東日本大震災により電力会社の全国の原発がすべて停止しました。2015年に九州電力の川内原発2基が再稼動し、四国電力の伊方原発3号機が再稼動し、現在は合計3基の原発が動いています。
四国電力は3基の伊方原発を保有し、そのうち90万キロワットを出力する3号機が再稼動しました。四国電力は50%の電力比率を原発に依存していますが、全体の200万キロワットのうち45%の出力を確保したことになります。
2016年8月に再稼動したため、この効果が表れるのは来年以降の決算になります。
四国電力の平均年収は661万円
現在の四国電力の平均年収は661万円です。四国電力が位置する香川県内では4位に入るほどの高収入です。香川県の平均年収が430万円しかないことを考えると、十分な給料です。
震災前は797万円で、香川県第二位の企業でした。
四国電力の株価と決算
Yahooファインナンス-四国電力
売上高、営業利益、経常利益、当期利益
14年、6363億円、271億円、-17億円、-32億円
15年、6642億円、289億円、245億円、103億円
16年、6540億円、247億円、219億円、111億円
四国電力の株価も他の地方電力株と同じように推移しています。リーマンショック前の2007年は3000円、大震災前の2011年は2500円、現在は940円前後です。
決算も全体の規模は小さいですが、これも他電力と同じです。15年にようやく黒字化を果たし、原油価格の低迷で電気料金を下げ、16年で利益を改善しています。
自己資本比率は20.6%、21.5%、20.4%とほとんど変わりませんが、他の電力会社よりも資本は安定しています。
EPS(1株当たりの利益)は、-15円、50円、54円と大幅に改善しています。
四国電力の2017年の決算に注目
現在、原子力安全審査委員会から合格を受けた3社は、九州電力と四国電力と関西電力の3社です。これらの電力会社の原発比率は50%を超えています。その他の電力会社は30%前後でそれほど高くはありません。
つまり、原子力安全審査委員会は電力会社のために、原発比率が高い電力会社の原発を優先して審査しています。
ひととおりこの3社が終わったので、今は東京電力の原発を最優先に指定しています。
こういう状況を考えれば、現在審査を受けている原発に関しても審査に適合させ、いずれは再稼動するだろうということが予想できます。
伊方原発が再稼動したのは今年の8月です。この効果が決算書に現れるのは来年の決算発表からになります。
原発再稼動後の電力会社がどれほど利益を押し上げるのかは、電力株の投資家にとってはとても重要です。