すると公言しています。


体力のない弱い企業同士がくっついたところで、韓国や台湾企業と競争できるとは到底思えません。

 

シャープの時価総額は2000億円しかなかった

 

鴻海はシャープを3800億円で買収していますが、シャープの時価総額が2000億円しかないことを考えると、これは高すぎた買い物かもしれません。

 

そこまでして鴻海はシャープを欲しがったというのもあるし、シャープとしては日立やソニーに遅れをとってジャパンディスプレイの傘下に入るのは、プライドが許さなかったのかもしれません。

 

また、ジャパンディスプレイと統合しても将来性がないことは、経済合理性という視点で考えると明らかです。

 

巨大な中国市場に近く、アップルとの関係が深い鴻海の傘下に入ったシャープは正解だと思っています。

 

シャープを買収した鴻海について

 

鴻海はスマートフォンや薄型テレビなどの電子機器を受託生産するEMS企業の世界最大手です。

 

2005年には台湾中油企業を抜いて台湾一の企業まで成長しています。2014年の連結売上高は15兆円と巨大企業です。

 

鴻海の会長である郭台銘、テリー・ゴウ氏は経済人として超一流です。大前研一は以下のように台湾企業家のテリー・ゴウ氏について語っています。

 

中国はまさに第一世代の全盛期で、50~60代を中心に中国経済の主役をうかがう企業家が台頭してきている。そうした中国企業と連携してチャイワン(中国+台湾)旋風を巻き起こしているのが新興の台湾企業だ。

 

EMS(電子機器の受託製造サービス)で世界最大手の鴻海精密工業や、半導体のファウンドリー(自ら設計は行わず、受託生産する半導体メーカー)で今や世界一TSMC(台湾積体電路製造)などがその代表だ。私はどちらとも付き合いがあるが、鴻海のテリー・ゴウ(郭台銘)会長にしても、TSMCのモリス・チャン(張忠謀)会長にしても、日本の戦後第一世代の経営者とそっくりである。

 

たとえばテリー・ゴウが見つめている鴻海という企業組織の未来図は、松下幸之助が描いていた事業部制のビジョンと重なる。「台湾半導体産業の父」と呼ばれるモリス・チャンにしても温厚な人物だが、変化の激しい半導体マーケットを勝ち抜いてきた戦略眼と先見性は私がこれまでに出合ってきた日本の大経営者に劣らない。