セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年7月に資産500万円でセミリタイアして、海外と日本のデュアルライフを目指します。
現在ネット収入は5000円。働かなくても良い、新しい生活スタイルを実現したい。

2017年投資戦力 世界経済が暴落しても電力株でリスクヘッジ

 

2016年も残り3カ月となりましたが、2016年に世界経済が暴落しなかったとしても、2017年も大丈夫だと思う投資家は少ないと思います。

 

未来を予想することにあまり意味はありませんが、暴落が発生することを前提に来年の投資戦略やポートフォリオの構成を考えておく必要はあります。

 

市場を予想して行動しようとすると、予想が外れたときに思わぬ落とし穴にはまってしまいます。

 

考えられるシナリオを十分に想定しておけば、実際にそうなったときも冷静に対処できます。パニックと同時に持ち株すべてを売り払うという心配もなくなります。

 

 

日本経済に考えられるシナリオ

 

まずは日本経済に考えられるシナリオを楽観的な順に並べてみました。

 

①アベノミクスが成功して成長循環に入る

②金融緩和に効果がなく、緩和策を縮小しデフレ経済がこれからも続く

③欧州、アメリカ株が暴落し日本は緩和策を縮小し円高になる

④欧州、アメリカ株が暴落し日本は緩和策を辞めずにインフレ(円安)に陥る

 

楽観的なシナリオ

 

まず、①は一番可能性が低いと考えています。安倍首相がいうようにGDPは順調に増加していますが、これは経済成長しているからではなく量的緩和を行っているからにすぎません。

 

政府が国債を発行しそれを日銀に引き受けさせ、その資金で公共事業を行った場合、その政府の支出はそのままGDPの内訳になります。

 

GDPを1%分増加させるには、5兆円の国債を発行しそれを使うだけで達成します。

 

②は、日本の過去25年間がそうであったようにこれからも、円高とともにデフレ経済が続くという考え方です。先日の日銀の政策会合で、黒田総裁は緩和策縮小についてもあり得るというニュアンスの言葉を残しました。

 

今のペースで日銀が国債を買い続ければ、2018年には市場の国債の半分を買い占めることになります。今後は日銀内でもこのまま国債を買い進めるか、それとも縮小するか議論がわかれてくる頃です。

 

しかし、デフレ経済のままであればそれほど最悪なシナリオではありません。過去25年間そうであったように経済は成長しませんが、円の価値は高く海外の食料や資源、製品など安価で手にすることができるからです。

 

問題は、③や④のように世界の株価が暴落し急激に為替や株が動くことです。

 

暴落による悲観的なシナリオ

 

量的緩和バブルが崩壊したとき、実際にどうなるかはそうなってみないと誰にも分りません。安全資産を求めて日本円が急激に買われる可能性もあるし、円も他の通貨と同様に大きく値を下げて暴落する可能性もあります。

 

先進国が大量に通貨を刷る量的緩和によるバブルの崩壊は、先進国諸国の通貨の信用を急激に失望させるからです。相対的に後進国の通貨の価値が高まるのか、金や仮想通貨に流れるかは誰にもわかりません。

 

③のシナリオは、2008年のリーマンショックのように急激な円高になります。円高は輸出企業の収益を大幅に悪化します。今までより一層、海外の安い人件費を求めて国内の工場は海外に移動し、国内では外国人を雇う企業が増えます。

 

円高であれば、海外から物を安く仕入れて国内に流通する企業が利益を得やすくなります。

 

④のシナリオでは、想定する中で一番最悪なケースです。暴落によって一時的に円高に振れるかもしれませんが、円の信用が低下しインフレに陥ります。

 

政府がインフレをコントロールできなければ、多くの人の生活が苦しくなりますが、今の政府の政策をみればわかるように、コントロールできなくなる可能性は非常に高いです。


ユーロやドルなど先進国間の為替では、それほど動きがないかもしれませんが、ロシアや中国などの新興国に比べて円が急速に信用を失っている可能性があります。

 

シャープが中国資本によって買収されましたが、円安が進めばこういうケースは非常に多くなります。中国からみたら日本の企業は技術力がそれなりにあり製品の質がよく、さらに割安で買収することができるからです。

 

④のシナリオでは、インフレに対してリスクヘッジできる企業に投資するべきです。円高とは真逆な投資戦力を必要とします。海外に製品を輸出でき外貨を稼ぐ力がある、内需企業でもインフレを価格に転嫁できる企業は有利になります。

 

人々の生活は急激に貧しくなるため、生活になくても困らない贅沢を販売する商品やサービスは大きく打撃を受けます。


個人投資家の対策

 

個人投資家であれば、常に最悪のケースを想定して投資戦略を考える必要があります。暴落が発生しない前提で行動していると、実際に暴落が発生したときに資金の大半を吹き飛ばしてしまいます。

 

考える必要があるシナリオは③と④です、しかしこれらは投資戦略が180度異なるため、どちらに大きく動いても損を最小限にできるように柔軟に戦略を考えておく必要があります。

 

どちらのケースが発生しても困らない銘柄というのは決して多くはありません。リスクを取りたくないなら、一度保有銘柄を売り払って現金で保有した方が正解かもしれません。


電力株でリスク回避

 

極端に為替が動いたときでも電力株は十分にリスクヘッジになると考えています。

 

円高に大きく動いた場合、原発再稼動による恩恵は薄れますが資源を安く仕入れることができ、仕入れコストを大幅に削減することができます。円高により工場が海外に流れ需要は減りそうですが、その分を発電しないため利益は圧迫されません。

 

円安に大きく動いた場合、原発再稼動によって恩恵を受けます。国内企業は仕入れ単価が大幅に上昇するため、少しでもコストを下げるために、より原発の再稼動を求めます。

 

急激なインフレが発生しても、電気は生活に欠かすことができない必需品のため、簡単に価格に転覆できます。現在は電気料金が電力会社によって自由に設定できるようになったため、これは容易に行うことができます。

 

逆に電力株がリスク回避にならない可能性は、全国の原発が再度停止し2度と再稼動しないこと。廃炉費用の増加を挙げる人がいますが、廃炉費用が肥大したとしても、結局は国からお金を借りて長期で返済していきます。

 

この廃炉費用は最終的に電気料金から捻出されるため、電力会社の財務を一時的に圧迫することはあっても、それが原因で長期で悪化し続けることはありません。

 

東京電力に投資する場合は、また違うリスクがあります。原発の損害賠償が高額すぎるため、借金をゼロにするため100%減資して、株価を発行し新しい企業として再出発する可能性があります。

 

しかしそうなった場合、損害賠償のお金は政府が税金として負債を抱えるだけなので、これが実行される可能性は極めて低いです。

 

東電の大株主である政府からみたら、他の電力会社と負担しながら長期で返済してくれた方が助かります。

 

この分も最終的には電気料金として抽出されるため、結局は電気を利用する国民が払うことになるのは一緒ですが。