セミリタイアしたサラリーマン投資家
2017年夏にセミリタイアし、海外と日本のデュアルライフを目指します

アメリカ経済の失速で賃金労働者は自分たちの手で職を失う理由

 

アメリカのニューヨーク州の知事と州議会は、ニューヨーク州の最低賃金を9ドル(945円)から、15ドル(1575円)に引き上げることに同意しました。

 

ニューヨークに続いてシアトル、ロサンゼルス、サンフランシスコの都市でも、最低時給が15ドルに引き上げられることが決定しました。

 

今後、他の都市でも引き上げられていくことが予想されます。

 

そして、賃金上昇を要求するアメリカの賃金労働者の多くは最終的には自らの手で職を失うことになります。

 

 

人間を雇うよりもロボットを雇った方が安い

 

ニューヨークの1.67倍の賃金上昇を東京の時給に置き換えてみます。東京の最低時給は「907円」なので、「1514円」になります。

 

最低時給1514円のマクドナルドで1日8時間、週5日働くと月給は「24万2240円」になります。

 

マクドナルドのバイトでこれだけの給与を経営者側が払うのは現実的ではありません。

 

では、経営者はどのような対策を考えるでしょうか。

 

人間を雇うのが高いと思ったら、当然ロボットでの代用を考えます。

 

その方が初期投資に多くのお金を使ったとしても、最終的には元が取れると判断するからです。

 

実際にアメリカのマクドナルドでは店舗従業員の代わりにロボットへの置換を開始しています。

 

券売機に大きめのスクリーンを用意して、販売員を通さずに注文ができるようになりました。

 

厨房でも簡単な作業から徐々にロボットに任せます。たとえばポテトを揚げる、冷凍食品を解凍する、ミートを焼く、最終的には盛り付けとラッピングもロボットが代行するかもしれません。

 

彼らは路上に出て、時給が少ないと政府に抗議をすることもないし、休憩時間を求める事もありません。電源さえあれば、24時間働くことさえ一切苦になりません。

 

ニューヨーク労働者たちは、自分たちの給料をあげるためにストリートに経って何日もデモ活動をしましたが、最終的に彼らの多くは自分たちの職を失う機会を速めただけです。


次にリーマンショックのような大規模な経済危機が訪れた、企業は経営の効率化を劇的に加速させます。

 

それほど単純労働者に支払う時給15ドルというのは、企業にとって高額な金額なのです。

 

賃金があがっても結局は職を失う

 

経営者の視点でビジネスを考えばわかりますが、最低賃金を政府によって設定するというのは、愚策でしかありません。

 

経営状況というのは、それぞれの企業によって大きく違います。

 

たとえば月に1000万円の売り上げをあげている店舗が、ひとりあたり10万円のパート代を払って、10人の労働者を雇ったとします。

 

この店舗の経営者が店舗代や仕入れなどの経費を抜かして利益をあげるために、人件費にかけるコストは100万円が上限です。

 

10人の労働者が経営者に賃上げに倍の金額を要求します。経営者が断ると労働者は、街に出て政府に対してデモ活動を行います。

 

政府がこれを許可して、法律で制定します。

 

経営者は利益を出すために100万円しか人件費をだせないので、10人から5人でも店舗を回せるように経営改革を進めようと努力します。

 

5人は職を失い、残った5人の仕事は効率化を求められるため、より一層忙しくなります。2倍の作業効率を求められます。ひとりの労働者は、販売と接客、仕入れ、在庫管理を任されます。

 

労働者は不満を経営者に伝えます。

 

経営者はロボットなどのハイテク技術が数年前より向上し、10年間人件費を払い続けるよりも、初期費用でロボットを購入した方が安くなることを知ります。

 

10年の間に労働者はさらに人件費をあげることを要求する可能性はありますが、技術開発が進めばロボットはより安価になります。

 

そうすると残った5人ですら仕事を失い、経営者はロボットを管理する作業員1人か2人だけで店舗を回すことを考えます。

 

経営者は過度なリスクをとって、ビジネスを成功させようと日々努力をしています。そんな経営者が、リスクを一切とらずに時間当たりの時給を求めるだけの労働者に、自分の利益を減らしてまで、無条件に時給を倍にするでしょうか?

 

デモ活動しているひまがあったら、勉強した方がいいのでは?

 

日本ではバブルが崩壊して不況が長く続いたため、企業の多くは経営改革を積極的に行い社員を雇うよりも、派遣やパートを増やすことで経営難を乗り切ってきました。

 

2008年のような大恐慌になれば、この流れは余計加速します。2016年非正規社員は全体の4割まで増加しました。

 

次にリーマン級の不況が起きれば、企業により一層の効率化が求められ、今度は派遣やパートに代わってロボットでの代用を真剣に考えます。

 

この流れは現実的に避けられない事です。

 

高性能のパソコンが開発され、インターネットが普及し始めようとしている時代に、農家で一生懸命仕事をしていても収入があがらないのと一緒です。

 

社会に適用できる人の収入はあがりますが、できない人は下がる一方です。

 

労働者がやらないといけないのは、街に出てデモ活動をするのではなく、自分で収入を得る方法を探すために労力を使うべきです。

 

必死にデモ活動をして、政府の政策を動かしたとしても、権利を勝ち取ったと喜ぶのは最初の数年間だけです。

 

その後は厳しい現実が待っています。