資産を形成するのは、特別な知識が必要なわけではなく誰でも簡単に実現可能です。
投資で資産「670億ドル」築き、世界一の億万長者になったウォーレン・バフェットは、投資で頭の良さは一切関係ないと語っています。
ウオーレン・バフェット
「25以上のIQがあれば投資での成功は頭の良さとは何ら関係ない。それなりの頭があれば、投資で必要なのは多くの投資家を失敗に陥れる衝動をコントロールできる気質だ。」
自分の感情をコントロールし常に冷静に行動すれば、投資の世界では誰でも成功できると語っています。
特に年齢が若い20代であれば、まだまだチャンスはたくさんあります。高齢者よりも資産は少ないですが、これから30~40年という長い時間を味方に付けることができます。
ある一定以上資産が増えてくると、お金は2次曲線的に上昇していきます。
例えば、特別な仕事の能力がなくても30歳で年100万円貯金でき、7%で運用できれば30年後の60歳を迎える頃には「9446万円」のリターンを手にすることができます。
これだけの資産を株式で稼ぐ事ができれば、たとえ3%の配当金であっても、「283万円」を毎年手にすることができます。
日本経済がこれ以上成長しない事実を知る
日本はこれから良くなっていく可能性はほぼゼロです。目の前の事に一生懸命に努力しても得られるリターンは限られます。
まずは、現状を知る必要があります。
政府の債務残高は毎年40兆円のペースで積みあがっています。GDP比で換算すると250%で世界一です。
高齢化は世界最速で進行しています。2015年の高齢者化率は「26.34%」でこれも世界一です。
2010年あたりから人口が減少に転じ、これから先生産人口年齢は急速に減少していきます。高齢者の数に対して生産人口年齢の割合が大幅に悪化するので、年金、医療、介護に掛かる社会保障費は、もの凄い勢いで増加します。
年収400万円で支払う税金は2割程度ですが、近い将来4割まで増加するかもしれません。
年金の給付もつい先日60歳から65歳に引き上げられたばかりですが、数年後には70歳になる可能性も高いです。
政府もそれなりに対応していますが、根本的な人口問題を抱える以上は焼け石に水です。
とくに年齢が若いサラリーマンほど、自分の将来を自分で設計する必要があります。親世代に答えを求めても、彼らは将来設計を会社に任せてきたのであまり意味はありません。
年功序列、終身雇用という従来の仕組みがなくなった以上、ただ椅子に座って一生懸命仕事をしているだけでは、一生貧乏人のままです。
特に20代は、他の年代より圧倒的に年収が少ないですが、年齢を重ねたからといっても収入が今の世代より多くなることは期待しない方がいいです。
もし、今の世代よりも年収が増えたとしても、それは過度な金融緩和により円の価値が薄くなって、名目の数値が増えただけです。実質の給与は下がっています。
複利を利用すれば資産は2次曲線で増大する
資産を形成するためには必要な考え方は実にシンプルです。
資産=(収入-支出+運用益)×期間
これだけです。
収入から支出を引いた金額と運用益が多ければ多いほど有利ですが、期間が長ければそれだけで資産は増大していきます。
貧乏な人ほど、目の前の年収ばかりを気にしますが、資産形成という観点ではそれほど重要ではなかったりします。収入から支出を引いた時に手元のどれだけ残るかが大切です。
年収が上がりにくい今の時代に、年収ばかり重要視して考えるとかえってストレスになってしまいます。
株式で資産を運用した場合の平均利回りは「7%」と言われています。もちろんこれは投資家個人の能力によります。
あるサラリーマンが毎年100万円株式に投資し7%で運用した場合、30年後には「9446万円」のリターンを手にすることになります。
01年、100万円
05年、575万円
10年、1381万円
15年、2512万円
20年、4099万円
25年、6324万円
30年、9446万円
35年、13826万円
注目すべきは、1年間に100万円の投資、7%の運用益というパフォーマンスは変わっていませんが、2次曲線的に資産が増大していくことです。
