サラリーマン投資家
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震災後の電力会社の平均年収は震災前とほとんど変わっていない

電力会社の震災前と震災後の「平均年収の差」と「原発比率」を比較してみました。原発停止以降、ほとんどの電力会社の決算が赤字になりましたが、経営改革のためにどれだけ平均年収を減らしたのでしょうか。

|*電力会社|*前年収|*後年収|*減少率|*原発比率
|関西電力|806|782|−3%|53.6%
|四国電力|789|768|-3%|53.4%
|九州電力|828|782|-6%|50.1%
|北海道電力|817|777|-5%|39.6%
|東京電力|761|619|-19%|32.1%
|北陸電力|783|746|-5%|30.9%
|東北電力|837|773|-8%|27.7%
|中国電力|804|793|-2%|20.9%
|中部電力|834|801|-4%|12..3%
|沖縄電力|740|732|-1%|0%
(上から原発比率順)

 

予想では、単純に原発比率が高い電力会社ほど、震災後の平均年収の差が大きいのかと予想していますたが、実際には、ほとんど「関係ない」ようです。

当然ですが、事故を起こした東京電力最も高く「19%」、東京電力以外だと東北電力「8%」と割と高めです。原発事故が発生したのが東北電力の管轄内だから、当事者意識が強かったのでしょうか。

 

原発比率が小さい中部電力の年収差が「4%」と、他電力と比較して小さいのは理解できますが、原発比率が高い関西電力と四国電力は、意外にも「3%」しか下がっていません。東京電力以外の地方電力会社の株の購入を考えていますが、これを見ると関西電力と四国電力への投資は避けたくなります。

東京電力と原発を持たない沖縄電力を除いて、原子停止以降、決算が数年間赤字決算に陥ったにも関わらず、減少率はわずか「4.5%」だけです。電力会社への批判は置いておいて、冷静に見ると、電力業界は地域独占型の規制産業であることを示しています。

 

東北電力の平均年収は「837万円」ですが、東北電力管内にある青森県の平均年収はわずか「352万円」と、一般県民の倍の年収を悠々と超えてます。

2016年4月以降の電力自由化による、電気料金や平均年収はどれくらい下がるのでしょうか。この電力自由化の目的は、地域独占型の電力業界に「競争原理」を持ち込むことです。

電力自由化後もそれほど「変わらない」と予想しています。「家庭向け」の電力自由化は2016年からですが、2007年にはすでに工場やマンションなどの「大口顧客」の自由化が認められているからです。むしろ、電力自由化によって販売元の電力会社が、自由に価格を設定できるようになったので、今後は上昇していくと予想しています。

 

原発が停止したことによって外国に支払っている燃料費は、年間3兆円といわれています。これを国民一人当たりに換算すると燃料費は「3万円」、月に換算すると「2800円」余計に負担していることになります。電力会社が莫大な費用を掛けて、再稼働に向けて設備投資する理由がわかります。2年半停止した原発を動かせば、東京電力の賠償金総額の7兆円に達する額です。

 

冷静に考えると、原発を止めないで発電し続けることによって、福島への賠償金は国からお金を借りずに支払たことになります。

将来的に原発を使わないと決断するにしても、まずは現在の原発を稼働させて、そこから次のエネルギー開発のための費用を捻出する必要があります。技術開発には、開発に見合った費用が必要になります。

 

お金が何もないところから生まれないので、結局のところ、停止した原発に掛かるコストは、すべて国民が負担することになります。原発停止により掛かるコストとは、廃炉費用、火力発電のための追加分の燃料費、再稼働のための設備投資、再生可能エネルギーの負担の事を指します。

 

国民は、原発停止によるコストを、電力会社が負担することを暗に期待していますが、平均年収の下落率をみるとそうでないことは明らかです。再来年くらいには元の給与水準に戻りそうです。

今回の家庭向け電力自由化は、政府が決めていた電気料金を電力会社に設定されることによって、国民からの批判を政府が避けるためだったのでないでしょうか。現在の電力価格は、政府によって設定されていますが、原発を停止したことによって、電気料金を上げる必要があることは、誰の目にも明らかです。

日本が原発を止めて火力に大きく依存している環境は、経済的にとてもよくないです。今の日本の状況は、原油を売るロシアや中東にとって、資源を高額な価格で売りつける大きなチャンスになっています。