セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

日本の国家破産に備える 資産防衛マニュアル

 

橘玲
「日本の国家破産に備える 資産防衛マニュアル」

 

日本の国家破産に備えてどのように個人が行動する必要があるかという内容の本です。これ通りに行動すれば必ず資産を防衛できるというわけではないですが、資産運用に関する基礎知識や考え方を学ぶ上で参考になります。

 

日本の借金は1000兆円を超えていますが、ある日突然日本円の価値が消え国家破産するようなことはありません。国家破産など不安をあおって外貨や投資信託の金融商品を買わせるというのは、セールスマンの常套手段です。

 

しかし将来なにが起きるかは誰にもわかりません。賢明な投資家であれば最悪のケースを想定して備えておく必要があります。最悪のケースが来なければただそれだけの事です。

 

過度に最悪のケースを想定しすぎて、市場に空売りを仕掛けるとか全財産を金や仮想通貨に投資するような事は一切する必要はありません。

 

そういう人は最悪のケースが起きる前に資産を吹き飛ばしてしまいます。

 

また、資産が1000万円を超えてこないとリスクヘッジのための資産防衛もそれほど意味がありません。

 

 


破滅シナリオのステージ

 

著者は市場で起きる将来のシナリオを限定できるといいます。

 

①楽観シナリオ
アベノミクスが成功して高度経済成長期がふたたび始まる

 

②悲観シナリオ
金融緩和は効果がなく、円高によるデフレ不況がこれからも続く

 

③破滅シナリオ
国債価格の暴落(金利の急騰)と高インフレで財政は破綻し、大規模な金融危機が起きて日本経済は大混乱に陥る

 

そして万が一最悪のケース③の破滅シナリオが現実のものになったとしても、それは次のような順番で進行します。

 

第一ステージ
国債価格が下落して金利が上昇する

 

第二ステージ
円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる

 

第三ステージ
国家破産、日本政府がデフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る

 

著者によると、危機は第一ステージから第二ステージに順に移行していくため、慌てる必要はないと述べています。自分と家族を守るための時間は十分に残されています。

 

しかし注意したいのは、第二ステージに入ったらかといって誰かが鐘を鳴らして教えてくれるわけではありません。たとえば日々の為替をみていればわかりますが、短期的に常に上がったり下がったりします。

 

円安が進んだと思ったら、次の週には円高というのもザラです。国家債務も毎年のように積み上がっていますが、明白な臨界点がない限りはどこを基準にするかは結局誰にも判断できません。

 

1000万円以下なら貯金封鎖でも影響なかった

 

具体的に資産を防衛する必要があるのは、資産が1000万円を超えたあたりが基準になると考えています。知識がない投資家が小手先で資産を防衛しようとすると、手数料など本来払う必要がない出費が増えそうです。

 

トルコの南の地中海上に位置するキプロスという国は、2013年に貯金封鎖を行いましたが最終的には10万ユーロ(1100万円)より多い通貨が没収されました。つまり貯金封鎖が行われるほど混乱した状況においても、10万ユーロ以下の人の財産は没収されていません。

 

キプロスは、ギリシャの経済危機によりギリシャ向け国債に巨額の損失が生じ、キプロス政府は欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に金融支援を要請しました。銀行の救済に必要な金額は、国内総生産に匹敵する170億ユーロと言われています。

 

日本も第二次世界対戦の敗戦後に預金封鎖を実施したという前科があります。キプロスの事例は決して他人事ではありません。

 

貯金封鎖事態はそれほど珍しいことではありません。実態はお金持ちから強制的に資産課税を行うためです。政府の借金が膨らみ、いよいよ本当にお金が返せなくなると、国民の財産を政府に移管することで難を逃れようとします。

 

しかしこういう事態に備えて行動するのも、資産が1000万円を超えてからでも十分だと考えています。

 

外貨貯金は効果薄い

 

国家破産を心配している人は、外貨貯金(FXではなく)を頭に思い浮かべる人が多いと思います。しかし、これも資産を分散する必要があるほど多くなければ効果が高いとは言えません。

 

例えばブログとかで香港まで行って、銀行口座を開設して香港ドルを持つ人をよくみかけます。しかし、実際に香港に住んでいるならいいですが、香港まで行くためにも交通代はかかるし、日本円を外貨に替えるときにも手数料がかかります、口座を維持するためにも手数料がかかります。

 

また、使わない国の通貨を大量に銀行口座に預けてもあまり意味がありません。この先、中国と香港が関係を深め、香港ドルが廃止される可能性もあります。

 

資産防衛に必要なのは自己投資

 

有事の際に備えてリスクヘッジをするのは大事なことですが、それよりも大切なのは勉強して知識を付けることです。

 

例えば、ユダヤ人は自分たちの国をもたず、迫害され追放されてきたという歴史があります。そんな彼らが重視するのは、金や宝石よりも「教育」です。ひとつだけ持っていくことができるなら、書籍を選ぶといいます。

 

金や宝石は奪われたらおわりですが、自分の知識は奪われることはないし、自己投資にかけた時間は裏切りません。生きている限り、知識や技術、ノウハウなどは失われることはありません。知識さえあればゼロからお金を生み出すことができます。

 

そう考えると資産防衛のために一番必要なのは自己投資です。