セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

リフレ派の経済学者は、「現実」の世界で起きている問題を理解していない

 

浜田宏一氏は内閣官房参与として、政権に異次元緩和とういうリフレ策を提唱しています。2013年4月からの異次元緩和の仕掛け人です。

 

リフレ派の主張は、政府・中央銀行が数パーセント程度の緩慢な物価上昇率をインフレターゲットとして意図的に定めるとともに、長期国債を発行して一定期間これを中央銀行が無制限に買い上げることで、通貨供給量を増加させて不況から抜け出すことが可能だとするもの。

 

リフレ策とはインフレにする政策とセットです。

 

浜田宏一氏はイェール大学名誉教授を務めるほど高名な経済学者ですが、「現実」の経済については間違えているとしかいいようがありません。

 

リフレ派の論拠であるデフレが不況の原因であるとの主張自体が間違えています。デフレはあくまで不況の結果であるため、金融政策は有効性を持ちません。

 

通貨を発行して不況を脱することができるのであれば、自国通貨を持ち不況に苦しむ国はこの世から存在しなくなります。

 

 

純債務残高でみれば日本は問題ない?

 

浜田宏一

国の借金が多い日本が破綻しない理由 ギリシャとの状況の違い - ライブドアニュース

 

氏は日本の政府債務の対GDP比がギリシャに比べて大きいとしても、日本は574兆円に達する金融資産を保有しているから問題ないといいます。

 

資産を負債から差し引くと、残った分はGDP比で130%、ギリシャより小さいから大丈夫だといいます。

 

しかし政府純債務残高GDP比をみると、ギリシャより少ないだけで世界2位の高水準なのはかわりありません。

 

1位、ギリシャ、174%
2位、日本、127%
3位、レバノン、125%
4位、ポルトガル、120%
5位、イタリア、110%
6位、カーボヴェルデ、107%
7位、グレナダ、107%

 

これをみてギリシャより少ないから良かったと思う人はいないでしょう。

 

日銀がお金を刷れば問題を解決できる?

 

「日本政府の債務は円建てで発行されているたる、このため返済を求められれば日銀でお金を刷ることによりすぐに返すことができる。」

 

「日銀で刷ればよいといっても、あまりお金を刷りすぎればインフレになってしまうが、今の日本はインフレではなくデフレなので、そこを心配する必要はない。」

 

日銀は年間80兆円ペースで円を刷っていますが、2018年には市場に出ている国債の半分を日銀だけで買い占めることになります。

 

日銀だけで国債を買い占めるようになると国債の流動性が低下しますが、7、8割を超えても同じことがいえるでしょうか。

 

そもそもインフレが2〜3%に順調に進んだとして、日銀は適切に金利を引き上げることができるでしょうか。大量に国債を発行したあとに、金利を引き上げるということは、国債による利払いだけで財政が圧迫されてしまいます。

 

黒田総裁は最近になって緩和の縮小はあり得るという旨の主張をしています。

 

「政府が過大な債務をチャラにしようとしてインフレを起こすのが、最も大きな心配である。悪性のインフレが発生すると、国民全部が課税される結果になる。しかし今の日本は長年、デフレに悩まされているので、その心配は少ない。」

 

本当にこの先もないと言い切れるのでしょうか。金利0%、インフレ2%を目標にしているのをみると、どう考えてもインフレ税を徴収する気でしか見えません。


人々がお金にしがみついてるのは不況が原因?

 

「インフレ目標が必要なのは、人々におカネにしがみつくのをやめさせて、失業を解消したり所得を増加させたりして、日本社会をよりよいものにするためです。本来の「目標」はそこであって、インフレそのものが目標なのではありません。いわば、おだやかなインフレは「手段」です」

 

氏はお金にしがみ付くという表現を使っていますが、これは人々が消費するお金を貯蓄に回しているため、経済が不況である原因だとしています。

 

しかし、実際には現代では貯蓄にはそれほどお金を使えていません。

 

年代、消費、貯蓄、貯蓄率
1995年、274兆円、29兆円、9.9%
1998年、283兆円、27兆円、8.8%
2001年、283兆円、10兆円、3.6%
2004年、289兆円、05兆円、1.7%
2007年、289兆円、01兆円、0.3%
2010年、278兆円、-1兆円、-0.7%
2013年、289兆円、-3兆円、-1.2%

内閣府 国民経済計算

 

単純に不況で給料が先細る中、急激な少子高齢化で社会保障費などが膨れ上がっているため税金が増え、現実に使えるお金が減っているだけの話です。

 

デフレというのは不況の原因ではなく、不況の結果だからです。お金にしがみ付いているという前提条件が間違っています。

 

リフレ派学者は「現実」に起きている問題が見えていない

 

こういうリフレ派の学者をみるといつも思うことですが、自国通貨を持つ国は大量に通貨を発行することで不況を乗り切ることができるなら、どうして不況に苦しむ国が後を絶たないのでしょうか。

 

彼らは学問として経済を学びますが、「現実」の世界で起きていることをよく理解していないように見えて仕方ありません。

 

こういう学者は政府の政策に都合のいいタイミングで呼び出されるだけの御用学者にしかすぎません。