最初の5年間は「475万円」しか増えませんが、30年後には「4千万円」増加します。これがバフェット氏がいう「複利の力」です。
複利の計算は、インターネットで簡単に計算できます。
この方法でバフェット氏は世界一の投資家になっています。世界中のパソコンにWindowsを搭載して億万長者になったビル・ゲイツ氏よりもお金持ちになっています。
1年間に100万円貯めるためには
特別な能力がなくても1年間に100万円貯めることはそれほどハードルは高くないです。
年収が多ければ多いほど有利ですが、あくまで「収入-支出」が大事です。中途半端に年収が多い人ほど貧乏人が多いのは、自分の年収に自然と生活水準を合わせてしまうからです。
たいていのサラリーマンは年収が5年後に100万円あがれば、家賃が高いところに引っ越し、より良い車に買い替えたり、住宅ローンを組むようになり、手元にお金が残らない生活をしてしまいます。
手元に100万円の残すことさえできれば、正社員だろうが非正規社員だろうが、アルバイトかどうかはそれほど重要ではなくなります。
例えばアルバイトの場合、1日に8時間を週5日、時給800円で働けば年間「153万円」の収入になります。実家に暮らして最小限の税金を払い、いくらか家にお金を入れたとしても、親との交渉次第ではそれなりの金額が手元に残ります。
わざわざ実家を出て都内で働き、高い家賃と生活費、投資の勉強をする時間がなくなるほど時間外労働をして安い給料を得るよりも、何倍も現実的です。
サラリーマンの年収400万円でも、東京に住み家賃を「6~8万円」払えば、月に残るお金は、節約したとしてもせいぜい「2~3万円」がいいところです。
アルバイトの利点は、通勤時間を最小限に抑え、柔軟に時間調整ができ過度な労働を避け、勉強のために自由に時間を使える事です。
年間の運用益7%の現実性
株式投資の年間運用益7%はそれほど難しくない数値です。
過度にリスクを取りたくなければ、日経インデックスなどの市場平均に投資すれば最小限にリスクを抑えることができます。
2008年のリーマンショックや、2016年のチャイナショックの暴落時に投資額を多めに積み立てし、通常時は少なくすることでそれなりのパフォーマンスをあげれます。
個別銘柄で投資をする場合は、それなりにリスクがあります。例えば、1銘柄で集中投資した場合、年で30%以上上下することもあります。
個人的には、年齢が若いうちは多少リスクを取ってでも、集中投資をした方がいいです。
一般的にはどの投資関連の本を読んでも、リスクヘッジをして分散投資をした方がいいと語られていますが、分散投資のデメリットは、事前調査が足りずによくわからない銘柄を何個も抱えてしまうことです。
少ない投資で10銘柄を保有して、そのうちの1銘柄が2~3倍になっても全体のパフォーマンスは微々たるものです。
資産に応じて保有銘柄数が自然と増えていく方が何倍も大切です。資産が増えていけば、金融リテラシーも向上し、適切な分散投資をするようになります。
ひとつやふたつの銘柄に自己投資しようと思ったら、その企業への自己分析は念入りに行い、投資するかしないか慎重に行動するようになります。
最初は何度か失敗を重ねるかもかもしれませんが、年齢が若いうちはいくらでもやり直しがききます。
十分に時間を掛け投資について学び、少ない銘柄で集中投資をしてパフォーマンスを上げた方が将来得られるリターンは大きです。
サラリーマンで高収入を得るよりも難易度は低い
年間の貯蓄額が100万円、年間平均運用パフォーマンスが7%を維持できれば、だれにでも資産を築けるチャンスはあります。
この方法は、夜遅くまで働いて会社の評価をあげる、仕事で高いパフォーマンスをあげて年収を増やすことよりも明らかに難易度は低いです。
少ない年収のために日々の仕事で疲れ切って、週末も将来のためにじっくりと勉強する時間が持てないのであれば、どれだけ頑張っても一生貧乏人のままです。
世界の億万長者はみなこの法則を知っています。