セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

日本政府のデフレ政策、金融緩和策にも限界がみえてきた

 

投資家は露骨な日本政府の株価対策(景気対策)に冷めた目でみつつあります。政府部門が民間企業の大株主になる意味がわかりません。株式会社にまで政府の影響力を強めたいのでしょうか。

 

量的緩和、量的緩和の引き上げ、マイナス金利の次はヘリコプターマネー(日銀の国債直接引き受け)です。

 

中央銀行の国債直接引き受けは、先進国諸国が法律で禁止するほど禁じ手です。日本政府がヘリコプターマネーについてどう考えているか考察します。

 

 

話題のヘリコプターマネーとは

 

ヘリコプターマネーとは、金融政策の比喩としてヘイコプターからお金をバラまく事から生まれました。現代では中央銀行が国民に向けて紙幣を印刷して配布する行為を指します。

 

しかし、そうすると今の政府の政策と何が違うのでしょうか。

 

政府が国債を発行し、日本銀行は増刷した円で国債買い取り、政府はそのお金で公共事業などで間接的に国民にお金をばら撒いています。

 

ヘリコプターマネーと現在の金融政策との違いは、発行した国債を市場に出すか、直接日本銀行が買い取るかの違いだけです。法律で禁止されているのは、後者の方です。

 

しかし、現在の金融政策もいちおう市場に出しているものの、政府に合わせて日銀が国債を買い取っています。フリーマーケットに出店するから必ず買ってねと友人と約束しておくのと、直接友人に買ってもらうかという違いだけです。

 

本質的には何も違いはありません。

 

ではどうしてヘリコプターマネーという金融政策が持ち上げられるようになったのでしょうか。

 

ヘリコプターマネーはただの政治パフォーマンス

 

ヘリコプターマネーという言葉が流行ったのは、前FRBベン・バーナンキ議長が日本に来日し安部首相と会談したからです。バーナンキ氏は言わずと知れたヘリコプターマネーの研究者です。

 

デフレ脱却の失敗している日本政府に助言に来たというシナリオです。

 

しかしこれに違和感はないですか?

 

日本政府が本当にこの政策を真剣に考えているなら、秘密裏にバーナンキ氏と会談します。わざわざ報道やニュースで一斉に取り上げて、握手している写真をとるのは不自然です。どう考えても宣伝が目的です。

 

量的緩和引き上げや、マイナス金利導入は実施直前までできる限り公表しないようにしています。市場にサプライズを与えた方がインパクトがあるからです。

 

デフレ脱却の金融政策のキモは「金融緩和に限界はない」と市場に思わせることです。国が発行する通貨をもつ国民が将来の通貨価値は、物価より下がると期待して消費を促す政策だからです。

 

デフレ経済のように来年も通貨の価値が高いと頭の中に刷り込まれていると、国民はお金を使わずに貯蓄へ回します。

 

日銀総裁も「金融緩和に限界はない」というニュアンスの発言を何度もしています。

 

デフレ政策に限界がみえてきた

 

しかし実際には、理論的には限界値はありませんが、実際には緩和策には限度があります。現在は各銀行が持つ日銀口座だけがマイナス金利ですが、これを国民の銀行口座まで拡大するとは考えられません。

 

今のペースで国債の買取りを続けていくと、2030年には市場に出回る国債を日銀がすべて買い占めることになります。2018年時点でも、すでに市場の半分を買い占めます。

 

日銀総裁は、量的緩和の追加、マイナス金利とあっけなく手持ちのカードを切ってしまいました。デフレ政策をはじめてすぐに財務省が増税を押し切った影響はあまりにも大きすぎました。

 

つまり、金融緩和に限界はないと思わせたいために、バーナンキ氏と会談しヘリコプターマネーの検討を演出しているだけです。

 

実際に実行したとしても、市場に与える影響は心理的な影響が強いだけで、実際にはすでに同じことをしています。

 

それほど手持ちのカードが減っていることを表しています。

 

デフレ政策はすべてが時代遅れ

 

こういうデフレ政策はあまりにも時代遅れです。

 

例えば日本政府は、1931年に高橋是清首相が日銀の国債直接引き受けを行うことで、世界に先駆けてデフレを脱却したと言いますが、昔と現代では状況がまったく違います。

 

閉じた世界ではそれで通用しましたが、現代のようにネットで情報が瞬時に集まり、資産も簡単に国境を越えます。

 

こんな時代に通貨の価値が薄くなると思えば、国内の消費ではなく海外の資産保有率を高めるだけです。デフレ脱却のために過度に円の価値を下げると1000万円程度しかない人でも、海外の口座に置いた方がマシだと考えます。

 

タックスヘイブンなど租税回避が政府によって厳しく批判されていますが、実際にはこれは避けることはできません。

 

言葉も文化、法律が違うのに税金の課税ルールを世界で共通に運用することは不可能です。県を挟んで別々だった戦国大名が全国を統一するような話ではありません。

 

アメリカは州によって法律も違うし、EUは加盟国同士でさえ税金の課税は違います。イギリスはEUすら離脱してます。

 

情報が発達した情報化社会では、知らないというだけで損をする世の中です。